仮想通貨保有の最大要因は「期待リターン」米クリーブランド連銀が実証

この記事の要点

  • 米連銀、仮想通貨の保有動機を分析した論文を公表
  • 保有の最大要因は「期待リターン」、年齢・所得より説明力が高い

クリーブランド連銀、仮想通貨保有の動機を調査

米クリーブランド連邦準備銀行が、家計による仮想通貨投資の実態を分析したワーキングペーパーを公表しました。

この論文は2018年以降続くニールセン・ホームスキャンパネルの四半期調査をもとに、ビットコイン(BTC)を含む仮想通貨(暗号資産)の保有動機や期待リターンを、株式・債券・金と比較しながら定量的に検証したとしています。

分析では、期待リターンに加えて年齢や所得、性別などの属性を比較し、どの要因が仮想通貨の保有と強く結びついているかを調査しています。

一連の分析から、仮想通貨の保有を最も強く説明する要因は「期待リターン」であり、年齢や所得、性別といった家計の属性を上回る影響力を持つと結論づけています。

仮想通貨保有は12%、「期待リターン」が最大要因

仮想通貨保有率、2018年の2%から12%へ

同論文によれば、米家計の仮想通貨保有率は2018年の約2%から2022年には約11%まで上昇し、ビットコイン価格が大きく下落した2023年にも約12%へと高まったことが示されています。

その後は一時的に2〜3ポイント低下したものの、2025年にビットコイン価格が12万ドル(約1,906万円)を超えると、保有率は再び約12%まで回復しました。

保有率には年代や属性による差もみられ、40歳未満は60歳以上より保有確率が13ポイント高いほか、男性やリバタリアン、無党派層、高所得層でも高い傾向が確認されています。

非保有者の87%「期待リターンわからない」

こうした属性による違いに加え、保有者と非保有者の間では仮想通貨に期待するリターンにも大きな認識差が確認されています。

保有者が仮想通貨を持つ理由として最も多かったのは高い期待リターンで、ポートフォリオの分散や価値の保存手段としての期待がこれに続きました。

これに対して、非保有者が仮想通貨を持たない理由では「十分な知識がない」との回答が約40%で最も多く、投資対象そのものを否定的に捉える回答もみられました。

両者の違いは数値にも表れており、2021年第3四半期の調査では仮想通貨の期待リターンが保有者で平均22%だったのに対し、非保有者は7%にとどまるなど、認識に大きな開きが生じています。

非保有者の87%は期待リターンそのものを「わからない」と回答しており、その割合は株式の68%や金の78%よりも高い水準となっています。

回帰分析で実証、リターン期待が属性を凌駕

論文はこの認識差が実際の保有とどの程度結びついているのかを調べるため、年齢や所得など他の要因を切り分けた回帰分析も行っています。

期待リターンだけで保有の有無を説明した場合の決定係数(R²)は0.106となり、年齢や所得などの属性をすべて用いた場合の0.086を上回ったと示しています。

さらに期待リターンとリスク認識を組み合わせた場合のR²は0.15に達し、年齢や所得、性別などの家計属性だけで分析した場合と比べて、仮想通貨を保有するかどうかとの結びつきはおよそ2倍強いことが示されています。

これとは対照的に、株式・債券・金では属性による説明力がリターン期待の5〜6倍に達しており、仮想通貨では将来のリターンやリスクに対する認識が保有の有無とより強く結びついていると分析しました。

BTC価格2倍で耐久財購入が約7%上昇

論文は仮想通貨の保有要因に加えて、ビットコイン価格の変動が保有世帯の消費行動にどのような影響を及ぼすのかについても調査しています。

資産のすべてを仮想通貨で保有する世帯では、ビットコイン価格が2倍になると耐久財を購入する確率が1.4ポイント高まり、これは平均的な購入確率を約7%押し上げる水準に相当しました。

その一方で、食料品や光熱費といった日常的な非耐久財への影響はほとんど確認されておらず、価格上昇による利益は主に耐久財の購入に反映されています。

論文はこの違いについて、値上がりによる資産増加が継続的な所得ではなく、宝くじの当選金のような一度きりの臨時収入に近いものとして受け止められていると説明しています。

「過去の高リターン」が新規投資家を呼び込む構造

こうした期待リターンと保有行動の関係をさらに確かめるため、論文は2025年第2四半期に、参加者を複数のグループに分けて情報提供の効果を比較するRCT(ランダム化比較試験)を実施しました。

ビットコインの過去1年間の上昇率が14.3%だったとの情報を伝えられたグループでは、希望する仮想通貨の配分がコントロール群の4.3%と比べて約47%増加し、実際の購入率も約2.5ポイント上昇したと報告しています。

過去の高いリターンが新たな投資家を呼び込み、その資金流入が価格をさらに押し上げる自己強化的な循環が生じやすい点も、論文はあわせて指摘しています。

この結果を踏まえ、論文は投資家の間で暗号資産に関する共通の情報基盤や価格への信念が形成されない限り、激しい価格変動は今後も仮想通貨を特徴づける性質であり続けると結論づけています。

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Source:クリーブランド連邦準備銀行発表
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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