
この記事の要点
- コインベースとグラスノードがBTC年末見通しを「建設的」と評価
- 約170万BTCが集中する9万ドル帯の突破が回復の条件
まずはビットコイン(BTC)を詳しく
ビットコイン「蓄積から回復へ」
米仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)は2026年10月、オンチェーン分析企業Glassnode(グラスノード)と共同制作した2026年10〜12月期の市場レポートを公開しました。
両社は、ビットコイン(BTC)が2026年7〜9月期に43%上昇して83,600ドル(約1,320万円)に達したことを踏まえ、相場が蓄積局面から初期回復へ移行したと分析しています。
こうした相場の回復を受け、両社は年末に向けた仮想通貨(暗号資産)市場の見通しを「建設的」と評価しました。
ただし、約170万BTCが最後に取引された89,600〜93,700ドル(約1,415万〜1,480万円)の価格帯には厚い売り圧力が生じる可能性があり、両社はこの「オーバーヘッド供給帯」を突破できるかどうかが、年末に向けた回復基調を見極める重要な条件になるとの見方を示しています。
「新たな強気サイクル開始」
BTC43%高の裏にETF資金流入と保有者心理
ドル代替需要がBTC上昇を牽引
同レポートでは、2026年7〜9月期に米国の金融引き締めが再開されたにもかかわらず、BTCが金(ゴールド)や主要株式指数を上回る上昇率を記録した点を取り上げています。
米連邦準備制度理事会(FRB)は9月、コアCPI(消費者物価指数)が2.4%に低下するなかで2023年7月以来となる利上げを実施し、政策金利を25ベーシスポイント引き上げて3.75〜4.00%としました。
米10年債利回りも同四半期に85ベーシスポイント上昇し、2002年以降の最高水準となる5.29%に達するなど、BTCの上昇は金利が大幅に上昇する環境下で起きたと両社は分析しています。
相関分析では、BTCと金・銀の日次リターン相関がともに0.61、ドル指数(DXY)との相関が-0.43、S&P500との相関が0.30となっており、両社は幅広いリスク選好よりもドルの代替需要がBTCの上昇を牽引したとの見方を示しました。
含み益保有者が71%に回復、過熱感はなし
BTCの底堅い値動きはオンチェーン指標にも表れており、同レポートによると、投資家心理を測るエンティティ調整済みNUPL(未実現純損益率)は0.11から0.38へ上昇し、「希望/恐怖」から「楽観/不安」の領域に回復しました。
含み益を抱えるBTCの供給割合も46%から71%へ改善し、1年以上動いていない供給量が約34万BTC増加するなど長期保有者の保有継続がうかがえる一方、MVRV(市場価値対実現価値比率)が2020年以降の中央値である1.76を下回る1.56にとどまり、過熱水準には達していないと両社は評価しています。
回復の動きはイーサリアム(ETH)にも及んでおり、同四半期に71%上昇したほか、DeFi(分散型金融)のTVL(預入総額)は370億ドル(約5.8兆円)から530億ドル(約8.4兆円)へ拡大したといいます。
米国の現物ETFでも2026年前半の資金流出傾向が反転し、7〜9月期にはビットコインETFに純額70億ドル(約1.1兆円)、イーサリアムETFに31億ドル(約4,900億円)が流入し、運用資産はそれぞれ1,270億ドル(約20兆円)、216億ドル(約3.4兆円)に達しています。
41指標中27が弱気シグナル、調整リスクも
ETFへの資金流入や保有者の収益性が改善する一方、両社が分析した533のオンチェーン・マクロ指標のうち統計的な条件を満たした41指標では、27指標が今後30日間の平均を下回るリターンを示唆しており、短期的には上昇が落ち着く可能性を指摘しました。
価格帯の分析でも、9月高値を抑えた87,000〜87,800ドル(約1,375万〜1,387万円)が直近のレジスタンスとなり、その上には90,000〜94,000ドル(約1,422万〜1,485万円)の厚い供給帯が控えるとしています。
下値については、74,500〜75,200ドル(約1,177万〜1,188万円)を最も強いサポート帯に挙げ、その下にも短期保有者の取得価格に相当する73,500ドル(約1,161万円)と200日移動平均線の約71,200ドル(約1,125万円)が位置すると分析しました。
両社は、こうした複数の支持線を根拠に、200日移動平均線付近への下落を「蓄積の好機」と評価しています。
Bitwise「仮想通貨に春の兆し」
コインベースが示したBTC年末回復のシナリオ
年末に向けた相場見通しについて、両社はFRBの利上げ停止に加え、コアPCE(個人消費支出物価指数)の3カ月年率2.1%というインフレ鈍化の状況が、回復基調を支える条件になるとしています。
ただし、2026年9月の利上げ後も市場は今後半年間で約64ベーシスポイントの追加引き締めを織り込んでおり、両社は米10年債利回りの5.5%への上昇や原油価格の90ドル付近での高止まりを、回復シナリオを脅かす要因として挙げました。
同様のリスクについては、資産運用会社Bitwiseも2026年10〜12月期の仮想通貨市場に前向きな見通しを示す一方、FRBの追加利上げや米国債利回りの上昇を懸念材料に挙げており、金融政策の先行きが市場分析に共通する論点となっています。
コインベースとグラスノードは、金融政策の不透明感が残るなかでも、BTCが90,000〜94,000ドルの供給帯を明確に突破し、ETFへの資金流入と取引所からのBTC流出が続けば、年末に向けた持続的な上昇基調への確信が強まるとの見方を示しています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.02 円)
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Source:Coinbase & Glassnodeレポート
サムネイル:AIによる生成画像





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