今はリスクオフではない! 米ドル/円が 8月高値109.33円を回復する前提条件とは?

■米ドル/円とドルインデックスの連動性からわかることは? 米ドル全面高の市況が続いている。ドルインデックスは再度99の節目に迫り、米ドル/円は107円の大台を守り、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の多くも保ち合い状態となっている。
ドルインデックス 日足(出所:Bloomberg)
世界の通貨VS円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
 米ドル/円とドルインデックスの連動性は、ユーロ、英ポンドなど外貨に比べ、実は高くない。実際、連動性の高低で、おおむねリスクオン・オフの度合いを測ることもでき、両者の連動性が高い時期においては、リスクオンとまでは言い切れなくても、リスクオフの時期ではないと言える。今はまさにそのとおりだと思う。
ドルインデックスVS米ドル/円 日足(出所:Bloomberg)
 典型的なリスクオフの局面では、ドルインデックスと米ドル/円は完全に背離する。すなわち、ドルインデックスが急伸する一方、米ドル/円が急落する局面だ。もう10年前のことだが、あのリーマンショック後の市況がその好例で、なお記憶に新しい。
ドルインデックスVS米ドル/円 月足(出所:Bloomberg)
 となると、市場センチメントはまだ完全に回復していないが、足元はリスクオフの局面でないことは確かだ。米ドル/円とドルインデックスの連動性が高い時期においては、やはり積極的に「リスクを取る」判断や行動が望ましい。
【ドルインデックスに関する参考記事】
●米ドル全体に賭けろ! FX界の日経平均=ドルインデックスを取引する方法があった!
 「打たれ弱い」日経平均さえ、一時2万2000円の大台を回復、これからも高値トライを継続するだろう。
日経平均 日足(出所:Bloomberg)
 高値圏での保ち合いが続く米国株も、頭打ちになったのではなく、さらなる上昇の土台を固めている途中、という認識の方が正しいかと思う。
NYダウ 日足 
(出所:Bloomberg)
■米ドル/円の107円トライは押し目ポイントとして重視すべき トランプ米大統領弾劾云々でリスクオフを主張する声も多いが、今のところ、いわゆる安全資産の円や金(ゴールド)などのパフォーマンスではそれが確認されていない。ゆえに、米ドル/円の判断としては、引き続き押し目買いでいきたい。
 米ドル/円は9月24日(火)に一時107円の節目にトライしたが、これは押し目ポイントとして重視すべきだ。この見方、筆者の9月25日(水)のレポートをもって、根拠を開示したい。
米ドル/円 日足(9月27日に再作成、クリックで拡大)(出所:FXブロードネット)
 デイリーの指摘の通り、ドル/円は107関門前後にて押し目を果たしているかと思われる。根拠は以下の通り:
 まず、GMMAも一目均衡表もブル基調への転換を果たし、事実上4月以来の出来事である次に、6月、7月の安値ゾーンや8月の元抵抗ゾーンは合致、106後半~107前半に集中しただけに、目先再度支持として役割を果たす公算。
 更に、遅行線とGMMAにおける長期線組の関係、ここからサポートを確認できれば、GMMAの「鰯喰い」のサインや一目均衡における「雲」の支持形成につながる見通し。最後に、RSIなど主要オシレーター系指標らの堅調もあって、ここからの下値余地が限定されることも推測される。
 もっとも、昨日の陰線は弱気サインと見なされ、ここから下値余地限定、かつ昨日高値107.79のブレイクがあれば、押し目の完成を示唆する最初のサインとなる。スイングトレードなら、目先押し目のところではないかとみる。
 トランプ米大統領弾劾の可能性が伝えられて以降…

参照元:ザイFX! 陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

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