イーサリアム財団、政府・機関向け基礎ガイド公開、「中立的なデジタル公共インフラ」としてイーサリアムを説明

政府・機関向けガイドを公開

イーサリアム(Ethereum)を支援するイーサリアム財団(Ethereum Foundation)が、政府や機関向けのガイド「イーサリアム・ベーシックス・フォー・ガバメンツ・アンド・インスティテューションズ(Ethereum Basics for Governments and Institutions)」を7月1日に公開した。

同ガイドは、イーサリアムの仕組みやガバナンス、他のブロックチェーンとの違い、導入事例などをまとめた非技術者向けの資料だ。イーサリアム財団によると、同ガイドは、ブロックチェーン基盤の導入や政策判断に関わる政府関係者、中央銀行、規制当局、多国間機関、企業リーダーを対象としている。

イーサリアム財団は、今回のガイドで「中立的なデジタル公共インフラ」の必要性を訴えている。同財団は、決済やデジタルID、登記、記録管理といった現在のデジタルシステムの多くが少数の中央管理者に依存していると指摘している。そのため、システム障害やサイバー攻撃、外部圧力によってサービス全体が影響を受ける可能性があるという。また、運営者の判断によってルール変更や利用者の排除が行われるリスクもあるとのこと。

こうした課題に対し、イーサリアム財団は、イーサリアムを単一の主体に管理されず、プロトコル自体がルールを執行する中立的なデジタル公共インフラとして位置付けている。また同ガイドでは、政府や機関がブロックチェーンを採用する際には、技術だけでなく、ネットワークが誰によって運営・管理されているかというガバナンスも重要だとしている。

また同ガイドでは、イーサリアムが長期的な公共インフラとして運用できる根拠も紹介されている。イーサリアム財団は、その裏付けとしてブロックチェーン監査企業オープンゼッペリン(OpenZeppelin)のレポートを引用している。具体的には、2026年3月時点の数値として、2015年の稼働開始以来ネットワークが停止していないことや、約760億ドル(約12.3兆円)相当のETHがステーキングされていること、不正な取引をファイナライズさせるには約507億ドル(約8.2兆円)相当のコストが必要になることなどを挙げている。またバリデータが世界各地に分散していることや、複数の独立したクライアントソフトウェアが運用されていることも紹介している。

さらに同財団は、イーサリアムには単一の運営主体が存在しないため、新たなカウンターパーティリスクを生まないことも特徴としている。一方、一部のブロックチェーンでは、運営企業がトークン供給量の約42%を保有し、バリデータの選定にも影響力を持つ事例があるとして、ネットワークのガバナンス構造の違いを説明している。

同ガイドでは、政府や公共機関による導入事例も紹介している。具体的には、ブータンおよびアルゼンチンのブエノスアイレス市では、利用者が自身のデータの共有範囲を管理できる分散型デジタルID基盤にイーサリアムが活用されているという。またインドでは、土地登記やカースト証明書などの公的記録の改ざん防止を目的とした取り組みにイーサリアムが採用されているとのこと。

なお、イーサリアム財団は今年6月、組織方針「EFマンデート(EF Mandate)」に基づく組織再編を実施した。その際、金融機関や企業、政府機関によるイーサリアム活用を支援する「インスティテューショナル・レイヤー(Institutional Layer)」を新たな主要クラスターとして設置している。こうした中で、今回の政府・機関向けガイドが公開された。

参考:イーサリアム財団
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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