金融庁、27年度の予算および機構・定員要求の概要公表。暗号資産など新金融サービスへの体制強化へ

「新たな金融サービス」対応で13人の増員要求

金融庁が、2027年度(令和9年度)の予算および機構・定員要求の概要を8月31日に公表した。

機構・定員要求では、合計32人の増員を要求。定員合理化などによる18人の減員を差し引き、14人の純増を求められている。

32人の増員要求のうち、13人は「新たな金融サービスに対応するための体制強化」に関するものだ。具体的には、暗号資産(仮想通貨)取引業者に対するモニタリング体制の強化、フロンティアAIなどの新たな技術進展に伴うリスクへの対応、デジタル技術を活用した決済の高度化推進、電子決済手段等取引業者の監督体制の強化が挙げられた。

このうち、暗号資産取引業者のモニタリング体制の強化と、デジタル技術を活用した決済の高度化推進については、それぞれ「室長の設置等」が示された。またフロンティアAIなどのリスクへの対応では、「企画官の設置等」が盛り込まれている。

金融庁はこれに先立ち、8月7日付の組織再編で「暗号資産・ステーブルコイン課」を新設している。同課は、総合政策局リスク分析総括課に設置されていた「暗号資産・ブロックチェーン・イノベーション参事官室」を前身とし、資産運用・保険監督局の下に設置された。

暗号資産・ステーブルコイン課には、暗号資産交換業者などに対する監督業務を担う「暗号資産モニタリング室」が引き続き置かれた。また「イノベーション推進室」が存続したほか、「デジタル決済企画室」が新設されている。

同組織再編では、「資金決済参事官室」を改組した「資金決済課」も新設された。同課には、金融サービス仲介業室、電子決済等代行業室、決済・デジタル金融グループモニタリング室が配置されている。

なお、電子決済手段等取引業者には、ステーブルコインなどの電子決済手段を取り扱う事業者が含まれる。日本では2023年6月施行の改正資金決済法により、法定通貨の価値に連動するステーブルコインのうち、同法の要件を満たすものが「電子決済手段」として規律されている。

増員要求のうち残る19人については、地域金融力の強化に向けた検査体制の整備や、協同組織金融機関に対するモニタリング、サステナビリティ情報に関する保証業務、大量保有報告書に係る開示検査、無登録業者に対する犯則調査などの体制強化が目的とされている。

予算要求の総額は、前年度予算比134億円増の403億円。このうち人件費が200億円、物件費が155億円、デジタル庁一括計上分が48億円となる。

主な政策的経費では、「『強い経済』を実現する成長投資の促進」に48億円を要求した。同区分の施策の一つとして、オンチェーンの金融手法の利活用や、デジタル決済と連携した決済システムの構築促進を含む「デジタル技術を用いた金融サービスの変革」が挙げられている。

ただし、この48億円はデジタル金融のみを対象とした金額ではなく、資産運用業の改革促進や金融市場の整備、家計の資産形成支援、サステナブルファイナンスの推進などを含む同区分全体の要求額だ。

また「金融システムの信頼確保と利用者保護」には64億円を要求。金融機関のサイバーセキュリティ対策や耐量子計算機暗号(PQC)への移行支援、AIを活用した市場監視・モニタリング基盤の整備などを盛り込んだ。

なお、今回公表されたのは予算および機構・定員の要求段階の内容であり、予算額や人員体制の確定を示すものではない。

参考:金融庁
画像:iStocks/PIXTA

関連ニュース

参照元:ニュース – あたらしい経済

コメント

タイトルとURLをコピーしました