
法定通貨とデジタル通貨の相互運用性を強化
米決済大手マスターカード(Mastercard)が、ステーブルコイン決済インフラ企業BVNKの買収を完了したと8月3日に発表した。
マスターカードは3月17日、BVNKを最大18億ドル(約2,837億円)で買収する最終契約を締結したと発表していた。買収額には、一定の業績目標の達成に応じて支払われる最大3億ドル(約473億円)が含まれる。なお、今回の買収完了発表では、最終的な買収額は明らかにされていない。
今回の買収によりマスターカードは、法定通貨とデジタル通貨の相互運用性を高め、人や企業が価値をやり取りする際の選択肢を広げる方針だ。
BVNKは、法定通貨とオンチェーン決済を接続するインフラを提供する企業だ。同社の技術により、企業などはセキュリティやコンプライアンスを確保しながら、法定通貨とデジタル通貨を保有、移転、管理、交換できるという。
マスターカードは、同社のグローバルネットワークとBVNKのオンチェーンインフラおよびステーブルコイン技術を組み合わせることで、金融機関やフィンテック企業などによるステーブルコインとトークン化資産の活用を支援する。
具体的な用途として、クロスボーダーB2B決済、送金、支払い、清算、財務管理に伴う資金移動などが挙げられている。
マスターカード最高製品責任者のヨルン・ランバート(Jorn Lambert)氏は、法定通貨、ステーブルコイン、トークン化預金などが共存する環境では、各決済網や通貨を効果的に接続することが重要になるとの見方を示した。
BVNKは2021年に設立された。同社のプラットフォームは主要なブロックチェーンに対応し、130を超える国で顧客による決済の送受信を可能にしている。
なおBVNKは、マスターカードの競合である米決済大手ビザ(Visa)とも関係を築いてきた。ビザの投資部門ビザ・ベンチャーズ(Visa Ventures)は2025年5月、BVNKへ戦略的に出資した。出資額は公表されていない。
同年10月には、米金融大手シティグループ(Citigroup)の投資部門シティ・ベンチャーズ(Citi Ventures)もBVNKへの戦略的出資を発表した。また当時、コインベース(Coinbase)とマスターカードがBVNKの買収を巡り協議を進めていると「フォーチュン(Fortune)」が報道。売却価格は15億〜25億ドル(約2,364億〜3,940億円)の範囲で検討され、、コインベースが優位に立っているとも報じられていた。
さらにBVNKは2026年1月、ビザの即時送金ネットワーク「ビザ・ダイレクト(Visa Direct)」向けにステーブルコイン決済インフラを提供すると発表。一部市場での試験導入を通じ、法人顧客によるステーブルコインでの事前資金化や、受取人のデジタルウォレットへのステーブルコイン払い出しを支援するとしていた。
The challenge is no longer creating new rails. It’s connecting them.
— Mastercard (@Mastercard) August 3, 2026
Today, Mastercard completed its acquisition of BVNK.
Together, we’re helping customers connect digital and traditional forms of money through trusted infrastructure built for scale.
Learn more:… pic.twitter.com/LSuinujdeR
参考:マスターカード
画像:PIXTA
関連ニュース
- ビザが「Visa Direct」でステーブルコイン決済の試験導入へ、、BVNKと提携で
- Visa、年間120億ドル規模のステーブルコイン決済を処理するBVNKに出資
- 米シティ、ステーブルコイン基盤提供のBVNKへ戦略的出資。コインベースらは買収協議か
- t54[.]ai、XRPL向けAI決済基盤でマスターカードの「Verifiable Intent」に対応
- マスターカード、AIエージェント向け決済基盤「Agent Pay for Machines」ローンチ
参照元:ニュース – あたらしい経済


コメント