専業トレーダーの売買感覚とは・・サヤ取り特徴その3:心理的負担が軽いということ

NYダウー日経225サヤ取りの売買感覚は、一般的な裁量トレードに比べて心理的負担が軽くなる傾向があります。それは、ストレス少なく気楽な売買が出来るだけでなく、専業トレーダーの感覚を要請することにもつながっていくものがあります。今回記事では、その辺をまとめました。心理的負担が少ないサヤ取り3つの目の特徴は「心理的負担が少ない」です。買った・下がった・どうしよう、という「ひやひや」の気持ちはない。もちろん、勝った・暴騰した、の大当たりの「やったぁ」の興奮もない。淡々と利益を得てゆく売買なのだ。~株式サヤ取り教室より「買った・下がった・どうしよう」、サヤ取りではこういうのとは無縁の世界です。 今日は素直だな。 ええ、勿論です。林先生を崇拝していますからね。でも、ですね。 やっぱり、なんかあるのか! そうではないんです。通常の裁量トレードとは違った意味で、サヤ取りならではの心理的負担はありますので、今回はその辺を書かせていただきます。ひやひやすることはある。拡大を狙って仕掛けた。的確に仕掛けることなんてできないので、適度な縮小はある。しかし、想定以上に縮小してしまう。なんて「ひやひやすること」はたまにあります。例えば・・・NYダウ買い 25000日経225売り 24000サヤ:1000これで仕掛けたとしましょう。これは「拡大狙いの仕掛け」です。「拡大狙いの仕掛け」がどのようなものかは、下記記事で書かせていただいております。参考記事:サヤ取りはどうやって利益を出すのか これが拡大せずに縮小したとしましょう。例えば、こんな感じです。NYダウ買い 24000に下落日経225売り 24000のままサヤ:1000⇒0に縮小「拡大狙いの仕掛けが大きく縮小した」ということは、相応の含み損となっている状況です。1000⇒0というのは、1枚の両建てポジションで10万円の含み損を抱えている状況です。これだけの含み損を抱えることは、2年に1回くらいはあります。こういうのは、ちょっと「ひやひや」します。こういうときの対応は二つです。含み損となったときの対処法 含み損を堪えながら拡大期に入るまでまつ。損きりする。私は状況に応じて、どちらも使います。今までのところ、ちょっと「ひやひやすること」はあるものの、大事には至らずにやれています。大当たりの「やったぁ」の興奮もある拡大狙いで仕掛けた、翌日より大きく拡大開始した。こういうときは、気分的には「大当たり・やったぁ」という気持ちになるものです。ただ、この気持ちも慣れてくると裁量トレードほどの興奮は感じないのです。これ、最初はちょっと不思議な気がするんです。不思議な気がする理由の一つは、サヤ取りで利益を出す時期と裁量トレードの投資家が利益を出している時期がズレることが多いからだと思っています。先日利益を出したのは2020年6月9日です。参考記事:+434,515円 NYダウー日経225サヤ取り2020年6月9日売買記録 このときは、日経225が上昇して盛り上がっていた時期です。日経225が上昇している時に、この売買では「日経225売りのサヤ取り」でこの利益を出しています。この時、仕掛けとしては・・・NYダウ買い⇒利益日経225売り⇒損きり・・という「拡大狙いの仕掛け」でした。日経225の損きりよりもNYダウの利益が大きくなる形で利益を確保しています。これとは逆に、日経225が暴落中のときに「日経225買いのサヤ取り」で利益確定となることもあります。この利益確定の後、日経225は大きく下げています。この下げで苦しい想いをしている方もいるかもしれません。サヤ取りの方は、6月9日以降「ポジションゼロ」ですので、大きく下落しても何の影響も受けません。こんな感じで・・・サヤ取りでも「大当たり・やったぁ」ということはあります。でも。裁量トレードの投資家の「大当たり・やったぁ」とは、時期も感覚も違ったものになります。この感覚の違いが、いずれ大きな差になっていきます。感覚が違ってくる。裁量トレードでは、利益を出すタイミングは多くの投資家で似通ったものになる傾向があります。ガンガン上昇して皆が熱狂する局面、逆に大きく下落して意気消沈する局面、私たちの売買もその雰囲気に大きく左右されがちです。でも、サヤ取りで利益を出すところは、人それぞれ違います。しかも、上げ相場なのに「売りポジションで利益を確保している」なんてことも起きます。この「サヤ取りで利益を出す感覚」は、最初はとまどうところです。変な快感のようなものさえ感じるかもしれません。私などは、「俺は他の投資家とはレベルが違ってきたってことかも」などとうぬぼれに近い勘違いをしたこともあります。皆さんも同様の勘違いをするかもしれません。 それって・・・勘違いなの? そう、その通り「勘違い」なんです。 この段階の「レベルが違ってきた」という感覚は只の勘違いなんです。サヤ取りと裁量トレードでは、「利益の出る時期がズレている」だけのことにすぎないからです。でも、この「利益の出る時期がズレる」というのがあとあと大きな変化に繋がっていきます。「利益を出す時期がズレる」ことで、周囲の熱狂や落胆のようなものから離れていけるようになるからです。暴落相場などで、周囲が含み損で意気消沈しているようなときに、サヤ取り投資家が利益を出しているなんてことは、よくあることです。上げ相場でも下げ相場でも利益を出していけるのがサヤ取りの良いところですので、この辺は珍しくありません。周りが儲かっていないからといって時分が儲かるかどうかは別の問題なのだ。周りは周り、自分は自分、利益の出し方は人それぞれだ。そう考えられるようになっていきます。そんな経験の積み上げが、周囲の雰囲気を気にしないトレードができることに繋がっていく訳です。更に売買を続けていくと、「含み損」でも「含み益」でも、それほど「興奮」や「焦り」などの感情的なものが少なくなっていきます。そして、感情的なものが少なくなるに従って、売買が淡々としてくるんです。淡々とした売買をするようになる私の場合、売買が淡々としてくるに従い、ポジション操作もゆったりとしてきました。でも、利益が減った訳ではないんです。不要な売買が減ることで、利益も減らずにポジション操作もゆったりしてくるということなんです。ここ「怠けて休んでいる」のと「不要な売買をせずに休んでいる」のとの違いです。先日、2020年上半期の「休み」取得日数をまとめました。参考記事:「休み」取得日数 2020年上半期【NYダウー日経225サヤ取り】 2020年上半期は、ポジションを保有していた時期は2ヶ月程度でした。残りの4ヶ月はポジションゼロの期間つまり「休み」をとっていた日々です。利益率自体はいつもどおりです。 これ、どういうことなの? まあ、無駄なポジションが減ったというとこですね。数年前は、ポジションを作ってから数ヶ月相場が動かずに保有したままということがありました。2020年に入り、そういうパターンが減っています。2020年が相場変動が激しいという要因もあるので、これだけで「私が成長した証」などと言えるものではありません。当たり前ですけど、ポジションゼロにしていれば1円も資金を失うことはありません。利益率を下げずに「休み」を増やせれば、それだけ運用の安定性も高まります。ポジション保有日数が少なくなれば、「心理的負担」も少なくなります。師匠林輝太郎・栗山浩氏がサヤ取りの教科書で書いている「「心理的負担が少ない」というのは、こういう意味も含んでいるのかなと、最近感じる次第です。専業トレーダーの入り口に立った淡々とした売買ができるよになるというのは、トレードで食べていけるようになるための入り口に立ったようなようなものです。専業トレーダの売買は、日々興奮があるようなものではありません。どちらかと言えば、淡々としていて、1回1回の売買に何らかの感情が伴うようなものではありません。「当たった」「ハズレた」とは無縁の世界、そういう売買を淡々んと続けていくからこそ、10年・20年と長期にわたって生活費を稼ぐ売買を続けられます。サヤ取りを続けていくことで得られる、淡々とした売買の感覚は、それと似ていると私は思っています。

参照元:お気楽FX 相場生活入門編

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