仮想通貨取引所に「連邦登録」の選択肢、米CFTCが新枠組み提案

この記事の要点

  • CFTCが取引所向け連邦登録の新区分を提案
  • BTC・ETH・XRPなど主要通貨を「非証券」に分類

仮想通貨取引所に連邦監督の選択肢を提案

CFTC(米商品先物取引委員会)のマイケル・セリグ委員長は2026年10月5日、ニューヨークのフォーダム大学ロースクールで開かれたブロックチェーン規制シンポジウムで講演しました。

セリグ委員長はこの講演で、仮想通貨取引所を対象とする連邦規制の新枠組み「Regulation CTX」と「Regulation CAM」の事前規則策定通知(ANPR)を同日公表したと明らかにしました。

両枠組みは、個人向けに証拠金・レバレッジ・融資を用いた仮想通貨取引(CTX)を扱う取引所を対象としています。

規則化された場合、米国の仮想通貨(暗号資産)取引所は、州ごとの送金業免許に加え、CFTCの連邦監督下で事業を運営する選択肢を持つことになります。

CFTCがこうした連邦の枠組みに踏み込む背景として、セリグ委員長は、議会が仮想通貨の市場構造を定めるCLARITY(クラリティ)法案を大統領に送付できなかった経緯を挙げました。

そのうえで同委員長は「トランプ大統領が法整備の有無にかかわらず市場構造規制を実現すると約束した」と述べ、CFTCは既存の法的権限を活用して規則整備を進める方針を示しています。

仮想通貨取引所に3段階の登録制度を設計

現物からデリバティブまで3段階に分類

セリグ委員長は講演で、仮想通貨取引所を「はしご」になぞらえ、扱う取引の内容に応じて3段階に分類する考えを示しました。

第1段階には主に州の送金業法で規制される通常の現物取引所が位置し、その上の第2段階には個人向けに証拠金・レバレッジ・融資を伴うCTXを提供する取引所が置かれています。

第3段階には無期限先物(パーペチュアル)を含むデリバティブも扱う指定契約市場(DCM)が位置し、既存のCFTC規制の対象となっています。

このうち今回の提案が対象とするのは第2段階で、商品取引所法(CEA)に基づくCFTC登録の対象でありながらCTX専用の規則が整えられていない事業者について、通常のDCMとして登録するか、CTX専用の新区分「仮想通貨市場(CAM)」を選べるようにする方針です。

BTC・ETH・XRPなどを「非証券」に分類

CTXを扱う取引所の登録区分に続き、セリグ委員長は、そこで扱われる仮想通貨の法的位置づけについて、CFTCとSEC(米証券取引委員会)が2026年3月に公表した共同解釈に言及しました。

この共同解釈では、仮想通貨を「デジタルコモディティ」「デジタルコレクティブル」「デジタルツール」「ステーブルコイン」「デジタルセキュリティ」の5つに分類しています。

このうち「デジタルコモディティ」「デジタルコレクティブル」「デジタルツール」は原則として有価証券に当たらない「非証券」と整理され、デジタルコモディティの例としてビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、エックスアールピー(XRP)、ステラ(XLM)、テゾス(XTZ)が挙げられました。

セリグ委員長はこの分類について、ゲイリー・ゲンスラー前SEC委員長の下で続いてきた仮想通貨の証券性をめぐる従来の規制方針とは異なる考え方を明確にしたものだと位置づけています。

顧客保護と「実際の引渡し」、開発者の扱い

こうした登録区分と仮想通貨の法的位置づけを前提に、セリグ委員長はCTX取引を認める際の顧客保護策として、先物取引業者(FCM)による仲介を義務づける方針を示しました。

FCMが顧客の口座と資金を管理することで、商品取引所法に基づく開示義務や資本要件、顧客資産の分別管理に加え、銀行秘密法(BSA)に基づくマネーロンダリング対策や本人確認義務も適用されると同委員長は説明しています。

顧客資産を包括口座で保管する取引所には準備金証明(プルーフ・オブ・リザーブ)を求める案も示されており、セリグ委員長はFTXの破綻で80億ドル(約1兆2,630億円)を超える顧客資産が流用された事例に言及しました。

一方で同委員長は、利用者が仮想通貨を外部の非保管型(ノンカストディアル)ウォレットへ受け取る取引について、商品取引所法が定める28日以内の「実際の引渡し(actual delivery)」の例外に原則として該当するとの解釈を示しました。

加えて、ソフトウェアを公開するだけで注文の勧誘・受注・執行や顧客資産の保管を行わない開発者には、ブローカー登録を求めるべきではないとの考えも明らかにしています。

CFTC・SEC、仮想通貨規制を並行策定

米国ではCFTCの新たな市場規制案と並行して、SECもアトキンス委員長のもと、投資契約を伴う仮想通貨の発行を対象とする証券規制の枠組み「Regulation Crypto Assets」を提案しています。

こうした規則策定が行政側で進む中、セリグ委員長は、議会がクラリティ法案を大統領に送付できなかった状況でも、CFTCにはCTXを扱う取引所について現行法に基づく規則を定める権限があるとの立場を示しました。

ただし、すべての仮想通貨取引所にCFTCへの連邦登録を義務づけられるのは議会だとも説明しており、Regulation CTXとRegulation CAMは現行法で認められた範囲から連邦監督の選択肢を整える提案となっています。

CFTCは事前規則策定通知を通じて市場参加者から意見を募っており、今後は寄せられたコメントを踏まえて、CTX向け規則やCAMの登録要件が具体化されていく見通しです。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.88 円)

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Source:CFTC声明
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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