
この記事の要点
- 韓国政府がウォン建てステーブルコイン法制化を含む国際化ロードマップを発表
- CBDC実証・域外決済網構築も盛り込み、デジタル金融と外為制度を一体改革へ
韓国政府、ウォン建てステーブルコイン法制化へ
2026年7月19日、韓国政府がウォンの国際利用拡大を目指す「ウォン国際化ロードマップ」を発表したことが明らかになりました。
地元メディア「Etnews(電子新聞)」の報道によると、ロードマップは財政経済部(MOFE)が金融委員会や韓国銀行などの関係機関と共同で策定したもので、ウォンを海外でも時間や場所の制約なく取引・決済できる通貨へ転換する方針を打ち出しています。
この方針の一環として、デジタル資産基本法の制定に合わせてウォン建てステーブルコインの発行・流通に関する法的根拠を整備し、国境を越えた資金移動を円滑にする制度も整えると伝えられています。
ロードマップには、韓国銀行の機関用CBDC(中央銀行デジタル通貨)と連携した国債トークン化の実証や域外ウォン決済網の構築も盛り込まれており、デジタル金融と外為制度を一体で見直す改革が進められる見通しです。
公共決済のステーブルコイン実証
ステーブルコイン・外為・CBDCを同時に改革
発行主体の在り方めぐり議論が続く
韓国では現在、ウォン建てステーブルコインの法制化を含む複数の関連法案が国会で審議されており、最終的にデジタル資産基本法として一本化される可能性が高いと指摘されています。
最大の論点となっているのは発行主体の在り方で、通貨政策や金融安定を重視して銀行に限定すべきだとする意見と、競争やイノベーションを促すため非銀行事業者にも認めるべきだとする意見が対立しています。
こうした議論を踏まえ、韓国銀行は銀行が発行と価値の安定性を担い、フィンテック企業が流通を担うコンソーシアム(共同事業体)型のモデルを提案したことも同論稿で紹介されています。
韓国銀行はデジタル資産基本法についても、仮想通貨(暗号資産)の急変動時に取引を一時停止する安全装置を盛り込むよう立法府に求めてきました。
機関用CBDCで国債トークン化の実証へ
報道によれば、法整備と並行して、韓国では機関用CBDCと連携した国債トークン化の実証事業も進められています。
こうした取り組みは国内制度の整備にとどまらず、BIS(国際決済銀行)が主導する国際決済プロジェクト「Project Agora(アゴラ)」への参加を通じて、デジタル国際決済市場での競争力強化も目指す方針です。
同プロジェクトには韓国銀行を含む7つの中央銀行と民間金融機関40社以上が参加しており、トークン化した中央銀行マネーを使った国際決済の検証が進められています。
海外口座でウォン預金・送金が可能に
さらに政府は、ウォンの国際利用を拡大するため、7月6日に始まった外為市場の24時間運営を基盤として、韓国銀行内に「域外ウォン決済網(仮称)」を構築する計画も示しました。
海外の金融機関が「域外ウォン決済機関」として登録すれば、外国人は韓国国内に口座を開設しなくても、海外のウォン口座を通じて預金や送金、決済を利用できるようになるとされています。
あわせて、外国人向けウォン貸出や資本取引の届出基準額も2倍以上へ引き上げるほか、将来的には事前届出中心の外為管理制度を事後報告型へ移行する構想も打ち出しました。
また、MSCI先進国指数(米MSCI社が算出する先進国株指数)への編入に向けた制度改善や、ウォン決済企業への政策金融・貿易保険の支援拡充もロードマップに盛り込まれています。
「仮想通貨課税廃止」請願
アジアのステーブルコイン法整備が本格化
韓国でウォン建てステーブルコインの制度整備が進むなか、香港でもステーブルコイン制度の運用が始まっています。
香港ではHKMA(香港金融管理局)が2026年4月10日、ステーブルコイン発行者ライセンスを初めて2社に付与しました。
このうちStandard Chartered(スタンダードチャータード)銀行系の合弁会社Anchorpoint(アンカーポイント)は、香港ドル建てステーブルコイン「HKDAP」を段階的に発行する計画を示しています。
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Source:地元メディア「Etnews」報道
サムネイル:AIによる生成画像






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