
この記事の要点
- NYSE社長、オンチェーン即時決済の開発を表明
- DTCCは30社超と本番取引成功、10月に正式稼働予定
NYSE社長、韓国で決済基盤開発を表明
2026年8月10日、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)のリン・マーティン社長は、ソウルの韓国国会で開かれたセミナーに登壇し、トークン化証券のオンチェーン決済プラットフォームを開発していることを明らかにしました。
地元メディア「Digital Asset」の報道によると、マーティン氏は、この技術を金融市場の未来を支える中核インフラと位置づけ、責任ある形で市場に導入する方法を引き続き検討していくと語っています。
今回の発言に先立ち、NYSEは2026年1月の時点で、トークン化証券の取引とオンチェーン決済に対応するプラットフォームの開発を発表していました。
NYSEが計画するオンチェーン決済が実現すれば、翌営業日に決済を完了する現在のT+1方式よりも処理時間が短縮され、ステーブルコインを利用した資金決済にも対応できるようになります。
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DTCC、トークン化本番取引で実用化前進
ブラックロックなど30社超が参加
トークン化資産の実用化を進めるDTCCは2026年7月15日、DTC(預託信託会社)が保管する資産をトークン化し、本番環境で取引に利用することに成功したと発表しました。
今回の本番取引には30社を超える企業が参加し、ブラックロック・ゴールドマンサックス・JPモルガン・シタデル証券・CMEグループ・ナスダックなどの大手金融機関に加え、サークルやチェーンリンクといった暗号資産企業も名を連ねました。
取引の対象は担保の差し入れや証券貸借、米国債の同時受渡(DVP)から、株式のトークン移転や中央清算機関(CCP)の証拠金処理まで広がり、複数の資産クラスにわたる取引が処理されました。
一連の本番取引を踏まえ、DTCCのフランク・ラサラCEOは、トークン化された資産でも従来資産と同等の制度的な厳格さを維持できると述べたうえで、同サービスを2026年10月に正式稼働させる予定だと明らかにしました。
NYSE独自基盤、24時間取引と即時決済
トークン化証券を既存市場に取り込む動きはNYSEでも進んでおり、親会社のインターコンチネンタル取引所(ICE)は2026年1月19日、証券取引からオンチェーン決済までを担う独自プラットフォームの開発を発表しました。
NYSEは取引から決済までを一つの基盤で処理するため、既存のマッチングエンジン「Pillar(ピラー)」にブロックチェーン基盤のポストトレードシステムを組み合わせています。
このプラットフォームでは上場株式やETFの24時間365日取引や即時決済に対応するほか、資金決済にはステーブルコインも利用できるようになります。
取引・決済基盤に加えてトークン化株式の発行・管理体制も整えるため、NYSEは2026年3月24日、ブラックロックなどと提携するSecuritize(セキュリタイズ)と覚書(MoU)を結び、初の「デジタルトランスファーエージェント」に同社を指名しました。
Securitizeが発行・管理を担うトークン化株式でも従来株式と同様の権利が認められ、保有者は配当の受け取りや議決権の行使といった株主権を維持できます。
12月から23時間取引、24時間化の布石
将来的にトークン化証券の24時間365日取引を目指すNYSEは既存市場でも取引時間の拡大を進めており、マーティン氏は「市場保護の仕組みを維持しながら取引時間を延長する承認をSECから取得した米国初の取引所運営者になった」と説明しています。
この承認を受け、NYSEは2026年12月から週5日・1日23時間の取引体制へ移行する予定です。
「市場構造2.0の転換点」
SECが道開く、DTCC・NYSEが実用化へ
実用化に向けた規制面の環境も整い始めており、SEC(米証券取引委員会)は2025年12月、DTCが保管する現物資産のトークン化を認めるノーアクションレター(法的措置を見送る通知)を出しています。
この規制上の裏付けを得たDTCCは7月の本番取引を経て、10月の正式稼働に向けた準備を進めています。
NYSEも規制当局の承認を条件に独自のトークン化証券プラットフォームを提供する計画で、既存市場の取引時間を拡大しながらトークン化証券の実用化を目指しています。
こうした市場の変化を踏まえ、マーティン氏は講演で、伝統的な金融とDeFi(分散型金融)の間で、新しい技術を既存市場へ取り込む重要な局面にあるとの認識を示しました。
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Source:Digital Asset報道
サムネイル:AIによる生成画像






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