
この記事の要点
- メタマスク、送金直前に詐欺を検知・警告する新機能を発表
- FBI報告:仮想通貨詐欺の年間被害額は約1兆円超
まずはMetaMask(メタマスク)を詳しく
送金時に詐欺の兆候を自動検知
仮想通貨(暗号資産)ウォレット大手のMetaMask(メタマスク)は2026年9月14日、ロマンス詐欺や投資詐欺の兆候を送金直前に検知し、利用者に警告する新しいセキュリティ機能を発表しました。
ロマンス・投資詐欺では、詐欺師が時間をかけて相手との信頼関係を築き、本人の意思で資金を送らせるケースが多く、危険なアドレスや悪意あるコードを検知する従来型の対策では被害を防ぎにくかったとメタマスクは説明しています。
同社はこうした手口への対策として、送金前に利用者へ警告を表示し、取引を実行する前に危険性を見直せる仕組みを導入しています。
米FBI(連邦捜査局)傘下のIC3(インターネット犯罪苦情センター)の年次報告書によると、2025年の仮想通貨投資詐欺による被害額は72億ドル(約1兆1,120億円)に達し、犯罪類型別で最大の損失額を記録しています。
メタマスク運営元が事業を2社に分割
「速度制限」型の警告設計と、深刻な詐欺被害
利益保証・面識の有無を送金前に質問
メタマスクによると、新機能は利用者が送金しようとした際にロマンス詐欺や投資詐欺の兆候を確認し、危険が疑われる場合には短い質問が画面に表示されます。
質問には、相手と実際に会ったことがあるか、利益を保証されていないか、送金を急かされていないかといった内容が含まれています。
メタマスクは、友人が隣にいれば投げかけるような問いをウォレット上で示し、利用者が送金前に状況を見直せるようにしたと説明しています。
「壁ではなく速度制限」判断は利用者に
警告が表示された場合でも取引そのものを自動的に遮断せず、最終的に送金するかどうかは利用者が判断する設計となっています。
メタマスクはこの方針を「壁ではなく速度制限(スピードバンプ)」と表現し、危険性を知らせながらも利用者の判断を尊重する考えを示しました。
警告時に詐欺の典型的な兆候も示すことで、同様の手口に遭遇した際に利用者自身が危険を判断しやすくする狙いもあると同社は説明しています。
Blockaid連携で全EVMネットワークに対応
検知にはセキュリティ企業Blockaid(ブロックエイド)の情報も使われ、悪意あるものとして登録された送金先アドレスが確認対象に含まれます。
メタマスクとBlockaidは2023年から連携しており、フィッシングサイトの検知や取引シミュレーションを活用したセキュリティ警告をすでに導入してきました。
新機能はMetaMask Mobileのv8.11以降とExtensionのv13.48以降で提供され、全てのEVM(イーサリアム仮想マシン)対応ネットワークが対象となっています。
IC3集計:被害者の78%が詐欺と認識せず
被害者自身が詐欺に気づきにくい実態は、FBIの被害者支援策「Operation Level Up」の集計にも表れています。
同集計では、2025年に通知を受けた3,780人のうち78%が、通知時点で自分が詐欺の標的になっていることに気づいていなかったと報告されました。
この結果は、本人が詐欺を認識しないまま資金を送る可能性がある、ロマンス・投資詐欺の発見の難しさを示しています。
こうした被害者が危険を認識しにくい状況に対し、メタマスクは送金直前に利用者本人へ確認を促す仕組みを採用しています。
SNS大手5社に詐欺広告対策を要請
広がるウォレット詐欺、送金前に防ぐ試み
メタマスクは以前からBlockaidと詐欺対策を進めており、2024年には悪意ある取引やフィッシング被害を防ぐセキュリティアラートを拡張機能とモバイルアプリに導入しました。
従来の対策が危険なウェブサイトやアドレス、取引内容の検知を中心としていたのに対し、今回の機能では利用者が相手との関係や送金理由を自ら確認する工程が加わっています。
コードや送金先だけでは判別しにくいロマンス・投資詐欺に対し、メタマスクは送金直前の警告を組み合わせることで、ソーシャルエンジニアリング型の詐欺にも対策範囲を広げました。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=154.58 円)
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Source:MetaMask公式ブログ
サムネイル:AIによる生成画像
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