
この記事の要点
- プーチン大統領がロシア初の仮想通貨包括規制法に署名
- 9月施行で取引所は登録制に、国内決済の禁止は継続
プーチン大統領が仮想通貨規制法に署名
2026年8月4日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が仮想通貨(暗号資産)とデジタル権の流通を初めて包括的に規制する連邦法に署名したことが明らかになりました。
国営通信社TASS(タス)の報道によると、この法律によって仮想通貨を巡る包括的な制度が初めて整備され、取引所やカストディ(保管)の運営、投資家保護の法的な枠組みが明文化される一方、国内での決済禁止は維持されます。
同法は連邦法第282-FZ号として公布され、主要な規定は2026年9月1日に施行される予定で、ロシアの仮想通貨市場は新たな制度へ移行することになります。
制度の施行後は、取引所や交換業者が登録制の下で運営される一方、これまで法的な扱いが曖昧だった仮想通貨の保有者にも司法上の保護が及びます。
暗号資産の金商法改正案が成立
国内決済は原則禁止、投資家ルールも整備
決済禁止を維持も4つの例外を法定化
取引の合法化と保有者保護を打ち出した同法も、国内での決済利用については従来の姿勢を変えておらず、仮想通貨とデジタル権を法定通貨に代わる支払い手段として用いる行為を引き続き禁じています。
禁止の対象は支払い行為そのものだけではなく、仮想通貨で商品や役務、知的財産の対価を支払えるとする情報の発信や広告についても規制の対象に加えられました。
一方で同法は決済禁止に4つの例外を設けており、居住者と非居住者の間で結ぶ外国貿易契約に基づく決済と、マイニングで取得した仮想通貨の利用を認めています。
残る2つは、情報システムの規則が定める手数料の支払いと、証券やほかの仮想通貨・デジタル権に関する決済で、法律上認められる用途はこの4つに限定されます。
そのため国内店舗で仮想通貨を決済手段として利用することは引き続き認められず、利用できる場面は越境の貿易決済やマイニング由来の仮想通貨など、限定された用途に限られます。
交換業者は登録制に、監督は中銀が担う
報道によれば、同法では仮想通貨交換業を営めるのは特別な登録簿に記載された事業者に限られ、交換業は登録制へ移行します。
ただし制度の移行には猶予期間が設けられており、TASSによると既存の事業者は登録を終えていなくても、2027年7月1日までは業務を継続できます。
登録には1,500万ルーブル(約2,900万円)以上の自己資本に加え、金融市場の自主規制機関(SRO)への加入が最低条件として求められます。
規制対象となる交換業の範囲も明確化されており、1か月に2件以上かつ合計350万ルーブル(約690万円)を超える売買を自己の名義・計算で組織的に行う行為が該当すると定義されています。
投資家を2区分、一般は年間60万円上限
同法は投資家にも資格区分を設けており、専門的な知識や経験の有無によって購入できる仮想通貨や年間の購入上限が異なります。
| 区分 | 購入できる仮想通貨 | 年間の購入上限 |
|---|---|---|
| 非適格(一般)投資家 | 流動性の高い一部の銘柄(仲介業者経由) | 仲介業者1社あたり30万ルーブル(約60万円) |
| 適格投資家 | すべての仮想通貨 | 上限なし |
いずれの区分でも購入前にはリスクなどを確認する適合性テストの受験が義務づけられ、適格投資家の資格は仮想通貨市場での取引履歴に基づいて取得することも認められました。
投資家保護の仕組みは銀行にも及び、外国銀行の支店を含む銀行には、無登録の交換業者による取引が疑われる場合に資金の送金をブロックする義務が課されます。
仮想通貨の保有者についても、税務当局への申告状況にかかわらず、司法を通じた権利の保護が受けられることが法律に明記されました。
登録審査や事業者への監督はロシア中央銀行が一元的に担い、市場全体を国の監督下に置く体制は、下院可決の段階から報じられています。
主要規定は9月施行、段階的に全面適用
主要な規定は2026年9月1日に施行される一方、送金の制限や非居住者のデジタル預託機関に関する規定は2027年7月1日に施行され、制度は段階的に適用されます。
既存のDFA取引事業者には2027年3月1日までの移行期間が設けられ、デジタル金融資産(DFA)の発行・流通を支える技術的な規定は2027年9月1日に施行されます。
これらの移行期間を経て新制度が全面適用され、交換業者や投資家は新たなルールに基づく取引へ移行します。
「デジタルルーブル」9月始動
「誰にも禁止できない」から規制法制化へ
今回の法制化に先立ち、プーチン大統領は2024年12月の投資フォーラムで、ビットコイン(BTC)について「誰が禁止できるのか、誰にもできない」と述べていました。
約1年8か月後に成立した今回の法律は、仮想通貨そのものを禁止するのではなく、保有や取引を認めながら、国内の支払い手段としては利用を認めない方針を明確にしています。
主要な規定は2026年9月1日に施行される予定で、事業者の登録手続きやロシア中央銀行による監督体制の整備が進められています。
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Source:TASS報道
サムネイル:AIによる生成画像







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