
この記事の要点
- 中国国家安全部が「仮想通貨の匿名性は幻想」と警告
- 金融犯罪に加え国家安全保障上の脅威と位置づけ
中国安全部「仮想通貨の匿名性は幻想」
2026年9月28日、中国の国家安全部(MSS)が、仮想通貨の匿名性は表面的なものにすぎず、犯罪に利用しても身元を隠し通すことはできないと警告したことが明らかになりました。
国営通信社の新華網の報道によると、同文書は仮想通貨がマネーロンダリングやサイバー攻撃、スパイ活動などに使われているとして、その匿名性は表面的なものにすぎないと指摘しています。
国家安全部は、ブロックチェーン上に取引記録が残り続けることなどを理由に、仮想通貨を使っても犯罪の痕跡を完全に隠すことはできないとの見方を示しています。
なかでも国家安全部は、外国の情報機関が仮想通貨を協力者の勧誘やスパイ資金の送付に利用しているとして、金融犯罪だけでなく国家安全保障の観点からも警戒を呼びかけました。
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悪用実態の列挙と追跡の論理
仮想通貨が悪用される3つの犯罪領域
新華網によると、国家安全部が公開した文書では、仮想通貨が犯罪に利用される主な領域として、資金洗浄・サイバー攻撃・スパイ活動の3つが取り上げられています。
資金洗浄では、電信詐欺やオンライン賭博、越境密輸などで得た違法収益が仮想通貨に交換され、分割や移転を繰り返しながら金融監督を逃れて国外へ送られる手口があるとされています。
サイバー攻撃では、ランサムウェアなどを仕掛けた攻撃者が身代金の受け取りを仮想通貨に限定し、追跡されにくいという認識を利用して身元を隠していると指摘しています。
スパイ活動については、外国の情報機関が仮想通貨の「追跡されにくさ」を宣伝材料にして協力者を勧誘し、諜報活動に必要な資金の送付に利用していると警告しました。
ブロックチェーン上の記録が匿名を無力化
こうした犯罪で利用される「匿名性」について、国家安全部の文書はブロックチェーン上に取引記録が残り続ける点から、その前提自体を否定しています。
その根拠として、金額や場所を問わず取引履歴は公開台帳に記録され、いったんチェーン上に残った情報はあとから削除したり書き換えたりできないとしています。
ウォレットアドレスが実名と直接結びついていなくても、過去の資金移動そのものは記録として残るため、取引の痕跡まで消えるわけではないとの認識を示しました。
取引所やIPの痕跡から人物特定へ
取引履歴だけでなく、仮想通貨と法定通貨を交換する過程でも、取引所や決済窓口を通じて端末情報やIPアドレスなどの痕跡が残ると文書は指摘しました。
専門機関は、こうして残った情報をブロックチェーン上の記録と照合することで、個々のウォレットを通じた資金の移動経路を追跡できるとしています。
こうした分析を重ねることで、ウォレットの背後にいる実際の利用者を割り出し、資金の流れを最初から最後まで再現することも可能だとの見方を示しています。
また秘密鍵についても、自分で管理すれば紛失や盗難で資産を永久に失う恐れがあり、取引所に預ければ破綻や連絡途絶のリスクを負うとして、匿名であることと資産の安全は別問題だと同文書は述べています。
仮想通貨取引の監視を強化
仮想通貨禁止の法的根拠を改めて提示
仮想通貨の犯罪利用と追跡可能性を示した文書は、中国国内での法的な扱いにも言及しています。
文書は2026年2月に中国人民銀行など複数の部門が出した通知を挙げ、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、テザー(USDT)などの仮想通貨は法定通貨と同じ法的地位を持たず、通貨として市場で流通させることも認められないとしています。
同通知では仮想通貨の交換や仲介などに関わる業務も違法な金融活動として禁じられており、国家安全部は仮想通貨での決済を条件とする高額報酬の副業などに注意するよう市民へ呼びかけました。
仮想通貨の「匿名性は幻想だ」と断じる一方、中国当局はその利用を国家安全保障上の問題としても扱い、自国民にも厳しい警戒を求めています。
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Source:新華網報道
サムネイル:AIによる生成画像
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