フランクリン・テンプルトン、カントンのスーパーバリデーターに。ナスダックやVisaに続き

トークン化ファンドの24時間設定・解約などを計画

米大手資産運用会社フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)が、機関金融向けブロックチェーン「カントン・ネットワーク(Canton Network)」のスーパーバリデーター(Super Validator)になると、同社のデジタル資産部門が8月3日に公式Xで発表した。

スーパーバリデーターは、カントンの共有調整基盤「グローバル・シンクロナイザー(Global Synchronizer)」を運用する特別なノード運営者だ。同ネットワークのネイティブトークン「カントンコイン(Canton Coin:CC)」の移転検証やコンセンサス形成、ネットワークのガバナンスなどを担う。

カントンは、取引情報を閲覧できる参加者を限定するプライバシー機能を備えたパブリックL1ブロックチェーンだ。規制対象となる金融資産や複数機関にまたがる取引を、機密性を保ちながら処理できるよう設計されている。

フランクリン・テンプルトンは、金融機関はブロックチェーンを利用するだけでなく、運営にも関与すべきだとの考えを示した。また、伝統金融(TradFi)と分散型金融(DeFi)の融合が進む中、トークン化資産を安全かつ法令に準拠した形で、世界の資本移動を支える仕組みに統合することを重視していると説明した。

カントン側も公式Xで、フランクリン・テンプルトンがスーパーバリデーターとしてネットワークの中核インフラ運営を直接担い、取引の安全性確保と機関投資家資金のオンチェーン移行を支えると説明している。

今回の参画に関するカントン改善提案(Canton Improvement Proposal:CIP)「CIP-0118」は、6月4日に作成され、6月10日に承認された。フランクリン・テンプルトンが獲得できるスーパーバリデーター報酬ウェイトは最大5だ。報酬ウェイトとは、スーパーバリデーターに支払われるカントンコイン報酬の算定上の比重を示す数値で、値が大きいほど受取額も増える。フランクリン・テンプルトンには最初からウェイト5が与えられるのではなく、事前に定められたマイルストーンの達成と確認に応じて、最大5まで段階的に加算される。今回の公式発表は、CIPの承認から約2カ月後となった。

フランクリン・テンプルトンに設定された最初のマイルストーンは、CIP承認から6カ月以内に、同社がカントンのメインネット上で少なくとも1件の財務管理取引を本番運用として実行することだ。対象には、トークン化米国債やデジタルキャッシュの保有、ファンド運営に伴うリポ取引またはリバースリポ取引などが含まれる。達成すると報酬ウェイト1が付与される。

2つ目のマイルストーンは、CIP承認から9カ月以内に、同社がカントン上のトークン化ファンドで24時間365日の設定・解約機能を実用化することだ。参加者がステーブルコインまたはトークン化要求払預金をオンチェーンで受け渡し、ファンド持分を設定・解約できる仕組みを想定している。達成すると報酬ウェイト1が追加され、最初のマイルストーンと合わせて合計2となる。

さらに同社は、CIP承認から18カ月以内におけるトークン化ファンドの累計設定・解約額に応じて、追加の報酬ウェイトを獲得できる。対象額1億ドル(約158億円)ごとに報酬ウェイト0.5が加算され、追加分は最大3となる。対象となるのは、オンチェーン上の財務管理とデジタルキャッシュの受け渡しを通じて行われた実取引に限られる。

フランクリン・テンプルトンはすでに、独自のトークン化投資商品管理基盤「ベンジ・テクノロジー・プラットフォーム(Benji Technology Platform)」をカントンへ接続している。カントンは2025年11月、同基盤の統合により、機関投資家がトークン化投資商品を利用できるようになったと発表していた。今回、同社はカントンの利用者から中核インフラの運営者へ関与を広げることになる。

カントンでは、ナスダック(Nasdaq)のスーパーバリデーター参画に関するCIP-0097が1月5日、ビザ(Visa)に関するCIP-0109が3月23日に承認されている。ビザは3月25日、大手グローバル決済企業として初めてカントンのスーパーバリデーターになると正式発表していた。

なお日本企業では、SBIグループのSBIデジタルアセットホールディングス(SBI Digital Asset Holdings)が、カントンネットワークのスーパーバリデーターを務めている。このほか、バリデーターまたはノード運営企業として、ネクストファイナンステック(Next Finance Tech)、オーケーコイン・ジャパン(OKJ)、ギンコ(Ginco)、ホドルワン(HODL1)、ヒノデテクノロジーズ(Hinode Technologies)、住友商事の参画が公表されている。

このうちヒノデテクノロジーズは、グミ(gumi)の連結子会社gC LabsとTISの合弁会社だ。またHODL1はNext Finance Techとの連携により参画し、住友商事はIT子会社のSCSKと共同でノード運営を開始している。

参考:CIP-0118
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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