
この記事の要点
- セイラー氏、銀行のBTC参入拡大で強気相場に回帰と発言
- ストラテジー、優先株4銘柄の日次配当化を10月28日に株主投票
まずはビットコイン(BTC)を詳しく
セイラー氏「銀行参入がBTCを押し上げ」
米上場企業ストラテジー(旧マイクロストラテジー)の共同創設者で会長のマイケル・セイラー氏は、ParaFi Capital主催のInvestor Dayで講演し、ビットコイン(BTC)が強気相場に回帰しつつあるとの見方を示しました。
同氏は、今後12〜24カ月の価格上昇を支える原動力として、銀行によるBTCのカストディ(保管)と、それを担保とする与信の拡大を挙げています。
銀行がBTCを保管することで信用ネットワークが形成され、BTCを担保とする与信が100億ドル(約1兆5,800億円)増えるごとに、年間新規供給量の1年分に相当する信用規模になるとセイラー氏は試算しています。
こうした信用創出の前提となる銀行のBTC関連サービスへの参入も進んでおり、同社が独自に追跡する「ビットコイン銀行対応指数」は9%から34%に上昇したと明らかにしました。
Bitwise「仮想通貨に春の兆し」
BTC信用市場拡大へ、商品設計を刷新
15億ドルの買い戻しでSTRC額面回復
セイラー氏は講演で、銀行によるBTC担保融資に加え、ストラテジー自身もBTC保有資産を資本基盤として、永久優先株STRC(Stretch)を通じた信用商品の開発を進めていると説明しました。
そのSTRCは2026年夏に目標価格の100ドルを下回り、同社は7月27日にドル建て配当準備金の確保や、優先株を対象とする最大10億ドルの買い戻しプログラムを発表するなど、価格の安定に向けた施策を打ち出しています。
セイラー氏によると、その後のSTRC買い戻しは約15億ドル(約2,370億円)に達し、市場価格は100ドルとの差が数セントまで縮まったほか、ドル建て配当準備金も約3.5年分に積み増されました。
この経験から同氏は、投資家がBTCによる長期的な配当支払能力よりもドル建て準備金を重視することを学んだと説明し、デジタルクレジットをBTCと現金の「合金」に例えて、両者の適切な組み合わせが価格の安定につながるとの見方を示しています。
優先株4銘柄で日次配当へ移行計画
STRCの価格安定に向けた施策は配当制度にも及んでおり、同社はSTRC・STRF・STRK・STRDの優先株4銘柄を対象に、10月28日の臨時株主総会で日次配当への移行に関する承認を求めています。
株主の承認と必要な手続きが完了すれば、STRCは11月1日から、残る3銘柄は2027年1月1日から毎日を配当基準日とし、宣言された配当を翌営業日に支払う仕組みに移行する予定です。
配当頻度を引き上げる理由についてセイラー氏は、四半期払いでは90日のうち60〜75日ほど取引が停滞していた一方、月次払いへの変更で流動性が約20倍になったと説明し、日次化によって価格変動をさらに抑えられるとの見方を示しました。
STRCの年間配当率は現在12%で、同水準が維持された場合、額面100ドルに対する配当は1日あたり約3.3セントとなり、週末を含む365日を配当基準日とすることで、トークン化された市場でも取引しやすい信用商品を目指すとしています。
年6〜8%利回りのステーブルコイン構想
こうした信用商品の流動性向上を目指す取り組みの先に、セイラー氏はBTCを裏付けとして米ドルに連動し、年6〜8%の利回りを提供するステーブルコインの構想も描いています。
同氏は、利回りを生まないステーブルコインが約3,500億ドル(約55兆3,000億円)も保有されている現状に疑問を呈し、木曜日に購入して月曜日に全額を換金するような短期保有でも収益を得られる金融商品を目指すと説明しました。
決済や担保、取引に利用できる「完成されたマネー」と位置づける一方、発行主体や発行時期、利回りを生み出す具体的な仕組みについては明らかにしておらず、現時点では将来構想にとどまっています。
ビットコイン「蓄積から回復へ」
BTC信用商品の他社展開と残る普及課題
BTCを資本基盤とする信用商品の開発は他社にも広がっており、米資産運用会社Strive(ストライブ)は2026年6月から永久優先株SATAで営業日ごとの配当を導入し、10月も日次配当を継続しています。
同社は10月にも年13%の配当率を維持する方針を発表しており、BTCを資本基盤とする優先株の市場では、価格安定と継続的な利回り提供を目指す商品開発が進んでいます。
一方、セイラー氏はデジタルクレジットが機関投資家に受け入れられるには、弱気相場への対応力を証明し、3〜5年間にわたって安定した配当実績を積み重ねる必要があるとの認識を示しました。
ストラテジーは10月28日の株主投票でSTRCの日次配当への移行を目指しており、銀行によるBTC担保融資の拡大と並行して、BTCを資本基盤とする信用商品の流動性向上を図る考えです。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.75 円)
関連の注目記事はこちら
Source:ParaFi Investor Day 2026
サムネイル:AIによる生成画像





コメント