
この記事の要点
- メタプラネットが予約権を再変更、潜在株式を41%削減
- CEO「約340億円超の予約権価値が消失」と説明
予約権を410株に再変更、希薄化を大幅圧縮
東証スタンダード上場のビットコイントレジャリー企業メタプラネットは2026年9月11日、第10回新株予約権の発行要項を再変更し、1個当たりの対象株式数を696株から410株へ引き下げることを取締役会で決議しました。
これにより、同新株予約権の潜在株式数は3億1,946万4,000株から1億8,819万株へ41.1%減少し、既に行使された分を除く残存潜在株式数も2億3,664万株から1億536万6,000株へ55.5%縮小します。
同社は同時に、8月18日付開示で示していた最大9万個の新株予約権を長期役職員インセンティブ・ビークルへ移管する方針についても、全面的に撤回すると明らかにしました。
サイモン・ゲロヴィッチ代表執行役CEOも同日、株主向け書簡を公表し、今回の見直しによって2億2,000万米ドル(約340億円)を超える新株予約権の価値が消失すると説明しました。
CEO「説明不十分だった」
基準日を約10か月前倒し、行使条件も厳格化
株主・市場の意見踏まえ調達効果を再分析
メタプラネットは8月18日の変更で、2026年6月30日時点の発行済普通株式数を基準に、第10回新株予約権の潜在株式数を3億1,946万4,000株(1個当たり696株)へ固定していました。
その後、株主や資本市場関係者から寄せられた意見を踏まえ、同社は過去に実施した各エクイティ・ファイナンスについて、実行時のmNAV(企業価値の純資産価値に対する比率)やBTCイールドへの寄与を改めて検証したと説明しています。
同社によると、2025年半ばまでの資金調達はmNAVが数倍の水準で実施され、完全希薄化後1株当たりビットコイン(BTC)の増加に大きく貢献した一方、2025年9月の海外募集とその後の第三者割当による寄与は、それ以前と比べて小さかったとしています。
取締役会はこうした検証を踏まえ、高いmNAVのもとで大きな株主価値が創出されていた2025年8月末までを対象とすることが、新株予約権の当初の目的に最も整合するとの判断を示しました。
この判断に基づき、算定基準日は2026年6月30日から2025年9月1日へ変更され、1個当たりの対象株式数は行使後ベースの希薄化率20%に相当する約410.86株を下回る410株となっています。
未確定予約権に新たな行使制限を設定
対象株式数の削減とあわせて、同社は権利が確定していない新株予約権に新たな行使制限を設けました。
2026年2月8日に権利が確定した分は従来どおり行使可能とする一方、未確定分は3分の1ずつに分け、2029年8月18日、2030年8月18日、2031年8月18日から順次行使できるように変更しています。
行使によって取得した株式については、過去の行使分を含めて2031年8月17日までのロックアップが引き続き適用され、1株当たり10円の行使価額も据え置かれました。
なお、1個当たりの対象株式数を410株へ減らす変更は、権利確定済みか未確定かを問わず、すべての第10回新株予約権に適用されます。
行使済み8,282万株の超過分を順次控除
9月11日の開示時点では、2名の保有者が合計11万9,000個の新株予約権を行使し、変更前の1個当たり696株に基づいて計8,282万4,000株の交付を受けています。
この株数は、410株を基準に算出した場合より3,403万4,000株(11万9,000個×286株)多く、同社は超過分を今後の行使で取得できる株式数から控除する方針を示しています。
既に交付した株式の返還や消却は行わず、まず権利確定済み部分から控除し、残る超過分については権利未確定部分から順次差し引くとしています。
第10回新株予約権の保有者は、取締役1名、執行役2名、従業員2名の計5名となっています。
| 保有者 | 保有個数 | 再変更後の目的株式数 | 行使済株式数 | 今後行使可能な株式数 |
|---|---|---|---|---|
| 取締役1名 | 276,000 | 113,160,000 | 64,032,000 | 49,128,000 |
| 執行役2名 | 141,000 | 57,810,000 | 18,792,000 | 39,018,000 |
| 従業員2名 | 42,000 | 17,220,000 | 0 | 17,220,000 |
| 合計 | 459,000 | 188,190,000 | 82,824,000 | 105,366,000 |
残存する新株予約権がすべて行使された場合、同社への払込総額は約10.5億円(1億536万6,000株×10円)となります。
CEO「当初は事業存続のための制度だった」
ゲロヴィッチCEOは株主向け書簡で、第10回新株予約権について、経営環境が厳しかった2023年に事業存続に必要な人材を引き留める目的で導入されたと振り返りました。
同CEOは「当初の制度は、会社の規模がはるかに小さく、その将来も今以上に不確実であった時期を前提として設計されたもの」と述べています。
そのうえで、会社の成長によって制度導入時とは前提が変化しているとして、ガバナンスや報酬制度も見直していく必要があるとの認識を示しています。
今回の再変更では、ゲロヴィッチCEOが第10回新株予約権の保有者であることから取締役会の審議と決議には参加せず、決議に先立ってすべての新株予約権者から同意を得たことも同社は明らかにしました。
メタプラネット株主の皆様へ…
— Simon Gerovich (@gerovich) September 11, 2026
メタプラ、壮大なBTC投資戦略
ビットコイン戦略の国際展開を本格化
メタプラネットは事業面でも、ナスダック上場企業Super League Enterpriseの支配持分取得を8月に発表しており、ビットコイン・トレジャリー事業の国際展開も進んでいます。
こうした事業拡大と並行して、今後のグローバル人材の登用に向けて、世界有数の報酬コンサルタントなど外部専門家と協議しながら、新たな株式報酬制度を検討する方針も示しました。
今回の再変更を反映した完全希薄化後1株当たりビットコインも改善し、2026年第3四半期累計のBTCイールドは9月11日時点で8.8%となっており、同社は四半期末までは確定値ではないと説明しています。
制度の内容については取締役会で改めて検討・決定し、詳細が確定した場合には速やかに開示するとしています。
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Source:メタプラネット適時開示 / ゲロヴィッチCEO X投稿
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用
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