
金融機関向けの取引インフラ「Havenex」
レイヤー1ブロックチェーン「スイ(Sui)」の共同創業者で、開発元ミステンラボ(Mysten Labs)のコスタス・チャルキアス(Konstantinos “Kostas” Chalkias)氏が、新たな取引プラットフォーム「ハベネックス(Havenex)」の構想を8月26日に自身のXアカウントで明らかにした。
ハベネックスは、金融機関が自社の顧客にデジタル資産と伝統的金融資産を提供するためのインフラとして開発が進当局の幹部、銀行、ファミリーオフィス、取引所、ウォレットプロバイダー、カストディアンなどとの議論を経て、ハベネックスの方向性を定めたと述べた。
チャルキアス氏は、FTXやマウントゴックス(Mt. Gox)のような事態を事業を行うための代償として受け入れ続けることはできないと指摘した。その上で、ユーザーによる資産の所有、透明性、セキュリティを犠牲にすることなく、暗号資産業界が規制に適合できる環境の構築を目指す考えを示した。
ハベネックスはこうした方針のもと、透明性と安全性を備えた機関投資家向け水準の取引所を目指す。同プロジェクトは、必要な認可を規制当局から取得した上でサービスを提供する方針だ。また、継続的かつ検証可能な支払い能力の証明(Proof of Solvency)を導入する計画を掲げている。
支払い能力の証明は、取引所などの事業者が顧客に対する債務を履行できるだけの資産を保有しているかを検証するための仕組みだ。ハベネックスは「継続的」で「検証可能」な支払い能力の証明を掲げているが、められている。同プロジェクトは、規制、カストディ(保管)、セキュリティ、透明性について金融機関が求める基準を満たすことを目指す。
チャルキアス氏は、ハベネックスについて、コインベース(Coinbase)やバイナンス(Binance)、バイビット(Bybit)、クラーケン(Kraken)のような既存の暗号資産(仮想通貨)取引所を目指すものではないと説明した。
ハベネックスが目指すのは、一般ユーザー向けの暗号資産取引所を単純に新設することではない。同プロジェクトは、金融機関が自社の顧客にデジタル資産や伝統的金融資産を提供するための取引インフラを目指す。ハベネックス公式サイトでは、単一の接続で導入できるホワイトラベル型の基盤として開発が進められている。金融機関は自社ブランドのまま、カストディや取引、ブローカレッジなどのサービスを顧客に提供できる設計だ。
ハベネックスは現在、シリーズAの資金調達を進めている。同ラウンドはまもなく完了する予定で、投資家への割り当て枠もすでにかなり埋まっているとのことだ。調達額や企業評価額、参加投資家などは明らかにされていない。
チャルキアス氏は、ハベネックスが必要なすべてのライセンスに加え、必要とされる以上のライセンスについても申請済みだと説明した。ハベネックス公式サイトによると、同社はオーストリア金融市場機構(FMA)の認可手続き中だ。認可取得前は規制対象サービスを提供しない方針を示している。
ハベネックス公式サイトで共同創業者とされるチャルキアス氏は、同プロジェクトが自身の発案によるもので、アドバイザーとして支援すると説明した。同氏はアドバイザーとして同プロジェクトを支援する。また同氏は、ミステンラボとスイが引き続き自身の活動の中心であり、この点に変更はないと述べた。
同氏は、規制当局や中央銀行総裁、金融市場具体的な検証方法は明らかにしていない。
ハベネックスはこのほか、資産の保管状況を検証可能にする「検証可能なカストディ」を原則として掲げている。具体的な仕組みについては現時点で説明されていない。
セキュリティ面では、複数の秘密鍵による承認を必要とするマルチシグを標準で採用するほか、耐量子暗号対応の鍵やハードウェアを利用した2要素認証(2FA)ウォレットを導入する計画だ。また、セルフカストディや秘密鍵を紛失した場合に備える仕組みも構築する方針を示している。
さらにハベネックスは、規制が認める範囲で、機密性を備えた資産やRWA(現実資産)も取り扱う方針だ。RWAは、株式や債券、不動産など現実世界の資産をブロックチェーンを利用して扱う取り組みを指す。ハベネックスが具体的にどのようなRWAを取り扱うかは明らかにされていない。
SuiのDeepBookを取引処理に利用へ
ミステンラボ共同創業者のアデニイ・アビオドゥン(Adeniyi Abiodun)氏は8月27日、ハベネックスが取引の清算にスイ上の分散型オーダーブック「ディープブック(DeepBook)」を利用する計画を自身のXアカウントで明らかにした。同氏はハベネックスについて、将来的に必要なライセンスを取得した中央集権型取引所(CEX)になると説明した。
ディープブックは、スイ上に構築された中央指値注文板(Central Limit Order Book:CLOB)型の分散型取引基盤だ。CLOBでは、買い手と売り手が希望する価格や数量を注文板に並べ、条件が一致した注文を成立させる。
ディープブックは、この注文板の仕組みをスイ上のアプリケーションが共通して利用できる取引基盤として提供している。ハベネックスは中央集権型取引所を目指しながら、その取引処理の一部にスイのブロックチェーン技術を利用する計画となる。
ただしアビオドゥン氏は、投稿で「ディープブックを利用して取引を清算する」とのみ説明した。注文のマッチングや清算、決済など、具体的にどの処理をディープブックが担うのかは明らかにしていない。
アビオドゥン氏はこのほか、ハベネックスがスイ上で耐量子暗号アルゴリズム、支払い能力の証明、スイの認証技術「ジーケーログイン(zkLogin)」を利用する計画にも言及した。
ジーケーログインは、グーグル(Google)など既存のウェブサービスで利用するログイン情報を活用し、ブロックチェーン特有の秘密鍵やシードフレーズを直接扱う負担を抑えながら、スイ上のアカウントを利用できるようにする認証技術だ。ハベネックスがジーケーログインを具体的にどのような認証フローで利用するかは明らかにされていない。
ハベネックスはスイの技術を利用する一方、特定のブロックチェーンだけに限定しないマルチチェーン型のサービスを構築する方針だ。チャルキアス氏は「100%マルチチェーン」を原則の一つに掲げ、適切な場面ではスイの技術を利用し、他のエコシステムが持つ技術や資産、ブリッジも統合すると説明した。
Future fully licensed CEX planning to use @DeepBookonSui to clear trades. Quantum safe algo, proofs of solvency, zkLogin on @SuiNetwork. More to come. #havenexhttps://t.co/udjrJFnTSK
— Adeniyi.sui (@EmanAbio) August 26, 2026
Welcome Havenex. Series A is underway and closing soon, already applied for all required licenses (even more than required). DM me if interested to invest, note that allocation is already quite packed.
— Kostas Kryptos (@kostascrypto) August 26, 2026
After extensive discussions with regulators, central bank governors,…
画像:PIXTA
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参照元:ニュース – あたらしい経済


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