
この記事の要点
- フィデリティがCLARITY法案の上院可決を要請
- 運用資産約1,160兆円の巨人が支持、市場ルール整備に追い風
運用1,160兆円の巨人が法案支持を表明
米Fidelity Investments(フィデリティ・インベストメンツ)の公共政策部門は2026年7月24日、仮想通貨の市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」の上院可決をX(Twitter)で要請しました。
同社は「明確なルールの整備が投資家の信頼強化・市場参加者への確実性付与・グローバルなデジタル資産市場における米国のリーダーシップ強化に不可欠だ」と述べ、同法案の早期成立を求めています。
Fidelity urges Senate passage of the CLARITY Act. The time is now for clear rules of the road that are essential to strengthening investor confidence, providing certainty for market participants, and reinforcing U.S. leadership in global digital asset markets.
— Fidelity Public Policy (@FidelityPolicy) July 24, 2026
フィデリティは、CLARITY法案の上院通過を求めています。
投資家の信頼を強化し、市場参加者に明確な予見可能性を提供するとともに、世界のデジタル資産市場における米国のリーダーシップを強化するためには、明確なルール整備が今こそ必要です。
フィデリティはビットコイン(BTC)の現物ETF「FBTC」など仮想通貨(暗号資産)関連の商品も展開しています。
2025年の年次報告書では、運用資産残高が前年比19%増の7.1兆ドル(約1,160兆円)に達したことも公表しており、世界最大級の資産運用会社としてデジタル資産市場での存在感も高めています。
38万人超の警察団体、支持へ転換
業界の支持広がるも改訂版で対立鮮明に
主要3団体、上院指導部へ法案審議を要請
フィデリティによる要請と同じ7月24日には、仮想通貨業界の主要3団体であるCCI・BA・The Digital Chamberも連名の書簡を米上院指導部に送付し、法案の本会議審議を求めました。
書簡は上院の与野党両院内総務に宛てたもので、約6,700万人のアメリカ人がデジタル資産を保有している一方、連邦レベルでは包括的な規制枠組みが整備されていないとして、本会議での審議を求めています。
法案が成立すれば顧客資産の分別管理やリスク情報の開示が仲介業者に義務付けられるほか、マネーロンダリング対策(AML)や制裁関連の権限も拡大されるとして、消費者保護と不正金融対策の両面から早期成立を訴えました。
コインベースCEO「採決の準備は整った」
業界団体に先立ち、米最大手の仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)のブライアン・アームストロングCEOも7月23日、X(旧Twitter)への投稿で法案の早期採決を求めていました。
同氏は「CLARITY法案は上院本会議での採決に向けた準備が整っている」と述べ、両党が数千時間にわたる協議を経て形にした超党派の妥協案だと説明しました。
その一方で、連邦規制の不在により業界の多くが海外へ流出し顧客が保護の枠外に置かれているとも指摘し、「有権者の70%がすでに包括的な仮想通貨法を成立させるべきだったと考えている」との調査結果を引用しています。
改訂版に倫理規定新設もウォーレン氏反発
一方、法案をめぐっては、上院共和党が7月22日に公表した全616ページの改訂版に、大統領・副大統領・連邦議会議員・連邦判事とその配偶者が在職中にデジタル資産を発行・スポンサーすることを禁じる倫理規定が新設されました。
この規定は2029年1月20日に失効する時限措置で、改訂版を公表したシンシア・ルミス上院議員は声明で数日以内の与野党合意を目指す考えを示しています。
一方、民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は同日、上院銀行委員会少数党の分析を公表し、「トランプ大統領が仮想通貨で次の14億ドル(約2,290億円)を稼ぐことを止めるものではない」と批判しました。
こうした民主党の反発を受け、法案成立に向けた与野党の合意形成は引き続き難航しています。
ウィット氏がWH残留、交渉を継続
警察団体も支持、60票確保へ協議続く
与野党の協議が続く一方で、法執行の分野からも法案を支持する動きが広がっています。全米友愛警察組合(FOP)は7月24日、CLARITY法案への支持を表明しました。
CLARITY法案は2025年7月に米下院を賛成294票・反対134票の超党派で通過し、2026年5月14日には上院銀行委員会でも賛成15・反対9で可決されました。
上院本会議ではフィリバスター(議事妨害)の打ち切りに60票が必要となるため、共和党の約53議席に加えて7名以上の民主党議員の賛成を確保できるかが課題となっています。
上院は8月上旬からの夏季休会を予定しており、休会入りまでの限られた日程で倫理規定をめぐる協議が合意に至るかどうかに市場の関心が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=163.54 円)
関連の注目記事はこちら
Source:Fidelity Public Policy X投稿
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用







コメント