セイラー氏「クラリティ否決はむしろ好都合」妥協案の制限条項に懸念

この記事の要点

  • セイラー氏「CLARITY否決は業界に有利」
  • SEC・CFTC、既存権限で市場整備を先行

クラリティ否決「業界に有利」

米上場企業ストラテジー(旧マイクロストラテジー)会長のマイケル・セイラー氏は2026年9月20日、米上院でCLARITY(クラリティ)法案のクローチャー投票が不成立となったことを受け、法案の頓挫はデジタル資産業界にとってむしろ有利に働くとの見解をXに投稿しました。

同氏はその理由について、法律は権利だけでなく規制も恒久化すると指摘し、同法案の最終妥協案に盛り込まれた制限をそのまま法制化することに慎重な姿勢を示しています。

そのうえでセイラー氏は、妥協案の制限を受け入れるよりも、SEC(証券取引委員会)CFTC(商品先物取引委員会)、財務省、銀行規制当局による支持的なルールのもとでデジタル資産業界が前進する方が望ましいと主張しています。

法案の規制条項に懸念、当局は既存権限で先行

ステーブルコイン報酬規制に異議

セイラー氏は、9月に示された妥協案が規制対象事業者(カバードプロバイダー)に対し、決済用ステーブルコインの保有だけを理由とする顧客への報酬支払いを制限していた点を問題視しています。

同氏はさらに、コミュニティバンク(地域金融機関)からの大規模かつ有害な預金流出が認められた場合に、財務省が一定の報酬を制限する仕組みにも懸念を示しました。

これらの制限についてセイラー氏は「銀行を流動性危機から守ることと、より優れた競合から守ることは異なる目的だ」と指摘し、金融機関の健全性維持と競争の制限は区別すべきだと主張しています。

同氏はさらに、イノベーション・サンドボックス(試験的な規制緩和の枠組み)の設計にも懸念を示しました。

セイラー氏は、参加企業を従業員25人以下、各委員会の年間承認プロジェクト数を20件に制限する内容を挙げ、「市場がその可能性を示す前に、実験の規模を法律で固定することになる」と批判しました。

SEC既存権限でトークン化証券を救済

こうした法制化による制限を懸念する一方で、セイラー氏は既存権限を使った規制対応の例として、SECが9月17日に発表した「イノベーション免除」を挙げています。

この措置は、トークン化された株式のオンチェーン取引に条件付きの救済を認めるもので、SECのポール・アトキンス委員長は「市場の発展を認めながら運用から知見を得たうえで、将来の恒久的なルール策定につなげるための暫定措置だ」と述べました。

免除は公表から5年間の時限措置で、一定の条件を満たすトークン化証券取引の場(TSV)を、証券取引所法上の「取引所」の定義から一時的に除外する内容となっています。

TSVでは許可制の自動マーケットメイカー(AMM)流動性プールを通じたトークン化NMS銘柄の取引が認められる一方、対象銘柄数や出来高には上限が設けられています。

発行体には自社証券の取引に異議を申し立てる機会が与えられ、投資家保護や証券法上の詐欺禁止規定も引き続き適用されます。

CFTC、法案なしでも規制整備を推進

CFTCのマイケル・セリグ委員長は9月16日、上院での投票結果を受けてXに声明を投稿し、クラリティ法案が停滞した場合でも既存の法的権限を活用して仮想通貨市場のルール整備を進める方針を示しました。

CFTCではレバレッジ・証拠金取引やオンチェーン金融に関する検討が進められており、仮想通貨(暗号資産)の取引や市場構造に関する規制案も9月17日にホワイトハウスの予算管理局(OMB)の審査部門へ提出されています。

セイラー氏はこうしたSECとCFTCの対応を踏まえ、法制化を待つよりも、まず既存権限の範囲で有用な金融商品やサービスを市場に広げるべきだとの考えを示しています。

同氏は「デジタルイノベーションに対する最善の保護は、その恩恵を受ける市民だ」と述べ、広く普及したサービスの利用者が将来の規制変更に対する社会的な支えになると主張しました。

法案と既存権限、二つの道筋が並走

議会では法制化に向けた協議も続いており、9月15日の採決で反対票を投じたキルステン・ジリブランド議員ら民主党上院議員7人は翌16日、クラリティ法案の成立に向けて超党派で取り組みを続けるとの共同声明を発表しました。

セイラー氏も将来的な法制化の必要性は認めており、追加の権限や保護が必要な分野については、対象を絞った立法を進めるべきだと主張しています。

一方で2027年と2028年は、既存権限のもとで有用なデジタル金融商品を大規模に普及させるとともに、一時的な救済措置を恒久的なルールへ移行することを優先すべきだとの考えを示しています。

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Source:マイケル・セイラー氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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