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豪中銀は秘かにチャイナショックを警戒!? 米利上げ=米ドル/円上昇とは限らない! ブログ

豪中銀は秘かにチャイナショックを警戒!? 米利上げ=米ドル/円上昇とは限らない!

■夏枯れ相場の中、米ドルが堅調 夏枯れ相場というか、マーケットにおける流動性が低下している。それにしても、やはりドルインデックスが堅調に推移、一時、7月高値を更新した。

ドルインデックス 日足(出所:米国FXCM)

 さらに、米ドル/円の上昇ぶりが目立ち、いわゆる「黒田ライン」を突破している。 

米ドル/円 日足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 7月24日(金)の本コラムでは、「黒田ライン」のブレイクを予想していた。根拠は同コラムで説明したので、ここでは重複して説明しないが、強調しておきたいのは、マーケットにおいて、明確な「ライン引き」ほど、試される公算は高いということだ。今回の米ドル/円のケースも、然りである。

【参考記事】

●ブラックマンデー再来に注意! 米利上げが世界的金融恐慌を起こしてもおかしくない!(2015年7月31日、陳満咲杜)

 米ドル/円を含め、米ドル全般が堅調なのは、背景に米9月利上げ観測の再燃があることが大きな理由となっているだろう。

 米FRB(米連邦準備制度理事会)理事による早期利上げ示唆のほか、米供給管理協会(ISM)が発表した7月の非製造業総合景況指数が2005年8月以来の高い水準となり、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の最も高い数字を上回ったことが一番効いたのだろう。

 ただし、予想よりかなり悪かった指標もあったので、今夜(8月7日)の米雇用統計が一段と重要になってくる。

 結局、2015年年内利上げ確実と言われる中、9月利上げの有無が当面のマーケットの焦点となり、また、利上げが実施されるまでは、これがマーケットのメインテーマとして不動であろう。

■米国株の不安定な動きがシナリオを狂わせる? この意味では、米ドル高になっているとはいえ、そのトレンド自体が指標次第といった側面が強い。また、不安定になってきた外部要因によっても左右されると言えるだろう。中国株の暴落に続き、実は米国株も不安定な動きを見せているから、米早期利上げのシナリオを狂わせるリスクさえあると思う。

 前回のコラムでは、米利上げ周期入り自体が世界景気後退局面に重なるリスクがあり、新興国を始め、相場が崩れる恐れがあると指摘したが、ブラックマンデー並みの規模なら、米国も免れないだろう。

 米アップル株の急落を、2011年秋から続いてきた米株高の終焉の前兆と受け止めるべきだろうか。

【参考記事】

●ブラックマンデー再来に注意! 米利上げが世界的金融恐慌を起こしてもおかしくない!(2015年7月31日、陳満咲杜)

 何しろ、米アップルは米国企業の代表格で、もっとも収益率が高いことを誇ってきた企業だ。最近の「トリプル・トップ」のフォーメーションをつけてからの急落は、米マーケット全体に一抹の不安を与えたに違いない。 

米アップル株 日足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 実際、NYダウは今年(2015年)の高値からすでに…
ドル/円が一時125円台へ上昇した理由は? 利上げを見据えて、米雇用統計が超重要! ブログ

ドル/円が一時125円台へ上昇した理由は? 利上げを見据えて、米雇用統計が超重要!

■利上げムード高まり、米ドル/円は一時、125円台へ! 8月5日(水)のニューヨーク市場で、久しぶりに米ドル/円が125円台にまで米ドル高・円安になる局面がありました。

米ドル/円 30分足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 30分足)

 黒田ラインと呼ばれる124.63円近辺をしっかり抜けて、上昇する展開となりました。

 日本の機関投資家が下がったら買うという下支えをしている中で、経済指標などにより、米国の利上げムードが高まったことが原因でしたが、これについて、もう少し詳しく解説したいと思います。

■米9月利上げに賛成? 中立? 反対? まず、8月4日(火)に新聞記事の中で、アトランタ連銀のロックハート総裁が、FOMC(米連邦公開市場委員会)は、利上げの用意が整う位置に「接近しつつある」と述べています。

 さらに、彼は利上げを9月から後へ先延ばしすることについて、「自身が納得するには、経済データが顕著に悪化する必要がある」とも述べています。

 彼は、今の状態では、9月の利上げには賛成するということです。

 さらに翌8月5日(水)のテレビインタビューで、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)理事は、利上げに関して、「時は近づいている」と認めたうえで、9月のFOMCで利上げを支持するかどうかを決める前に、「それまでに発表されるデータを見極めたい」との考えを示しています。

 こちらはまだ、中立というところでしょうか。

■最近発表された米経済指標の結果を振り返る 経済指標が重要ということなので、直近、発表された米国の経済指標の結果を少し見ておきます。

 まず、8月3日(月)に発表されたISM製造業景況指数7月分ですが、予想53.5に対して52.7と若干弱い結果になっています。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)

 一方、8月5日(水)に発表されたISM非製造業景況指数7月分は、予想56.2に対して60.3という驚異的な結果となりました。

 5日(水)のニューヨーク市場で米長期金利が上昇し、米ドル高になったのは、この結果に反応したということです。

米国長期金利(出所:CQG)

 そういう意味においては…
米ドル/円取引の素晴らしい戦術とは? 米利上げは年内に2回ある可能性も!? ブログ

米ドル/円取引の素晴らしい戦術とは? 米利上げは年内に2回ある可能性も!?

■米ドル/円は週足でダブルボトムを完成し、上昇 今回は、米ドル/円の分析を行なう。まず、週足チャートをご覧いただきたい。

 週足チャートには、「75.00円-86.00円のボックス相場」を、「赤の破線」で表示している。

米ドル/円 週足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 2010年半ばから2012年12月末まで2年以上にわたり、このボックス相場が続いた。このボックス相場の上限86.00円を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

 その形状を見ると、ダブル・ボトムを完成した、と考える。

■ウェッジを2つ上抜けして、さらに上昇  米ドル/円は、急上昇して、103円台後半の高値をつけるが、その高値(103.85円)から、93円台にまで急落した。

 93円台からは反転し、101円台に急上昇している。

 この乱高下で、「緑の破線」で示したように、「三角保ち合い(ウェッジ)」を作った。そして、この「三角保ち合い(ウェッジ)」「緑の破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

米ドル/円 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 このウェッジ「緑の破線」を上に抜けたことで発せられた「買いシグナル」に従い、米ドル/円は、大きく上昇した。

 103円台後半の高値を更新した時点で、さらに「買いシグナル」を発した、と考える。 

 この「買いシグナル」に従い、この時点で、高値は105円台ミドルをつけている。 

 しかし、105円台の高値をつけてから、調整局面に入り、米ドル/円は、100円台後半まで下落した。ただし、100円台後半は、底堅く推移した。

 いったん、100円台にまで下落した後の米ドル/円は、102円台ミドル程度を中心レートにした「保ち合い」に推移している。

 結果的に、米ドル/円は、「ピンクの破線」で示した新たな「三角保ち合い(ウェッジ)」を形成した、と考える。

 この三角保ち合い(ウェッジ)「ピンクの破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

■2014年10月31日の日銀追加緩和で急騰 そして、従来の高値105円台ミドルを上に抜けた。高値を更新したことで、さらに「買いシグナル」を発した、と考える。

米ドル/円 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 この「買いシグナル」に従い、米ドル/円は上昇して、110円台に乗せた。

 いったん110円台に乗せた後で、米ドル/円は105円台に急落している。110円台から105円台への急落は、「調整の下落」だった、と考える。

 105円台からは反転して上昇気味だったが、昨年(2014年)の10月31日(金)に、「日銀の追加緩和策」が発表されると、従来の高値110円台前半を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。 

 この「買いシグナル」に従い大きく上昇して、この時点では121円台後半の高値をつけている(この時の高値は、121.80-85円水準)。

 121円台後半の高値を付けてからの米ドル/円は、「紫の破線」で示したように、新たな三角持合い(ウェッジ)を形成した、と考える。

 そして、5月下旬に、高値(122.00円近辺)を明確に更新した時点で、「買いシグナル」を発したと考える。

 この高値圏での三角持合い(ウェッジ)「紫の破線」は、「ボックス相場」と考えることもできる。

 ボックス相場と考えるならば、「下限115.50円近辺-上限122.00円近辺」になる。 

米ドル/円 週足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)

 2015年3月の高値は、122.00円近辺なので、前回(2014年12月)の高値「121.80-85円水準」を上に抜けたのだが、高値を更新しても急騰しなかったので、この時点では三角保ち合い「紫の破線」の上限(122.00円近辺)が持続されている、つまり、「買いシグナル」ではない、と考えた。

 この時点(2015年3月の時点)では、122.20-25円水準を上に抜ける場合が「買いシグナル」になるのだろう、と考えていた。

 5月下旬に、122.00円を明確に上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

 この「買いシグナル」に従い、125円台をつけている。

 125円台をつけて最高値を更新した後の米ドル/円は、下落に転じている。

 122.00円近辺が上昇の過程でチャート・ポイント(レジスタンス)だったので、122.00円近辺がチャート・ポイント(サポート)になるのか注意深く見ていたが、122.00円を割り込み、120円台ミドルにまで急落した。

 ただし、今のところは、三角持合い(ウェッジ)「紫の破線」のサポート・ラインに支えられている状態だ。

 このサポート・ライン「紫の破線」を割り込む場合は、「売りシグナル」なので、要注意だ。

 直近の値動きでは、120円台ミドルを底値に、大きく反発上昇した。

 結果的に、サポート・ライン「紫の破線」をキープ(保持)した格好だ。

 下の週足チャートでは、直近の三角持合い…
TPPが合意に至らなかったニュージーランド FX

TPPが合意に至らなかったニュージーランド

”” ニュージーランドは農業が大変大きな産業で、特に酪農には力を入れており、なんとしてでも乳製品の低関税枠を取り、日本やアメリカへ輸出することにこだわっています。一方で、日本やアメリカなどは、ニュージーランドは人口も400万人あまりと少ないため、市場としてさほど重要視していません。ニュージーランド側…
ブラックマンデー再来に注意! 米利上げが 世界的金融恐慌を起こしてもおかしくない! ブログ

ブラックマンデー再来に注意! 米利上げが 世界的金融恐慌を起こしてもおかしくない!

■米利上げとともに世界的金融恐慌が起こってもおかしくない 今週、7月29日(水)にFOMCを通過。2015年年内利上げは強調されていたものの、利上げの時期に関する示唆はなかった。しかし、示唆がなかったからこそ、早期利上げ(9月)の可能性を排除できず、マーケットは引き続き米ドル全体の強気を維持しているとみる。

 2015年年内利上げ確実なら、遅くても12月には利上げを開始するわけだから、10年近いタイムラグを経て、米国はやっと利上げ周期に入る。

米国政策金利の推移 

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国政策金利の推移)

 それに追随するのが英国だけ(確実ではないが)で、世界経済は不安定な時期に入っていくだろう。

 基軸通貨の米ドルは、長らくゼロ金利(実質)の水準にあり、また、たび重なる量的緩和で世界中に過大な流動性を供給してきた。

 米利上げが開始すれば、その逆流が始まることを意味するから、発展途上国を始めとして、世界経済に多大な影響を与えるだろう。場合によっては、世界的金融恐慌を引き起こしてもおかしくないかと思う。

 株式史上もっとも記憶に残るあのブラックマンデー(1987年)は、直前に西ドイツが抜け駆け利上げをしたことによって引き起こされたと言われており、歴史は繰り返すものなら、今回も十分気をつけないといけない。実際、その兆しがあちこちに見られてきた。

 もっとも注目されているのは中国の動向だろう。

 中国経済減速が鮮明になっている中、中国株の暴落や不安定さから市場心理は冷え込み、商品相場の総崩れを引き起こした。商品相場の落ち込みは、資源国や多くの発展途上国を直撃し、一段と景気が悪化する様子がうかがえた。

上海総合指数 日足(出所:CQG)

NY原油 日足(出所:米国FXCM)

■多くの発展途上国は景気後退+利上げでさらなる衰退へ 世界トップ規模の外貨準備高を誇る中国と違って、多くの発展途上国は自力でコントロールできる状況にないのでは…と疑問視され、そういった疑心暗鬼がマーケットのパニックにつながり、混乱に拍車をかける構造が鮮明になっている。

 最近のブラジルの様子はその代表格であろう。ブラジル中央銀行は利上げ休止を暗示、ブラジルレアルは12年ぶりの安値をつけている。 

米ドル/ブラジルレアル 月足(クリックで拡大) 多くの発展途上国はブラジルと同様、激しいインフレを退治せざるを得ないから、景気後退に直面しているにもかかわらず、利上げせざるを得ないという悪循環に陥る。

ブラジル政策金利の推移 米利上げ観測による外資流出と、中国景気後退による商品相場下落の二重圧力を受け、ブラジルはマイナス成長に陥り、つい数年前の7.5%の成長とは雲泥の差になっているから、利上げはさらなる衰退を招くに違いない。

 そのほか、トルコ、メキシコ、インドネシア、チリ、南アフリカ、マレーシアなどの国々は似た構造にあり、これから通貨の大幅下落局面にさらされるだろう。

 こういった不安定な時期には、いわゆる高金利を狙うキャリートレードがかなり危険なゲームだと言わざるを得ない。利上げするからと言って発展途上の資源国通貨に投資するのはアホの極みであり、注意を喚起しておきたい。

■同じ資源国でも、状況をコントロールできる国は? 同じ資源国でも、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどは利下げで対応できるから、状況をコントロールできると思う。

 が、それにしても中国景気の一段の悪化があれば、さらなる打撃は避けられないので、中国経済依存度の大きいオーストラリアの景気後退も想定しておきたい。

 もっとも、日米をはじめ、先進国の多くは量的緩和を受けて「株バブル」を形成してきた。そして、その長い「株バブル」の期間中、まだ1回も本格的な調整を経験していないから、米利上げを機に1回やられてもおかしくないだろう。

 日本の量的緩和策はこれから続くとしても、米国市場の動向や世界景気のスランプの影響を受けるから、これにつられる形で大きく調整する局面を覚悟したほうが無難だ。

 となると、リスク回避先として、円が役割を…
まだ資源国通貨を買いと言えないワケは? 確実なのは米ドル/円の押し目買い戦略か ブログ

まだ資源国通貨を買いと言えないワケは? 確実なのは米ドル/円の押し目買い戦略か

■目立った変化はなかった米FOMC 7月28日(火)、29日(水)に米国でFOMC(米連邦公開市場委員会)の会議が開催されました。

 今回は、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見はないFOMCだったので、それほど重要な決定がされることはないというのがコンセンサスとなっていましたが、それでも声明文の表現がどう変化しているかに市場関係者は注意を払っていました。

 結論を言うと、目立った変化はありませんでした。

 また、利上げをいつ開始するかを示唆するような表現も見受けられませんでした。

■個人的には2015年9月のFOMCで利上げすると考える 経済の動向に関しては、「この数カ月で穏やかに拡大した」と指摘しています。

 また、雇用環境に関しては、「労働市場は改善が続いた。雇用の伸びは堅調で、失業率は低下している」との見方を示しています。そして、「労働市場がさらにいくらか改善し、物価が上昇するという合理的な確信が得られれば、利上げに動く」方針を示しています。

 若干変わった点を挙げるとすれば、労働市場の「さらなる改善」ではなく「さらにいくらかの改善」という表現に変えています。この表現が、前回より若干ではありますが、利上げに近づいたと市場は解釈したようです。

 私、個人的には、次回の2015年9月に、FOMCは利上げをすると考えていますが、市場の予想は、まだ五分五分のようです。

■米ドル高トレンドに向かうと考えるのは、早計だろう 声明が出た後は、若干、乱高下しましたが、動きもすぐに落ち着いてジリジリと株高・米ドル高に向かっています。

米国株(US30) 1時間足(出所:米国FXCM)

米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)

 しかし、これでまた米ドル高トレンドに向かっていくと考えるのは早計だと思っています。

 米ドル/円では、黒田ラインの124.63円を抜けて、再び125円台に向かっていくには、もう少し力強い材料が必要になってくるのではないでしょうか。

【参考記事】

●ドル/円は黒田ライン124.63円を越えられず。NZドルは利下げでなぜ、上昇したのか?(7月23日、今井雅人)

 ここのところの日本の機関投資家などの動きを…
商品価格の低迷が資源国通貨に痛手! 原油下落で、ユーロ安になる理由とは? ブログ

商品価格の低迷が資源国通貨に痛手! 原油下落で、ユーロ安になる理由とは?

■商品価格低迷で資源国通貨が下落 みなさん、こんにちは。

 上海株式市場は、中国政府の介在によって、不安定ながらもなんとかサポートされていますが、中国経済の減速が大きな影響を与えているのが商品市場。

【参考記事】

●第2のリーマンショックの引き金を引くのか? 上海株急落も中国政府はもう打つ手なし!?(7月28日、西原宏一&松崎美子)

 原油、鉄鉱石、ミルクプライス(乳製品に対する支払い価格)と軒並み低調。

NY原油先物 日足(出所:米国FXCM)

 原油は加ドル、鉄鉱石は豪ドル、ミルクプライスはNZドルといったように、こうした商品価格の低迷は、資源国通貨にダイレクトに影響を与えます。

【参考記事】

●NZドルは1200pips急落! NZ中銀がさらに利下げする公算が濃厚な理由とは?(7月23日、西原宏一)

 原油の反落により、BOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])は7月15日(水)に今年(2015年)2度目の利下げを決断。呼応して加ドル/円は95円台へと反落。

加ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:加ドル/円 4時間足)

 鉄鉱石価格の急落により、豪ドルも軟化。

 RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])は政策金利をすでに2.00%まで下げており、追加利下げは予測されていないことから、豪ドル/円は急落こそしていませんが、90円台という低水準で推移。

豪ドル/円 日足(出所:米国FXCM)

 そして、ミルクプライスの急落により、RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])が、なりふり構わず追加利下げをしているNZドルも急落。

 RBNZはさらに追加利下げをする公算も濃厚です。

【参考記事】

●NZドルは1200pips急落! NZ中銀がさらに利下げする公算が濃厚な理由とは?(7月23日、西原宏一)

 NZドル/円は、一時、80円台ミドルまで急落しています。

NZドル/円 日足(出所:米国FXCM)

 上海株が不安定ながらも政府の介在によってサポートされていることから、前述の資源国通貨もサポートされていますが、中国は株よりも実体経済の低迷が顕著になっており、需要が停滞している商品市況は低迷。

 よって、調整はあるものの、資源国通貨の上値は限定的となる公算が濃厚。

 低迷する原油価格はユーロの動向にも影響を与えます…
ギリシャ問題は一段落してもユーロの 潜在的な悪材料、「売り」のポイントは… ブログ

ギリシャ問題は一段落してもユーロの 潜在的な悪材料、「売り」のポイントは…

■週足チャートでユーロ/米ドルの値動きを確認 今回は、ユーロ/米ドルの分析を行なう。まずは、週足チャートからご覧いただきたい。

 週足チャートに、長期のレジスタンス・ライン「赤の破線(太線)」を表示している。 

ユーロ/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM )

 昨年のゴールデン・ウィーク明け(2014年5月8日)のユーロ/米ドルは、

1.4000ドル近辺(高値は1.3990-95ドルレベル)まで急上昇した。

 昨年のゴールデン・ウィーク明け(2014年5月8日)の時点では、ユーロ/米ドルが、1.40ドル台に明確に乗せる場合、つまり、1.4050ドル近辺を上に抜ける場合が「買いシグナル」と考えた。

 1.4000ドル、1.4050ドルには、大量の為替オプション取引が組まれていたのだろう、と推測した。

 つまり、1.4000ドル、1.4050ドルのオプションが、バリア(抑制)になっていた、と推測した。

 振り返ると、サポート・ライン「ピンクの破線(太線)」を割り込んで以降は、レジスタンス・ライン「緑の破線(太線)」に従って下落した、と考える。なお、「緑の破線(細線)」は「緑の破線(太線)」の平行線だ。

 そして、週足チャートを見てわかるように、ユーロ/米ドルはリバウンド(上昇)して、レジスタンス・ライン「緑の破線(太線)」を上に抜けている。  

ユーロ/米ドル 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM )

 レジスタンス・ライン「緑の破線(太線)」を上に抜けたので、その時点で、「買いシグナル」を発した。

 週足チャートで見る限りでは、この「買いシグナル」を発した時点で、ユーロ/米ドルが、もう一段上昇する可能性が示唆されていた。

 1.20ドル台からの上昇で、サポート・ライン「紫の破線(太線)」を表示した。なお、サポート・ライン「紫の破線(細線)」は、サポート・ライン「紫の破線(太線)」の平行線を表示している。

 中長期のチャート(週足チャート)で見ると、ユーロ/米ドルは、レジスタンス・ライン「赤の破線(太線)」とサポート・ライン「紫の破線(太線)」で、「三角保ち合い(ウェッジ)」を形成していたと考える。 

ユーロ/米ドル 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM )

 そして、週足チャートを見てのとおりに、ユーロ/米ドルは、サポート・ライン「紫の破線(太線)」を割り込み、「三角保ち合い(ウェッジ)」を下に抜けて、「売りシグナル」を発した、と考える。

■1.1500ドルを明確に上抜ければ「買いシグナル」だが… 従来の安値1.18ドル台ミドル程度に、「赤の破線」で水平線を表示した。従来の安値を更新した時点で、「売りシグナル」を発した、と考える。

 一番右のレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」と、その平行線「青の破線(細線)」を表示した。

 このレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」は、その傾きを、直近の高値に合わせている。

 1.1500ドルを、明確に上に抜ける場合は、このレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」の傾きを変化させずに、「買いシグナル」と判断するべき、と考える。

 1.1500ドルを明確に上に抜けない場合は、このレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」の傾きを緩やかに変化させて、修正する必要がある、と考える。なお、このケースだと「買いシグナル」が点灯しない。

■日足では典型的な700ポイントのボックス相場を形成 続いて、日足チャートをご覧いただきたい。ユーロ/米ドルは、「ピンクの破線」で表示したボックス相場を形成していた、と考える。 

ユーロ/米ドル 日足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM )

 ボックス相場「ピンクの破線」の上限は1.4000ドル、下限は1.3300ドルと考える。

 ユーロ/米ドルは700ポイントでボックス相場を形成することが多いのだが、この時もその典型的なパターン(700ポイントのボックス相場)を作った、と考える。

 そして、ボックス相場「ピンクの破線」の下限である1.3300ドルを割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。

 この「売りシグナル」を発して、すぐに「窓(Gap)」を空けて急落している(この「窓」も「売りシグナル」だ)。

 1.3300ドルを割り込んで発せられた「売りシグナル」のターゲットは…
ドル/円を「黒田レジスタンスライン」で売ると 投機筋のカモに!? 130円の大台トライは? ブログ

ドル/円を「黒田レジスタンスライン」で売ると 投機筋のカモに!? 130円の大台トライは?

■米ドル高・ユーロ安トレンド、まもなく加速? 米ドル高基調が一段と強まっている。ドルインデックスは、5月高値のブレイクをもって上昇波に復帰したサインが鮮明となり、今週(7月20日~)に入ってからの反落は、上昇波におけるスピード調整とみるのがいいだろう。

ドルインデックス 日足(出所:米国FXCM)

 この視点では、ユーロ/米ドルも早晩下落波を加速し、1.08ドルの節目割れをもって一段とベア(下落)トレンドを加速する公算が高く、近々1.05ドル~1.06ドルといった下値ターゲットゾーンを狙うだろう。 

ユーロ/米ドル 日足(出所:米国FXCM)

 前回のコラムでも指摘したように、この場合、ユーロ/円もつれ安になる可能性が大きく、目先のユーロ/円のリバウンドを過大評価すべきではなかろう。

【参考記事】

●リスクオンなら米ドル買い? 米ドル売り?三尊型形成中のユーロ/円下落に要注意!(2015年7月17日、陳満咲杜) 

ユーロ/円 日足 (出所:米国FXCM)

■米ドル/円のごく短期の天井は「黒田レジスタンスライン」 もっとも、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)としてのユーロ/円は、ユーロのみならず米ドル/円の動向とリンクしているから、米ドル/円の「天井」が気になる。

 ごく短期の「天井」と言えば、下記のチャートが示している「黒田レジスタンスライン」に、市場関係者は神経をとがらせている。 

米ドル/円 日足(クリックで拡大) (出所:米国FXCM)

 7月21日(火)に、黒田日銀総裁は国内のインフレ率について、向こう数カ月で相当加速するとの見通しを示した。これを受け、米ドル/円は124.47円から反落してきた。

 黒田さんがどんな根拠で、これからインフレ率が相当加速すると判断しているかは我々の関心事ではないが、インフレ率が相当加速するなら、追加緩和不要といった連鎖的な思惑が当然くすぶる。米ドル/円の頭打ちも当然のなりゆきだと思われる。

 124.47円と言えば、ちょうどレジスタンスゾーンの密集区域にあたる。

 6月17日(水)、24日(水)高値のほか、もっとも気になるのは6月10日(水)高値に近いことだ。何しろこの日は、黒田さんが円安牽制と思われる発言をし、いわゆる「黒田ショック」をもたらした日だからだ(6月12日のコラム参照)。

【参考記事】

●黒田総裁発言はピーターパンが「疲れた、飛び過ぎた」と言っているようなものだ!(2015年6月12日、陳満咲杜)

 同日の高値が124.61円だったことから考えると、市場関係者は当然疑う。要するに、125円に近づいてくると、黒田さんが意図的に発言してくるのでは?となり、やはり、125円手前が「黒田レジスタンスライン」となるか?と、疑心暗鬼に陥る。

 黒田さんの真意がどこにあるかは測れないところだが…