「デジタル資産の5権利」100兆ドル産業の展望を提唱|セイラー氏

この記事の要点

  • セイラー氏がデジタル資産「5つの権利」を提唱
  • 100兆ドル産業へ、銀行規制・税制の改革も提言

1.6京円産業の鍵は「デジタル資産5権利」

米上場企業ストラテジー(旧マイクロストラテジー)会長のマイケル・セイラー氏は2026年9月26日、デジタル経済の繁栄に向けた政策提言をまとめたエッセイを自身のX(Twitter)で公開しました。

同氏は、AIの進化によって個人や企業の生産性が大きく高まる時代には、新たな技術や資産の利用を制限するのではなく、経済活動の自由を支える権利の明確化が必要だとの考えを示しています。

その中核として提唱したのが、デジタル資産を「作成・発行・保管・移転・使用」する5つの権利で、個人と企業の双方に保障すべきだと主張しました。

セイラー氏は、資産の価値は所有者がどのように利用できるかによって決まるとして、利用方法を制限すれば、その資産が持つ経済的な可能性も狭まると説明しています。

こうした権利を広く認め、デジタル資産を自由に生み出して活用できる環境を整えることで、同産業は将来的に100兆ドル(約1京5,750兆円)規模まで成長する可能性があるとの見通しも示しました。

トークン発行・銀行規制・税制の全面改革を提言

セイラー氏「1000万社に資金調達の道を」

セイラー氏は、AIが既存の雇用や産業を変える時代には、それを上回るペースで新たな企業や機会を生み出せる環境が必要だとの考えを示しています。

その実現に向け、AIを使って製品やサービスを生み出す人々が事業化に必要な資金も調達できるよう、資本形成のコストや複雑さを引き下げるべきだと訴えました。

手段としてデジタルトークンを挙げ、明確な発行ルールや事業規模に応じた情報開示制度を設け、多数の弁護士を雇えない中小事業者にも資本市場を開くよう求めています。

こうした環境整備の目標として、セイラー氏は1,000万社の新規企業が資金を調達できる市場の実現を掲げました。

デジタルドル・トークン化証券・BTCの制度整備

資金調達の機会を広げることに加え、セイラー氏はデジタルドルやトークン化証券を幅広く利用できる市場環境の整備も求めました。

デジタルドルについては、銀行やフィンテック企業、テクノロジー企業が商品を提供できる明確な道筋を設け、利回りやサービス、リスクの異なる選択肢から利用者が選べる環境を認めるべきだとしています。

トークン化証券についても、ブロックチェーン上で発行するだけでなく、所有者が自ら保管したり、別の事業者へ移転したり、融資などに使ったりできる権利を確保することが重要だとの見方を示しました。

ビットコイン(BTC)については「デジタル資本」と表現し、銀行による保管や担保融資、保険会社によるバランスシートや商品設計への組み込みを可能にする制度を整えるよう求めています。

バーゼル規制・報告基準・税制の見直し提言

こうしたデジタル資産の利用範囲を広げるため、セイラー氏は金融機関に対する規制に加え、報告制度や税制、本人確認を含む既存ルールの見直しも求めています。

金融機関に関する制度ではバーゼル規制を取り上げ、Group 2bに分類される仮想通貨(暗号資産)エクスポージャーへの1,250%のリスクウェイトについて、実際のリスクや活動内容に応じた見直しを訴えました。

金融プライバシーをめぐっては、通貨取引報告(CTR)の1万ドル(約158万円)基準が1972年以来据え置かれている点を問題視し、米政府説明責任局(GAO)の報告が2023年時点のインフレ調整後の水準を約7万2,880ドル(約1,150万円)と試算したことを挙げて、基準の引き上げとインフレ連動を提案しています。

本人確認については、金融機関ごとに同じ手続きを繰り返す負担を減らすため、利用者の同意を前提に信頼できる本人確認情報を事業者間で再利用できる仕組みを求めています。

税制では日常的なデジタル資産決済への実用的な少額非課税枠を提案したほか、将来的にはAIエージェントが24時間365日取引できる金融インフラが必要になるとの見方も示しました。

クラリティ法案批判「制限に重点を置きすぎ」

こうした制度改革を進める主体として、セイラー氏は今後2年間のSEC・CFTC・米財務省・銀行規制当局・ホワイトハウスを挙げ、各機関が法的権限の範囲で不要な障壁を取り除き、新たな金融商品やサービスへの道筋を整えるべきだとの立場を示しました。

一方、デジタル資産市場の規制枠組みを定めるCLARITY(クラリティ)法案については「制限に重点を置きすぎた」と批判し、施行後に個人や企業が何を作成・所有・移転・使用できるのかを基準に制度を評価すべきだと主張しています。

同法案は2026年5月14日に上院銀行委員会を15対9で通過したものの、9月15日の上院本会議では審議開始に向けた動議に対する討論終結が49対50で否決され、その後は採決結果を再考するための動議が提出されています。

セイラー氏は、包括的な法律で将来の規制変更から業界を守る考え方には一定の合理性があると認める一方、産業の可能性を当初から狭める制度には否定的な見方を示し、「作成・発行・保管・移転・使用」の権利を広く確保するよう求めています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.70 円)

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Source:マイケル・セイラー氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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