西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

上海株暴落で中国警察当局が動いた! ビル・グロス氏もビビる驚きの対応とは? ブログ

上海株暴落で中国警察当局が動いた! ビル・グロス氏もビビる驚きの対応とは?

■上海株急落でオセアニア通貨が暴落 みなさん、こんにちは。

 過去2カ月に渡ってこのコラムで取り上げてきた、ユーロ/円、NZドル/円といったクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)ですが、今週(7月6日~)も続落。

【参考記事】

●ハト派的な米FOMCで米ドル/円急反落!NZドル/円が80円割れ濃厚な理由とは?(6月18日、西原宏一)

●フランスがユーロ圏・EU離脱(Frexit)!? ユーロ/ドルが1000pips下落するとの予想も(6月25日、西原宏一)

 オセアニア通貨では、NZドル/円は80円割れ目前の80.67円まで、豪ドル/円は90円を割り込み、一時、89.17円まで急落しました。

豪ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 4時間足)

 NZドル/円はいったんのターゲットである80円台まで到達しました。

NZドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/円 4時間足)

 また、141円でトップアウトしたユーロ/円は、133.30円まで下値を伸ばしました。

ユーロ/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)

 ギリシャ問題が混迷を深める中、欧州通貨より、オセアニア通貨が暴落しているのは、上海株の急落が原因。

上海総合指数 日足(出所:CQG)

■中国政府の株価対策もまったく効果なし オセアニア通貨暴落の背景は、今週(7月6日~)、多くのテレビ番組で特番が組まれている「ギリシャ問題」ではなく、上海株の急落。

 続落する上海株に対し、中国政府は昨年(2014年)11月以降、4回の利下げを決行し、さらに年金基金の3割を株式投資に充てる方針を決定。

【参考記事】

●ロシア急接近してギリシャBRICs入りの噂!? 30%暴落した中国株の為替への影響は?(7月7日、西原宏一&松崎美子)

 加えて、先週末(7月5日)には市場を安定させるために、2兆円規模の基金の設置を発表しましたが、まったく効果がなく、この3週間で上海総合指数は30%近く下落しています。

上海総合指数 日足(出所:CQG)

 上海株の下落はそのプロキシー(代理)である豪ドル/円の下落を誘引します。豪ドル/円はサポートの89円台、NZドル/円は80円台まで下落しました。

豪ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)

NZドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/円 日足)

 クロス円の急落に押されて、米ドル/円も122.00円のサポートが決壊し、一時、120.40円まで急落しました。

米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

  ただ、暴落する上海株に対し、本日(7月9日)、中国政府は…
ギリシャ国民投票が緊縮財政賛成でも ユーロの反発が期待できない理由とは? ブログ

ギリシャ国民投票が緊縮財政賛成でも ユーロの反発が期待できない理由とは?

■NZドル/円、ユーロ/円の急落懸念が現実化 みなさん、こんにちは。

 6月に当コラムにて数回に渡ってご紹介させていただいた、NZドル/円、ユーロ/円の急落懸念ですが、どちらも一気に現実化。

【参考記事】

●ハト派的な米FOMCで米ドル/円急反落!NZドル/円が80円割れ濃厚な理由とは?(6月18日、西原宏一)

●フランスがユーロ圏・EU離脱(Frexit)!? ユーロ/ドルが1000pips下落するとの予想も(6月25日、西原宏一)

 ユーロ/円、NZドル/円ともに、週明け(6月29日)に窓を開けて暴落しました。

NZドル/円 2時間足 (出所:米国FXCM)

 ユーロ/円にいたっては、週明け(6月29日)に5円もの急落劇を演じました。

【参考記事】

●Xデーは7月5日!異例のギリシャ国民投票でユーロ大荒れ! 英米の利上げも遠のくか(6月30日、西原宏一&松崎美子)

ユーロ/円 2時間足(出所:米国FXCM)

■チプラス首相が驚愕の国民投票宣言で、ユーロ/円暴落 長期化しているギリシャ情勢ですが、6月末より事態はさらに混沌としてきました。

 ギリシャのチプラス首相が一方的に、「7月5日(日)、国民投票実施」を宣言。結果、6月30日(火)に予定されていたIMF(国際通貨基金)への支払いも行われず。

 このチプラス首相が宣言した「国民投票」ですが、事前にメルケル独首相やオランド仏大統領にも知らされておらず、彼らは、チプラス首相のツイッターで知ったという驚きの展開。

【参考記事】

●Xデーは7月5日!異例のギリシャ国民投票でユーロ大荒れ! 英米の利上げも遠のくか(6月30日、西原宏一&松崎美子)

 この驚愕の発表に、週明け(6月29日)の東京市場は大混乱。

 東京市場では、リスクオフトレード一色となり、総じてクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が暴落しました。

世界の通貨VS円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)

 ユーロ/円については、前週のNYクローズ(6月26日)と比較すると、一時、5円に迫るほどの暴落を見せました。

 その後、連日、ギリシャ絡みのさまざまなヘッドラインが飛び交い…
フランスがユーロ圏・EU離脱(Frexit)!? <i style=”font-style:normal;font-size: 97%;”>ユーロ/ドルが1000pips下落するとの予想も</i> ブログ

フランスがユーロ圏・EU離脱(Frexit)!? <i style=”font-style:normal;font-size: 97%;”>ユーロ/ドルが1000pips下落するとの予想も</i>

■米ドル/円は122円台での攻防に注目 みなさん、こんにちは。

 米ドル/円は6月5日(金)の米雇用統計の好結果を受け、125.86円まで急騰。その後、6月10日(水)の黒田総裁の円安けん制コメントをきっかけに、一転、122.48円まで急落しました。

【参考記事】

●ドル/円は一時、122円台半ばへ急反落! ドル高をけん制した米当局の目的とは?(6月11日、西原宏一)

 過去2年間の米ドル/円は、突然、ボラティリティが上昇し、短期間で急騰した後、急速にもみ合いに入る傾向があります。

米ドル/円 週足(出所:米国FXCM)

 今回も、118円で底入れした米ドル/円は、わずか3週間で7円もの急騰を演じた後、122~125円のもみ合い相場となっています。

米ドル/円 日足(出所:米国FXCM)

 日経平均が続伸していることから、現状、米ドル/円も122円台での底堅さを維持。でも、仮に122.00円を割り込むと、時間ではなく、値幅での調整幅が深くなります。

 米ドル/円は、122円台での攻防に注目です。

■ギリシャ政府の選択肢はあまり多くない ギリシャ政府が6月22日(月)に提出した改革案が前向きであったことをマーケットは好感し、独DAXを筆頭に、グローバルに株が反発。

 ただ、リスクオンとなっても、通貨であるユーロは買い進まれるどころか反落しています。

  ユーロ/米ドル 1時間足(出所:米国FXCM)

 これは、ギリシャ問題に対するマーケットのコンセンサスが背景にあります。

 ギリシャのチプラス首相がいろいろと発言していますが、ギリシャ政府の選択肢はあまり多くありません。

 結局は、ギリシャ側が譲歩して、最終的に事態が収束に向かう可能性が高いというのがマーケット参加者のコンセンサスとなりつつあります。

【参考記事】

●ギリシャ破綻か、今週が本当のヤマ場!支援合意でユーロ下落のシナリオも…(西原宏一&松崎美子)

 そのため、リスクオフを想定したユーロショートのポジションがじわじわと縮小しています。

IMMユーロポジション(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)

 上の画像でもわかるように、ユーロショートは大幅に縮小しています。

 しかし、結果として、マーケットの思惑に反して、仮にデフォルトや、「Grexit」(ギリシャのユーロ離脱)のような、強い負荷がマーケットにかかると、多くの参加者はヘッジとしてのユーロを再びショートにせざるを得ない環境に陥ってきてしまうのです。

■マーケットで話題の「Frexit」とは? ギリシャは、まだデフォルト懸念が色濃く残っていますが、本日(6月25日)のマーケットで話題となったのが「Frexit」(フランスのユーロ圏とEU離脱)というワード。

「マダムFrexit」の世界観-フランスもギリシャ後に離脱

2017年のフランス大統領選挙の有力候補であるマリーヌ・ルペン氏は、ギリシャのユーロ圏離脱(Grexit)は不可避だと考えている。そして、自分が決めてよいものならフランスもあまり後れを取ることなく、ギリシャに続くと言う。

極右の国民戦線(FN)を率いる同氏はパリ近郊にある同党本部で23日インタビューに応じ、ギリシャについて「数カ月の猶予を得たが、問題は戻ってくるだろう」とした上で、「今日私たちはGrexitについて話しているが、明日はBrexit(英国の欧州連合=EU離脱)、そしてあさってはFrexitだ」とフランスのユーロ圏離脱に言及した。

出所:Bloomberg

 このルペン氏の意見は極端であり、そもそも彼女の当選の可能性は低いのですが、「Grexit」はまだしも、「Frexit」なる言葉も飛び出し、マーケットはさらに神経質な展開に。

 加えて、可能性としての話ですが、ギリシャがデフォルトしたとすると…
ハト派的な米FOMCで米ドル/円急反落! NZドル/円が80円割れ濃厚な理由とは? ブログ

ハト派的な米FOMCで米ドル/円急反落! NZドル/円が80円割れ濃厚な理由とは?

■FOMCの結果公表後、米ドル/円は急反落 みなさん、こんにちは。

 今週(6月15日~)は、重要イベントが目白押しで、マーケットは神経質な動きに。

 それは、6月16日(火)~17日(水)に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)、18日(木)のユーロ圏財務相会合、そして、19日(金)の黒田日銀総裁の記者会見と続きます。

 本日(18日)未明、まずFOMCの結果が公表され、米ドル/円は急反落しました。

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

■米ドル/円は122円台で下げ渋るも、125円台は重い FOMCの結果公表前は、タカ派的な内容を期待する市場参加者が多く、マーケットでは米ドルが買い進まれて、米ドル/円は124円台を回復しました。

 しかし、マーケットの思惑とは裏腹に、FOMCの結果はハト派的なトーンに。

 結果、一時、124.45円まで上昇していた米ドル/円は、何事もなかったかのように、123.50円まで反落。

 そして、本日(18日)の東京市場では、CTA(コモディティ・トレーディング・アドバイザー)が日本株を売っていることもあり、日経平均は2万円の大台割れとなりました。

日経平均 日足(出所:株マップ.com)

 連れて、米ドル/円は123円を割り込む展開。

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

 米ドル/円の122円台は、米ドルを買い遅れている本邦年金が断続的に米ドル買いを持ち込んでいることもあり、下げ渋っています。

 一方、先週のコラムでご紹介したオバマ大統領の米ドル高けん制コメント、そして黒田日銀総裁の円安けん制コメントが米ドル/円の上値を抑えており、125円台でキャップされている展開。

【参考記事】

●ドル/円は一時、122円台半ばへ急反落!ドル高をけん制した米当局の目的とは?(6月11日、西原宏一)

 繰り返しになりますが、仮に122円台前半の長期トレンドラインが崩れると、米ドル高トレンドの調整幅が深くなり、米ドル/円は120~125円のレンジでの米ドル高調整相場へ。

米ドル/円 月足(出所:米国FXCM)

 クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)に目を向けると…
ドル/円は一時、122円台半ばへ急反落! ドル高をけん制した米当局の目的とは? ブログ

ドル/円は一時、122円台半ばへ急反落! ドル高をけん制した米当局の目的とは?

■ドル/円は一時、125円台後半まで上昇も伸び悩む みなさん、こんにちは。

 6月5日(金)の米雇用統計は好結果に終わり、米ドル/円は、一時、125.86円まで上昇しました。

 ただ、米雇用統計の発表直後に米ドル/円は1円急伸しましたが、それ以降は、上値を伸ばせない展開に。

 その理由は、前回のコラムでご紹介した125.00円のオプション(※)から供給される米ドル売りが上値を抑えていることがまず挙げられます。

 そして、もうひとつは、日米当局からの米ドル高や円安けん制コメントに対する警戒感。

(※編集部注:オプションには「バニラ」と「エキゾチック」の2種類のオプションがあります。為替のニュースなどでよく出てくる「バリアオプション」は、エキゾチックオプションのひとつで、権利行使価格に一度でも到達してしまえば、そのオプションは消えてしまうというような特殊なルールが加えられています。一方、バニラオプションは通常のオプションになるので権利行使価格に到達しても消えてしまうようなことはありません。上記の125.00円のオプションは「バニラオプション」であるため、米ドル/円が125.00円を上抜けても、消えてしまうようなことはないというのが西原さんの見解です)

【参考記事】

●ドル/円は125円到達も調整は長引きそう。中国株下落でなぜユーロは上昇するのか?(6月4日、西原宏一)

 今週、6月9日(火)に公開した「FXほっとLINEで作戦会議」でご紹介したとおり、米経済指標が好結果に終わると、マーケットでは、米ドル高けん制コメントに対する警戒感が高まります。

【参考記事】

●好調な米雇用統計で9月利上げ期待上昇! 米経済指標が好調なほど、ドル安に注意?(6月9日、西原宏一)

■米経済指標が好調なほど、米ドル高けん制発言を警戒 なぜ、米ドル高けん制コメントが高まるのかを最初からまとめていくと、今月、6月5日(金)に発表された米雇用統計の数字が極めて好調だったことから、FRB(米連邦準備制度理事会)による、2015年9月利上げへの期待感が高まりました。

 ただ、現状は、米国の利上げとは違う要因で、米ドル高が進んでいます。

 それは、日本では、日銀による異次元緩和と、「くじら」と称される公的機関からの「米ドル買い・円売り」。そして、欧州ではECB(欧州中央銀行)のQE(量的緩和策)による「ユーロ売り・米ドル買い」ということです。

 このマーケット環境に、米国の9月利上げの材料が重なると、米ドル高が加速することが予想されます。

米ドルVS世界の通貨 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 週足)

 これを放置しておくと、米ドル高の加速が米企業の業績を悪化させ、好調を維持している米国経済に暗い影を落とす懸念が出てきます。

 そのため、6月5日(金)の米雇用統計の好結果が、米当局からの米ドル高けん制コメントに対する警戒感を高めることになったのです。

 そして、マーケットの懸念どおり、まず、週明け、6月8日(月)には、「オバマ大統領は強いドルは問題だと言った-フランス当局者」とさっそく米ドル高けん制コメント。

 もちろん、このコメントは米国の当局者から否定されましたが、多くのマーケット参加者が懸念したとおり、米ドル高けん制コメントがいきなり飛び出したことから、米ドル/円は124円台に沈みました。

米ドル/円 2時間足(出所:米国FXCM)

  「オバマショック」で124円台に押し戻された米ドル/円ですが…
ドル/円は125円到達も調整は長引きそう。 中国株下落でなぜユーロは上昇するのか? ブログ

ドル/円は125円到達も調整は長引きそう。 中国株下落でなぜユーロは上昇するのか?

■米ドル/円は125円にあっさり到達 みなさん、こんにちは。

 このコラムで何回かに渡ってご紹介してきた米ドル/円は、先週(5月25日~)から上昇に弾みがつき、6月2日(火)には125円台にあっさり到達。高値は125.05円。

【参考記事】

●「子くじら」の出現で、米ドル/円は122.50円への上昇濃厚! 上抜ければ125円も視野に(5月21日、西原宏一)

●125円に急接近のドル/円は128円も視野に! なぜ、ドル高・円安は突然加速したのか?(5月28日、西原宏一)

米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

 その後、米ドル/円はもみ合いに入っていますが、中期の流れは変わらず、「米ドル高・円安」。

 ただ、その調整が少し長引きそうな要因が出てきています。その要因のひとつが、オプション。

 米ドル/円の125.00円は、オプションデスクからガンマ(※)の影響で、大量の米ドル売りが供給されるということがあります。

(※編集部注:「ガンマ」とはオプションの指標の1つ)

米ドル/円 日足(出所:米国FXCM)

 そして、もうひとつがユーロ/米ドルの反発です。

ユーロ/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)

■ドイツ国債利回りが再び上昇 2015年4月の英ポンド/円に続き、5月14日(木)のコラムでご紹介したユーロ/円は、上げ幅を拡大してきており、6月3日(水)にあっさりと140円台を回復。

【参考記事】

●ドイツ国債利回り再上昇でユーロ高継続。反発中のユーロ/円に注目する理由とは?(5月14日、西原宏一)

 その要因は、以前のコラムでもご紹介したドイツ10年物国債利回りが急騰したこと。

【参考記事】

●人生最大の売りチャンスで独国債急落! 独国債利回り急騰でユーロは上値追いか(5月7日、西原宏一)

 ドイツ10年物国債利回りは、前回、2015年5月に上昇した際は、0.80%近くまで急騰して、いったん沈静化しました。

 そして、今週(6月1日~)になって上昇を再開。6月3日(水)には0.88%まで急騰し、1.00%を回復しそうな勢いとなっています。

ドイツ10年物国債利回り(ドイツ長期金利) 日足(出所:CQG)

 ECB(欧州中央銀行)のQE(量的緩和策)にも関わらず、ドイツ国債の利回りが急騰している背景は、以前のコラムでご紹介しているので、そちらを参照してください。

【参考記事】

●ドイツ国債利回り再上昇でユーロ高継続。反発中のユーロ/円に注目する理由とは?(5月14日、西原宏一)

  このコラムでもご紹介しましたが、日銀の異次元緩和の局面同様…
<i style=”font-style:normal;font-size: 97%;”>125円に急接近のドル/円は128円も視野に!</i> なぜ、ドル高・円安は突然加速したのか? ブログ

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■米ドル/円は年初来高値を越えて124円台まで急騰 みなさん、こんにちは。

 先週のコラムでご紹介したとおり、118円台でボトムアウトした米ドル/円は、今週(5月25日~)、円安に加速がつき、年初来高値をあっさり超えて、124円台まで急騰しています。

【参考記事】

●「子くじら」の出現で、米ドル/円は122.50円への上昇濃厚! 上抜ければ125円も視野に(5月21日、西原宏一)

米ドル/円 1時間足(出所:米国FXCM)

 米ドル/円上昇の背景にあるのが、まず当コラムでも何度かご紹介させていただいた、本邦公的機関からの「円売り・株買い」。

【参考記事】

●ドル/円は122円超、日経平均は2万2000円へ上昇するのが濃厚と考える理由とは?(4月23日、西原宏一)

●「子くじら」の出現で、米ドル/円は122.50円への上昇濃厚! 上抜ければ125円も視野に(5月21日、西原宏一)

 彼らからの「米ドル買い・円売り」は変わらず、コンスタントにマーケットに持ち込まれており、米ドル/円を下支えする展開。

■なぜ、米ドル高・円安は急速に進んだのか? 加えて、今回の米ドル高・円安を演出したのは、ファンドの日本株購入に伴うヘッジとしての円売りでした(※)。

(※編集部注:日本株を単純に買うだけでなく、同時に円売りを行って、円安に対するヘッジをかけようとすることを指している)

 まず、以下のチャートをご覧ください。 

日経平均 週足(出所:米国FXCM)

 これは日経平均の週足ですが、ファンド勢の来日がウワサされるたびに、日本株は急騰しています。

 今回も、2015年4月にファンド勢の来日がウワサされ、5月の日本株の反騰がウワサされていました。

 有名なところでは、テレビ東京の取材を受けて、地上波でも報道された資産運用会社のブラックロック。

 そのブラックロックを率いるのが、「全能の神」といわれる、会長兼CEOのラリー・フィンク氏。彼のインタビューによると、

「日本株は割高ではない」

「5%上昇は視野にある」

「アベノミクス成功なら長期上昇へ」

 と日本株に対して強気のコメント。

 そして、今週(5月25日~)に入って、ブラックロックの日本株大量保有が判明。

 ブラックロックは実際に日本株への投資を進めている模様。これは他のファンドも追随する可能性があることを示唆し、今週(5月25日~)も日本株は堅調に推移。

日経平均 日足(出所:米国FXCM)

 そして、海外勢が日本株に投資すると、為替でもヘッジの円売りが出るのが一般的。

米ドル/円 日足(出所:米国FXCM)

 ただ、先月(4月)は、米ドル/円が120円台に乗せると、浜田宏一内閣官房参与を筆頭に、本邦当局から円安牽制コメントが頻繁に出されたため、欧米のファンド勢は為替のヘッジが遅れていました。

 しかし、今週(5月25日~)は違って…
「子くじら」の出現で、米ドル/円は122.50円 への上昇濃厚! 上抜ければ125円も視野に ブログ

「子くじら」の出現で、米ドル/円は122.50円 への上昇濃厚! 上抜ければ125円も視野に

■米ドル/円はレジスタンスの122円に再び接近 みなさん、こんにちは。

 4月23日(木)のコラムでご紹介した米ドル/円ですが、大方のコンセンサスどおり、118円台でボトムアウトし、じり高で推移。これまでの高値は5月21日(水)につけた、121.48円。

【参考記事】

●ドル/円は122円超、日経平均は2万2000円へ上昇するのが濃厚と考える理由とは?(4月23日、西原宏一)

 米ドル/円は、じわじわとレジスタンスである122.00円に再び接近してきました。

米ドル/円 日足(出所:米国FXCM)

■米ドル/円の118円台では「くじら」がサポート 米ドル/円は、2015年4月~5月にかけて、何週にもわたり、118.00円割れをトライしたのですが、執拗な米ドル買い需要にサポートされました。

 特に、4月30日(木)に日経平均が1日で500円強という急落劇を演じた局面でも、米ドル/円は118.00円を割り込めず、安値は118.50円どまり。

日経平均 日足(出所:株マップ.com)

米ドル/円 日足(出所:米国FXCM)

 118円台で米ドル/円が底堅い動きを見せていた背景には、マーケットのウワサどおり、くじら(日本銀行、ゆうちょ銀行、3共済、かんぽ生命、GPIF)の存在が挙げられます。

 そのくじらに関しては、「巨大くじら」であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)からのリスク資産買いがそろそろ一定額を終えて、彼らからの米ドル買い需要が細ってきているという報道も見受けられます。

 しかし、ここにきて脚光を浴びているのが…
ドイツ国債利回り再上昇でユーロ高継続。 反発中のユーロ/円に注目する理由とは? ブログ

ドイツ国債利回り再上昇でユーロ高継続。 反発中のユーロ/円に注目する理由とは?

■英ポンド/円は節目の190円に急接近 みなさん、こんにちは。

 前々回の当コラムでご紹介させていただいた英ポンド/円ですが、英国の総選挙前後から上げ幅を拡大して、一時、188.60円まで急騰。

【参考記事】

●英ポンド/円は190円へ上昇濃厚! なぜ、ここに来て、英ポンドは注目を集めている?(4月30日、西原宏一)

●ポンド/円取引が熱い熱い熱い熱い! 急上昇中のポンドを取引するならここだ!

 5月に入って、英ポンド/円はすでに9円弱高騰しており、節目の190円に急接近。

英ポンド/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 日足)

 そして、先週のコラムで取り上げたユーロですが、ユーロ/英ポンドの影響で下落する局面もありましたが、今週(5月11日~)に入って再び上値追いが続き、ユーロ/円も英ポンド/円の上昇に遅れながらも、135円台を回復しました。

【参考記事】

●人生最大の売りチャンスで独国債急落! 独国債利回り急騰でユーロは上値追いか(5月7日、西原宏一)

ユーロ/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 1時間足)

■ドイツ国債利回り再び上昇で、ユーロ高に こちらも先週のコラムでご紹介させていただいた、ドイツ10年物国債ですが、いったん0.80%付近まで利回りが急騰した後は、あっという間に反落。

【参考記事】

●人生最大の売りチャンスで独国債急落! 独国債利回り急騰でユーロは上値追いか(5月7日、西原宏一)

 しかし、今週(5月11日~)に入っても、ECB(欧州中央銀行)トレードの調整が続き、ドイツ10年物国債利回りは、13日(水)に再び0.74%まで上昇してきました。

ドイツ10年物国債利回り(ドイツ長期金利) 1時間足(出所:CQG)

 ドイツ10年物国債利回り急騰から、独DAXは反落。そして、ユーロ/米ドルは1.14ドル台まで回復しています。

ユーロ/米ドル 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)

 ECBが大量に資金を供給していることから、ドイツ10年物国債にはいずれ買いが戻ってくるというのがコンセンサス。

 ただ、今年(2015年)に入って、急激に展開されたデフレトレード(独国債ロング、独DAXロング、ユーロショート)によるポジションのアンワインド(巻き戻し)がもうしばらく続きそうです。

  こうしたユーロ反発の中、注目は英ポンド/円と…
人生最大の売りチャンスで独国債急落! 独国債利回り急騰でユーロは上値追いか ブログ

人生最大の売りチャンスで独国債急落! 独国債利回り急騰でユーロは上値追いか

■ユーロ絡みのトレードに大きな調整が入る みなさん、こんにちは。

 2015年のマーケットの主役は、相変わらずユーロ圏ですが、ユーロ絡みのトレードに大きな調整が入っています。

ユーロVS世界の通貨 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 日足)

 先週のコラムでご紹介した英ポンド/円は、182円台と高値圏で推移していますが、英総選挙を直前に控え、いったん調整気味。

【参考記事】

●英ポンド/円は190円へ上昇濃厚! なぜ、ここに来て、英ポンドは注目を集めている?(4月30日、西原宏一)

英ポンド/円 日足(出所:米国FXCM)

 その間隙をぬって、ユーロ/円が135円を超える上昇を見せています。ユーロ/米ドルも1.13ドル台へ。

ユーロ/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)

ユーロ/米ドル 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)

■ビル・グロス氏の発言きっかけにドイツ国債利回りが急騰 このところ、ドイツ10年国債利回りが急騰しています。

 これは、4月21日(火)のビル・グロス氏(※)による下記のコメントがきっかけ。


「人生最大のドイツ国債売りのチャンス」

 彼のコメント以降、ECB(欧州中央銀行)がQE(量的緩和策)を実施しているにもかかわらず、ドイツ10年国債利回りは急騰しています。

【参考記事】

●すさまじいECBのQE開始でユーロ急落! ユーロ/円は120円に向けて続落か(3月12日、西原宏一)

(※編集部注:「ビル・グロス氏」は、米国の債券運用会社「パシフィック・インベストメント・マネジメント・ カンパニー(PIMCO)の共同創業者で、「債券王」との異名を持つ世界的に有名なファンドマネージャー。2014年にPIMCO社を退社し、現在は、米 国の資産運用会社「ジャナス・キャピタル・グループ」に所属している)

ドイツ10年国債利回り(ドイツ長期金利) 日足(出所:CQG)

 ドイツ10年国債利回りは、本稿執筆時点までの段階で一時、0.58%と、4月下旬のボトムから50ベーシスポイントもの急騰(※)。

 呼応して、米国10年国債利回りも、2.2%台と3月上旬以来の水準まで上昇しています。

(※編集部注:その後、ドイツ10年国債利回りはさらに爆上げ。5月7日(木)の欧州時間に一時、0.79%付近まで上昇している模様)

米10年国債利回り(米長期金利) 日足(出所:CQG)

 グローバルな国債利回りの急騰に連れて、株式相場も反落。

 欧州や米国など、他の株式相場の下落に連れて、日経平均も急落しており、本稿執筆時点では、1万9290円と1万9300円を割り込んでいる展開。

 この動きは「セル・イン・メイ(Sell in May)」と…