
この記事の要点
- ペンシル・ファイナンス、100万ドル学生ローンを初のオンチェーン完結
- 東南アジア6600人超を支援、新興市場の融資拡大へ
学生ローン100万ドル、初の完全オンチェーン完結
学生ローン向けのRWA(現実資産)プロトコル「Pencil Finance(ペンシル・ファイナンス)」は2026年9月3日、100万ドル(約1億5,620万円)規模の学生ローンの資金拠出から融資・返済・利回り配分までの全サイクルをブロックチェーン上で完結させたと発表しました。
この融資は2025年7月に始まり、「Animoca Brands(アニモカ・ブランズ)」「Open Campus(オープン・キャンパス)」「NewCampus(ニューキャンパス)」の3社が学生ローン向けのバンドルに資金を拠出しました。
拠出された資金は東南アジアの教育融資に充てられ、フィリピンやインドネシアを含む118の学校・大学で、過去12カ月間に6,600人を超える学生への融資を支えています。
その後の返済状況や資金の流れもオンチェーンに記録されており、出資者が運用実績をリアルタイムで追跡できる仕組みとなっています。
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東南アジア118校で6600人超に融資展開
2層トランシェで構成、EDUチェーンに全記録
発表によれば、ペンシル・ファイナンスはHackQuest(ハッククエスト)とアニモカ・ブランズが共同でインキュベートした学生ローン向けプロトコルで、教育分野に特化した「EDU Chain(EDUチェーン)」上で稼働しています。
2025年7月に組成されたバンドルは、固定リターンの「シニアトランシェ」と、変動リターンで最初に損失を負う「ジュニアトランシェ」の2層で構成されました。
バンドルに拠出された資金の大部分は教育融資プロバイダー「ErudiFi(エルディファイ)」を通じて、東南アジアの大学生向けローンや学費支援に充てられています。
融資後は借り手から返済が行われ、元本と利回りが出資者へ返還されるまでの一連の取引がブロックチェーン上に記録されました。
9割が「生活向上」、低所得層への融資効果
バンドル資金の大部分はエルディファイを通じて118の学校・大学に在籍する学生へ融資され、うち約1,050人がペンシル・ファイナンスから直接資金を受け取りました。
エルディファイのポートフォリオ全体では、借り手の50%が女性、93%が低所得世帯の出身者で、52%は正規の信用取引を初めて利用した層となっています。
借り手を対象とした調査では、10人中9人が融資によって「生活の質が向上した」と回答し、90%超が教育を続ける能力が改善したほか、97%は同等の代替手段を見つけることが難しかったと答えました。
アニモカ会長「仲介層なくし資本を直接配分」
アニモカ・ブランズ共同創業者兼会長のヤット・シウ氏は「融資をオンチェーンで構成したことで複数の仲介層を取り除き、資本を借り手に直接届けるとともに、出資者が運用状況を追跡できた」と述べました。
同氏は、こうした仕組みをDeFi(分散型金融)を活用した包括的金融の実例として挙げています。
同社のポートフォリオマネージャー兼エコシステム責任者で、オープン・キャンパスの広報担当を務めるシャン・ハン氏は「新興市場の学生にオンチェーン資本を届け、出資者への全額返済まで実現できた」と説明しています。
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学生ローン市場740兆円、新興国に融資拡大へ
アニモカ・ブランズによると、世界の学生ローン市場は2026年時点で推定4兆7,500億ドル(約740兆円)に達する一方、新興市場では手頃な教育融資を利用しにくい状況が続いています。
ペンシル・ファイナンス共同創業者のフランク・リー氏は「新興市場の教育融資事業者は信用力がありながら世界の資本市場から実績を確認しにくく、資金が届きにくい状況にあった」と説明しました。
同氏は、融資サイクルをオンチェーン化することで返済記録を公開・監査可能にし、今回築いた返済実績を次の学生ローン向けバンドルの資金調達につなげていく考えを示しています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.95 円)
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Source:Animoca Brands公式発表
サムネイル:AIによる生成画像
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