XRPレジャーに「XRP無限生成」の重大バグ|10年潜伏も被害なし

この記事の要点

  • XRPL開発チーム、XRP不正生成の重大脆弱性を修正
  • 悪用の証拠なし、10年超で初の緊急措置を実施

まずはXRPレジャー(XRPL)を詳しく

XRP不正生成のバグ修正完了、被害報告なし

XRPレジャー(XRPL)の開発チームは2026年10月9日、XRPを不正に大量生成できる重大な脆弱性について、修正を完了したことを公式ブログで公表しました。

この脆弱性を悪用すると、1回の取引で総供給量の1,000億XRPを大幅に超えるXRPを不正に生成でき、通常のXRPと区別されることなく送金や売買に使用できる状態だったとしています。

問題は9月22日にセキュリティ研究者から報告され、RippleX(リップルエックス)が攻撃を再現して危険性を確認した結果、深刻度は最高水準の「クリティカル(重大)」に引き上げられました。

開発チームによると、実際のネットワークでこの脆弱性が悪用された証拠は確認されておらず、XRPの不正生成による被害も報告されていないとしています。

開発チームは報告から3日後の9月25日に修正版「xrpld」3.4.1を公開し、同日中に主要バリデーターの80%超が更新を完了しました。

10年間見過ごされた計算欠陥の原因と修正内容

2015年導入の決済エンジンに計算上の欠陥

報告書によると、今回見つかった脆弱性は、現在の決済エンジンが開発された2015年から存在していたとみられ、約10年間にわたり発見されずに残っていました。

開発チームは、決済エンジンが複数の売買注文(オファー)の金額を64ビット整数で合計する際、計算上限を超えた場合のチェックが欠けていたことを原因に挙げています。

通常の取引では計算上限に達しないため問題は表面化せず、極端に大きな金額を要求する数百件のオファーを組み合わせることで、合計値が小さな値に折り返される「整数オーバーフロー」が発生する状態となっていたといいます。

さらに、攻撃には数百XRP相当の準備金と通常の取引手数料しか必要なく、準備金も後から回収できるため、特別なアクセス権限がなくても実行できたと報告されています。

安全装置も同じ欠陥、修正版で計算方式を改修

この計算上の欠陥により、オファーの出し手には本来の金額が支払われる一方、買い手には折り返し後の少額しか請求されず、その差額に相当するXRPが不正に生成される危険性がありました。

XRPレジャーには新たなXRPの生成を検知する安全装置(インバリアント)が備わっているものの、この装置にも同じ計算上の問題が存在し、不正なXRPの生成を検知できない状態だったと報告されています。

開発チームは修正版でオファーの合計額が上限を超えた場合に処理を失敗させるチェックを追加し、決済エンジンで異常な計算結果が生じる問題を修正しました。

安全装置についても計算に使用する整数の範囲を拡大し、別の処理経路で同様の問題が発生した場合にも、不正なXRP生成を検知できるよう改修しています。

10年超で初の投票省略、悪用前の緊急対応

開発チームは脆弱性の修正にあたり、通常のプロトコル変更に必要な投票手続きを省略する異例の措置を講じたと明らかにしました。

XRPレジャーでは、信頼されたバリデーターの80%超が2週間にわたり支持する「アメンドメント」という手続きを経て取引処理を変更しており、意図的に投票を省略したのは制度導入から10年以上で初めてとなります。

異例の判断に至った理由について、開発チームは、修正コードを公開すると攻撃者にも脆弱性の所在が明らかになり、通常の投票完了を待つ数週間の間に悪用される危険性があったと説明しています。

そのため、ネットワーク停止よりも深刻な被害が想定される重大な脆弱性に限って緊急修正を優先したもので、通常のプロトコル変更手続きを見直すものではないと報告書は強調しています。

Batch機能も同時修正、リリース前に再現テスト導入

XRPの不正生成とは別に、開発チームは複数の取引をまとめて送信するBatch機能でも脆弱性が見つかり、「xrpld」3.4.1で修正したことを明らかにしています。

Batch機能では内部取引の形式を確認する処理に不備が見つかり、サーバー間で合意形成が停止する危険性が判明したため、開発チームは修正前の機能の有効化を延期し、10月9日に修正アメンドメント「fixBatchV1_2」を有効化しました。

同機能をめぐっては2026年2月にも、不正な資金移動を可能にする重大な脆弱性が報告されており、当時もメインネットでの有効化前に問題が発見され、投票の停止と修正が行われました。

開発チームは今回の脆弱性などを踏まえ、監査やバグ報奨金、AIによる攻撃テストで発見された問題について、リリース候補版で再現テストを実施する検証手順を追加する方針を示しています。

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Source:XRPレジャー公式ブログ
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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