今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」
コロナバブルが当面、弾けない理由とは? ドル/円・クロス円は反動狙ってエントリー
■とどまるところを知らない株価上昇 前回のコラムで、経済は復活せずとも、上がり続ける株式市場の話をしました。
正直、先週(5月25日~)の段階で、そうした流れもそろそろ、いったん息切れするのではないかと考えていましたが、勢いはまだまだ、とどまるところを知らず、昨日(6月3日)、今日(6月4日)の段階でも、まだ上がり続けています。
ここまで力が持続するというのは、予想外でした。
【参考記事】
●日経平均の上昇は、そろそろ9合目! 「株高・円安」の相関は戻りつつあるか(...
正直、先週(5月25日~)の段階で、そうした流れもそろそろ、いったん息切れするのではないかと考えていましたが、勢いはまだまだ、とどまるところを知らず、昨日(6月3日)、今日(6月4日)の段階でも、まだ上がり続けています。
ここまで力が持続するというのは、予想外でした。
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日経平均の上昇は、そろそろ9合目! 「株高・円安」の相関は戻りつつあるか
■株価は相変わらず堅調に推移 株式市場は、相変わらず調子が良いです。こちらは、ほぼ予想どおりの展開となってきているので、私自身も株式の取引の方は順調です。
NYダウ 日足(出所:Trading View)
そこで改めて、自分が持っていた基本的な考えについて、話をしてみようと思います。
■大崩れした相場が回復していくと考えた理由は? 新型コロナウイルスが中国で広がっているときは、正直、私も対岸の火事のような感覚で、少しぼーっとしていました。しかし、これが他の国で広がった...
NYダウ 日足(出所:Trading View)
そこで改めて、自分が持っていた基本的な考えについて、話をしてみようと思います。
■大崩れした相場が回復していくと考えた理由は? 新型コロナウイルスが中国で広がっているときは、正直、私も対岸の火事のような感覚で、少しぼーっとしていました。しかし、これが他の国で広がった...
リスクオンからの円安、そろそろ息切れ…。 反動を期待した円買いが、おもしろそう!
■ネガティブ要素多いが、株式市場は堅調 ここ1週間ほどの金融市場の動きを見てみると、特に、株式市場の堅調さが目につきます。
NYダウを中心に、しっかりした動きを続けており、日経平均も、足元では2万円をしっかり超えてきています。
NYダウ 日足(出所:Trading View)
日経平均 日足(出所:Trading View)
この1週間で出てきた、日本経済関連の主だったニュースを取り上げてみると、倒産件数が急増してきており、それに加えて、老舗アパレル企業・レナウンなどの大型倒産も出始めています。
そして、今や日経平均の構成銘柄の中で重要な位置付けとなっているソフトバンクグループが、巨額の損失を計上。
【参考記事】
●ソフトバンクGによる円買いはインパクトあり。ハードブレグジット現実化? ポンドに下落リスク!(5月20日、志摩力男)
また、日本の1~3月期のGDP(国内総生産)は、年率換算で3%以上のマイナス。さらには、4~6月期の日本のGDPは、年率で20%以上のマイナスになるという予想です。
日本のGDPの推移(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国GDP成長率の推移)
こうしたネガティブな情報ばかり目立ちますが、株式市場はびくともしません。
■市場の楽観ムードが下支えに それは、どうしてでしょうか?
前回も話をしたとおり、金融システムが、現状、しっかりと機能しているからです。今後も、それが続くという確証はないものの、現状では、各金融機関の財務体質は、決して悪くはありません。
【参考記事】
●状況次第で米国でもマイナス金利導入か。ドル/円レンジは106~108円。逆張り継続!(5月14日、今井雅人)
そういう中でも、日銀は積極的に市場に資金を供給しており、政府も(決して十分とは言えないものの)財政出動をしています。
今井氏は各金融機関の財務体質が決して悪くなく、日銀が積極的に市場に資金を供給していることなどが、ネガティブな情報ばかり目立つなかで株式市場が堅調に推移している理由だと指摘。写真は日銀の黒田東彦総裁 (C)Bloomberg/Getty Images
さらに、各国が経済活動を再開させてきていること、新型コロナウイルスの感染拡大が、とりあえずピークを越えたように見えること、そして、予想以上のスピードでワクチンの開発が進む可能性が出てきたことなどが、市場に楽観ムードを広げる原因となっています。
為替相場では、久しぶりにリスクオンからの円安という動きが…
NYダウを中心に、しっかりした動きを続けており、日経平均も、足元では2万円をしっかり超えてきています。
NYダウ 日足(出所:Trading View)
日経平均 日足(出所:Trading View)
この1週間で出てきた、日本経済関連の主だったニュースを取り上げてみると、倒産件数が急増してきており、それに加えて、老舗アパレル企業・レナウンなどの大型倒産も出始めています。
そして、今や日経平均の構成銘柄の中で重要な位置付けとなっているソフトバンクグループが、巨額の損失を計上。
【参考記事】
●ソフトバンクGによる円買いはインパクトあり。ハードブレグジット現実化? ポンドに下落リスク!(5月20日、志摩力男)
また、日本の1~3月期のGDP(国内総生産)は、年率換算で3%以上のマイナス。さらには、4~6月期の日本のGDPは、年率で20%以上のマイナスになるという予想です。
日本のGDPの推移(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国GDP成長率の推移)
こうしたネガティブな情報ばかり目立ちますが、株式市場はびくともしません。
■市場の楽観ムードが下支えに それは、どうしてでしょうか?
前回も話をしたとおり、金融システムが、現状、しっかりと機能しているからです。今後も、それが続くという確証はないものの、現状では、各金融機関の財務体質は、決して悪くはありません。
【参考記事】
●状況次第で米国でもマイナス金利導入か。ドル/円レンジは106~108円。逆張り継続!(5月14日、今井雅人)
そういう中でも、日銀は積極的に市場に資金を供給しており、政府も(決して十分とは言えないものの)財政出動をしています。
今井氏は各金融機関の財務体質が決して悪くなく、日銀が積極的に市場に資金を供給していることなどが、ネガティブな情報ばかり目立つなかで株式市場が堅調に推移している理由だと指摘。写真は日銀の黒田東彦総裁 (C)Bloomberg/Getty Images
さらに、各国が経済活動を再開させてきていること、新型コロナウイルスの感染拡大が、とりあえずピークを越えたように見えること、そして、予想以上のスピードでワクチンの開発が進む可能性が出てきたことなどが、市場に楽観ムードを広げる原因となっています。
為替相場では、久しぶりにリスクオンからの円安という動きが…
状況次第で米国でもマイナス金利導入か。 ドル/円レンジは106~108円。逆張り継続!
■39県で緊急事態宣言が解除されるが… 本日、5月14日(木)に、日本でも39の県で緊急事態宣言が解除されます。この決定を受けて、日本中で経済活動が、徐々に再開していくことになります。
しかし、事はそれほど単純ではありません。
まず、コロナウイルスは、終息したわけではありません。まだまだ世界中に、ウイルスは蔓延しているわけです。日本でも気を抜けば、またすぐに感染が広がります。
新型コロナウイルス感染者数(上段)と死者数(下段)の推移(全世界・累計)(出所:世界保健機関)
それはすでに、韓国やドイツの例を見れば明らかです。米国でも、そうした傾向が見て取れます。
また、1つの都道府県内の移動は、ある程度、自由になったとしても、その他の地域との移動は、抑制的にせざるを得ません。そういう中で、コロナウイルスと共存しながらの経済運営をしていかなければいけないということです。まずは、その認識を共有したいと思います。
■米経済の下振れ懸念で米国株は大幅安 さて、昨日(5月13日)、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、米国経済には、とても懸念されるダウンサイドリスクがあるという趣旨の話をしました。
5月13日の講演で、米国経済に深刻なダウンサイドリスクがあるとの認識を示したパウエルFRB議長 (C)Bloomberg/Getty Images News
そのことにより、株式市場が一時、大きく下落することとなりました。
NYダウ 1時間足(出所:Trading View)
まあ、しかし、それは当たり前のことで、経済が再開されたからといって100%戻るということはあり得ません。だましだましの再開になるのは見えています。経済にとって厳しいのは、当たり前です。
■金融システムを壊さないことが大事 ここから大事なことは、まず、金融システムを壊さないこと。これに尽きます。
リーマン・ショックは、金融システムを崩壊させてしまったことで、実体経済に甚大な悪影響が出て、その影響が長期化しました。
【参考記事】
●長期目線で株は二度とない絶好の買い場! でも、為替相場は短期のトレンド狙いで!(4月2日、今井雅人)
今回は幸いにして、ここまで、中央銀行などが積極的な資金供給を行ったりしたことで、金融システムはかろうじて維持されています。これを、とにかく壊さないこと。それができれば、相場は崩れません。この部分を、今後は注視していきたいと思います。
さて、今、トランプ大統領がFRBに対して…
しかし、事はそれほど単純ではありません。
まず、コロナウイルスは、終息したわけではありません。まだまだ世界中に、ウイルスは蔓延しているわけです。日本でも気を抜けば、またすぐに感染が広がります。
新型コロナウイルス感染者数(上段)と死者数(下段)の推移(全世界・累計)(出所:世界保健機関)
それはすでに、韓国やドイツの例を見れば明らかです。米国でも、そうした傾向が見て取れます。
また、1つの都道府県内の移動は、ある程度、自由になったとしても、その他の地域との移動は、抑制的にせざるを得ません。そういう中で、コロナウイルスと共存しながらの経済運営をしていかなければいけないということです。まずは、その認識を共有したいと思います。
■米経済の下振れ懸念で米国株は大幅安 さて、昨日(5月13日)、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、米国経済には、とても懸念されるダウンサイドリスクがあるという趣旨の話をしました。
5月13日の講演で、米国経済に深刻なダウンサイドリスクがあるとの認識を示したパウエルFRB議長 (C)Bloomberg/Getty Images News
そのことにより、株式市場が一時、大きく下落することとなりました。
NYダウ 1時間足(出所:Trading View)
まあ、しかし、それは当たり前のことで、経済が再開されたからといって100%戻るということはあり得ません。だましだましの再開になるのは見えています。経済にとって厳しいのは、当たり前です。
■金融システムを壊さないことが大事 ここから大事なことは、まず、金融システムを壊さないこと。これに尽きます。
リーマン・ショックは、金融システムを崩壊させてしまったことで、実体経済に甚大な悪影響が出て、その影響が長期化しました。
【参考記事】
●長期目線で株は二度とない絶好の買い場! でも、為替相場は短期のトレンド狙いで!(4月2日、今井雅人)
今回は幸いにして、ここまで、中央銀行などが積極的な資金供給を行ったりしたことで、金融システムはかろうじて維持されています。これを、とにかく壊さないこと。それができれば、相場は崩れません。この部分を、今後は注視していきたいと思います。
さて、今、トランプ大統領がFRBに対して…
新型コロナは第2ステージ入り。ドル/円の 105円台は買いだが、もぐらたたき戦法で!
■新型コロナウイルス、現在は第2ステージ ここのところ、金融市場は新型コロナウイルス次第という状況になっているので、まず、新型コロナウイルス関連の状況について、考えてみたいと思います。
世界的に蔓延した新型コロナウイルスですが、現在は、第2ステージに入っているように見えます。
最初に爆発的な広がりを見せた中国では、ほぼ完全と言っていいくらいの収まりを見せています。
中国では、私の知るところ、今月(5月)に入って、国内で新規に感染している人はいなくなりました。外国からの帰国者の中に、若干、感染者がいる程度です。
中国の新型コロナウイルス感染者(日別)(出所:世界保健機関)
こうした状況を受けて、中国では経済活動が再開し、5月15日(金)には、完全に規制が撤廃されます。正常に戻るということです。
また、隣国の韓国も同じ状態で、すでに中韓では、貿易の正常化が進んでいます。韓国人が大量に中国に入り込み、日本企業のビジネスを、かなり奪っているようです。
■欧米でも経済活動再開の動き。日本も正常化へ 感染拡大が中国よりも悪化してしまった欧米ですが、こちらも、すでに一部ではありますが、経済活動が再開され始めています。米国では、まだ感染は収まっていませんが、いったんピークアウトした可能性が高く、近いうちに、徐々に経済活動は再開されるでしょう。
日本も、今月(5月)末まで緊急事態宣言が延長されましたが、すでに規制を緩和し始めた県もあり、政府も5月14日(木)、21日(木)と、専門家会議を開いて、さらなる規制緩和を議論します。
日本国内も、今月(5月)から来月(6月)にかけて、正常化に向けた動きとなってくるでしょう。
【参考記事】
●日本は緊急事態を海外に合わせて解除!? 巨額の政府支出で危険な通貨は?(5月7日、志摩力男)
もちろん、インドのように、今まさに、感染拡大が深刻化している国もありますが、結局、時間差で各国に伝播しているということなので、先に感染が広がった国から経済活動を再開していくということになります。
【参考記事】
●ドル/円・ユーロ/円は予想以上の円高に。レパトリ本格化なら、かなりの円高圧力か(4月30日、今井雅人)
■今後は、上手く付き合いながらの安全運転で さて、そこで今後ですが、これには、100年ほど前に流行したスペイン風邪のケースが参考になります。
スペイン風邪は、1918年に爆発的な流行をしましたが、いったん、ある程度、収まりました。しかし、翌1919年になって、再び猛威を振るいました。つまり、ピークは2度あった、ということになります。
私の見立てでは、今回の新型コロナウイルスも、6月ぐらいでいったんの収まりを見せ、世の中も正常化に向かうと考えています。しかし、新型コロナウイルスは、消滅するわけではないですし、国によっては感染が収まらない状況が続くでしょう。
そうすると、どうしても経済活動は滞ります。コロナウイルスと、うまく付き合いながら、安全運転を余儀なくされるでしょう。
あとは、治療薬とワクチンが、いつ普及するかという問題と、スピード勝負になります。特に、ワクチンが早く開発されれば、収束に向かうでしょうし、そうでなければ、もう一度、感染拡大がやってくるかもしれません。
金融市場ですが、以上、説明したような状況を見ながら…
世界的に蔓延した新型コロナウイルスですが、現在は、第2ステージに入っているように見えます。
最初に爆発的な広がりを見せた中国では、ほぼ完全と言っていいくらいの収まりを見せています。
中国では、私の知るところ、今月(5月)に入って、国内で新規に感染している人はいなくなりました。外国からの帰国者の中に、若干、感染者がいる程度です。
中国の新型コロナウイルス感染者(日別)(出所:世界保健機関)
こうした状況を受けて、中国では経済活動が再開し、5月15日(金)には、完全に規制が撤廃されます。正常に戻るということです。
また、隣国の韓国も同じ状態で、すでに中韓では、貿易の正常化が進んでいます。韓国人が大量に中国に入り込み、日本企業のビジネスを、かなり奪っているようです。
■欧米でも経済活動再開の動き。日本も正常化へ 感染拡大が中国よりも悪化してしまった欧米ですが、こちらも、すでに一部ではありますが、経済活動が再開され始めています。米国では、まだ感染は収まっていませんが、いったんピークアウトした可能性が高く、近いうちに、徐々に経済活動は再開されるでしょう。
日本も、今月(5月)末まで緊急事態宣言が延長されましたが、すでに規制を緩和し始めた県もあり、政府も5月14日(木)、21日(木)と、専門家会議を開いて、さらなる規制緩和を議論します。
日本国内も、今月(5月)から来月(6月)にかけて、正常化に向けた動きとなってくるでしょう。
【参考記事】
●日本は緊急事態を海外に合わせて解除!? 巨額の政府支出で危険な通貨は?(5月7日、志摩力男)
もちろん、インドのように、今まさに、感染拡大が深刻化している国もありますが、結局、時間差で各国に伝播しているということなので、先に感染が広がった国から経済活動を再開していくということになります。
【参考記事】
●ドル/円・ユーロ/円は予想以上の円高に。レパトリ本格化なら、かなりの円高圧力か(4月30日、今井雅人)
■今後は、上手く付き合いながらの安全運転で さて、そこで今後ですが、これには、100年ほど前に流行したスペイン風邪のケースが参考になります。
スペイン風邪は、1918年に爆発的な流行をしましたが、いったん、ある程度、収まりました。しかし、翌1919年になって、再び猛威を振るいました。つまり、ピークは2度あった、ということになります。
私の見立てでは、今回の新型コロナウイルスも、6月ぐらいでいったんの収まりを見せ、世の中も正常化に向かうと考えています。しかし、新型コロナウイルスは、消滅するわけではないですし、国によっては感染が収まらない状況が続くでしょう。
そうすると、どうしても経済活動は滞ります。コロナウイルスと、うまく付き合いながら、安全運転を余儀なくされるでしょう。
あとは、治療薬とワクチンが、いつ普及するかという問題と、スピード勝負になります。特に、ワクチンが早く開発されれば、収束に向かうでしょうし、そうでなければ、もう一度、感染拡大がやってくるかもしれません。
金融市場ですが、以上、説明したような状況を見ながら…
ドル/円・ユーロ/円は予想以上の円高に。 レパトリ本格化なら、かなりの円高圧力か
■米ドル/円・ユーロ/円で、予想以上の円高に 前回のコラムで、以下のようなレンジを想定していました。
【参考記事】
●足元の相場動向を総点検! 為替は逆張りが有効。米ドル/円は107~109円レンジを想定(4月23日、今井雅人)
(再掲載)(『足元の相場動向を総点検! 為替は逆張りが有効。米ドル/円は107~109円レンジを想定』より)
そして、今の相場水準を見ると、米ドル/円、ユーロ/円で、予想以上に円高になっています。
米ドル/円 日足(出所:Trading View)
ユーロ/円 日足(出所:Trading View)
しかし、英ポンド/円や豪ドル/円などは、そうでもありません。むしろ、豪ドルなどは、若干ではありますが、上昇してレンジの上のほうに張り付いている感じがします。
英ポンド/円 日足(出所:Trading View)
豪ドル/円 日足(出所:Trading View)
ただ、こうした二極化傾向に、特段の理由があるわけではありません。
■FOMCや日銀会合への反応は限定的 この1週間で、何が変わったかと言われれば、特にありません。
米国でも、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されましたが、新型コロナウイルス対策で、あらゆる手段を講じるということを宣言しているだけで、まあ想定どおりです。
日銀の金融政策決定会合では、国債買取りの上限を撤廃したり、CP(コマーシャル・ペーパー)・社債の買取り額を大幅に増やしたりしましたが、これも、まあそうだなという感じで、市場は特段、反応しませんでした。
【参考記事】
●日銀、追加緩和決定もドル/円の動き限定的。株は上昇見込めるが、為替は横ばい継続か(4月28日、バカラ村)
●ドル/円が心肺停止…原因は巨額オプション! アフターコロナ見据え、豪ドル押し目買い(4月27日、西原宏一&大橋ひろこ)
円高方向に向かうリスクとして、1つ、考えておかなければいけないのは…
【参考記事】
●足元の相場動向を総点検! 為替は逆張りが有効。米ドル/円は107~109円レンジを想定(4月23日、今井雅人)
(再掲載)(『足元の相場動向を総点検! 為替は逆張りが有効。米ドル/円は107~109円レンジを想定』より)
そして、今の相場水準を見ると、米ドル/円、ユーロ/円で、予想以上に円高になっています。
米ドル/円 日足(出所:Trading View)
ユーロ/円 日足(出所:Trading View)
しかし、英ポンド/円や豪ドル/円などは、そうでもありません。むしろ、豪ドルなどは、若干ではありますが、上昇してレンジの上のほうに張り付いている感じがします。
英ポンド/円 日足(出所:Trading View)
豪ドル/円 日足(出所:Trading View)
ただ、こうした二極化傾向に、特段の理由があるわけではありません。
■FOMCや日銀会合への反応は限定的 この1週間で、何が変わったかと言われれば、特にありません。
米国でも、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されましたが、新型コロナウイルス対策で、あらゆる手段を講じるということを宣言しているだけで、まあ想定どおりです。
日銀の金融政策決定会合では、国債買取りの上限を撤廃したり、CP(コマーシャル・ペーパー)・社債の買取り額を大幅に増やしたりしましたが、これも、まあそうだなという感じで、市場は特段、反応しませんでした。
【参考記事】
●日銀、追加緩和決定もドル/円の動き限定的。株は上昇見込めるが、為替は横ばい継続か(4月28日、バカラ村)
●ドル/円が心肺停止…原因は巨額オプション! アフターコロナ見据え、豪ドル押し目買い(4月27日、西原宏一&大橋ひろこ)
円高方向に向かうリスクとして、1つ、考えておかなければいけないのは…
足元の相場動向を総点検! 為替は逆張りが 有効。米ドル/円は107~109円レンジを想定
■為替相場は動かなくなってきた 為替相場は、あまり動かなくなってきました。こうした相場になっている原因については、これまで何回にも渡って説明してきましたので、ここでは省略します。
【参考記事】
●為替相場は当面、レンジが続きそう…。米ドル/円は106.80~109.30円程度を想定(4月16日、今井雅人)
●株が乱高下する中で為替が方向感を失ったワケは? 米ドル/円は当面、107~110円か(4月9日、今井雅人)
●長期目線で株は二度とない絶好の買い場! でも、為替相場は短期のトレンド狙いで!(4月2日、今井雅人)
為替相場の今後の展開を考える前に、足元の他の相場動向について、見ていきましょう。
■原油価格が史上初のマイナスに! まず、とんでもないことが起きた原油市場からです。週明け4月20日(月)に、史上初の出来事が起きました。
代表的な指標であるWTI原油(=NY原油)先物価格が、なんと、マイナス37.63ドルで引けました。
【参考記事】
●原油価格が史上初のマイナスに! 一体なぜ? 各社の原油CFDはマイナス価格になったのか?
●原油暴落! 今日がクライマックスかも!? 為替市場のルールは、変わりつつある!(4月20日、西原宏一&大橋ひろこ)
WTI原油(NY原油) 日足(出所:Trading View)
原油の先物価格がマイナスになるということは、どういうことでしょう? 原油を売ると、お金を払わなければいけないということです。
これを理論的に説明するのは難しく、先物市場が過剰反応して、一時的に歪んでしまったというのが、おそらく正解です。あえて、理屈をつけるとすれば、主要な原油貯蔵施設が満杯になりそうだということで、お金を払ってでも原油を手放さないと、新しい施設を確保する必要に迫られるからということになるのかもしれません。
いずれにしても、コロナショックの影響で、原油の需要は激減しており、OPEC(石油輸出国機構)などが減産したことも、まったく効果がなかったということです。
コロナショックの影響が長引くと、産油国の財政がひっ迫し、オイルマネーが世界の金融市場から引き揚げられるリスクもありますので、注意が必要です。
■堅調な金には息切れも。ここからは慎重に 次に、ゴールド(=金)です。こちらは、安全資産ということで、堅調な動きを見せています。
代表的な指標である、COMEX(ニューヨーク商品取引所)の先物レート(=NY金)を見ると、一時、リスク資産から全面的に資金を引き揚げるという波に巻き込まれ、急落する局面もありましたが、その後は一転して上昇し、コロナショックが始まる前の水準を、大きく上回るレベルで推移しています。
NY金 日足(出所:Trading View)
しかし、これもやや息切れが見えてきていますので、ここからは慎重に考えたほうが良いと思います。
■株式市場はコロナ終息を見極める時期に 次に、世界の株式市場ですが、こちらは為替市場と同様、方向感がなくなってきました。
NYダウ 日足(出所:Trading View)
日経平均 日足(出所:Trading View)
コロナウイルスの影響を、ある程度織り込んだので、ここからは、どのくらいでコロナショックが終息するのかを見極める時期に入ってきているということだと思います。
そして、最後は為替相場…
【参考記事】
●為替相場は当面、レンジが続きそう…。米ドル/円は106.80~109.30円程度を想定(4月16日、今井雅人)
●株が乱高下する中で為替が方向感を失ったワケは? 米ドル/円は当面、107~110円か(4月9日、今井雅人)
●長期目線で株は二度とない絶好の買い場! でも、為替相場は短期のトレンド狙いで!(4月2日、今井雅人)
為替相場の今後の展開を考える前に、足元の他の相場動向について、見ていきましょう。
■原油価格が史上初のマイナスに! まず、とんでもないことが起きた原油市場からです。週明け4月20日(月)に、史上初の出来事が起きました。
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【参考記事】
●原油価格が史上初のマイナスに! 一体なぜ? 各社の原油CFDはマイナス価格になったのか?
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WTI原油(NY原油) 日足(出所:Trading View)
原油の先物価格がマイナスになるということは、どういうことでしょう? 原油を売ると、お金を払わなければいけないということです。
これを理論的に説明するのは難しく、先物市場が過剰反応して、一時的に歪んでしまったというのが、おそらく正解です。あえて、理屈をつけるとすれば、主要な原油貯蔵施設が満杯になりそうだということで、お金を払ってでも原油を手放さないと、新しい施設を確保する必要に迫られるからということになるのかもしれません。
いずれにしても、コロナショックの影響で、原油の需要は激減しており、OPEC(石油輸出国機構)などが減産したことも、まったく効果がなかったということです。
コロナショックの影響が長引くと、産油国の財政がひっ迫し、オイルマネーが世界の金融市場から引き揚げられるリスクもありますので、注意が必要です。
■堅調な金には息切れも。ここからは慎重に 次に、ゴールド(=金)です。こちらは、安全資産ということで、堅調な動きを見せています。
代表的な指標である、COMEX(ニューヨーク商品取引所)の先物レート(=NY金)を見ると、一時、リスク資産から全面的に資金を引き揚げるという波に巻き込まれ、急落する局面もありましたが、その後は一転して上昇し、コロナショックが始まる前の水準を、大きく上回るレベルで推移しています。
NY金 日足(出所:Trading View)
しかし、これもやや息切れが見えてきていますので、ここからは慎重に考えたほうが良いと思います。
■株式市場はコロナ終息を見極める時期に 次に、世界の株式市場ですが、こちらは為替市場と同様、方向感がなくなってきました。
NYダウ 日足(出所:Trading View)
日経平均 日足(出所:Trading View)
コロナウイルスの影響を、ある程度織り込んだので、ここからは、どのくらいでコロナショックが終息するのかを見極める時期に入ってきているということだと思います。
そして、最後は為替相場…
為替相場は当面、レンジが続きそう…。 米ドル/円は106.80~109.30円程度を想定
■レンジ相場はまだまだ続きそう 前回、前々回と、このコラムの中で、当面は、レンジ相場が続くという見方を示してきました。
そう考える理由は、すでに説明していますので、過去のコラムをご参照ください。
【参考記事】
●株が乱高下する中で為替が方向感を失ったワケは? 米ドル/円は当面、107~110円か(4月9日、今井雅人)
●長期目線で株は二度とない絶好の買い場! でも、為替相場は短期のトレンド狙いで!(4月2日、今井雅人)
直近、1週間の展開を見てみると、ほとんどの通貨ペアが、レンジの中での動きとなっています。私も、こうした相場に合わせて、レンジトレードを続けています。
米ドルVS世界の通貨 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
世界の通貨VS円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
今後に関しても、こうした状況は、まだまだ続くと考えていますので、当面は、これまでと同様にレンジトレードを継続していくということになってきます。
■米ドル/円は106.80~109.30円ぐらいのレンジを想定 では、主要通貨のそれぞれのレンジを、どの程度にとっておくかについて、今回は考えてみたいと思います。
まず、米ドル/円です。
米ドル/円は、112円台から101円台に急落したあと、一転して上昇に転じ、111円台にまで上昇しました。その後、上がりすぎの反動からやや軟化し、そこからレンジ相場に入っています。
米ドル/円 日足(出所:Trading View)
底値ですが、チャートを確認してみると、106円台の後半あたりで2度、底打ちしていますので、その水準を一つのメドとしておけば良いのではないかと考えています。
一方の高値ですが、これらは109円台のどこかという程度かな、と考えています。
あくまでも、大体ですが、最近の高値・安値を参考にしながら、106.80~109.30円ぐらいのレンジを想定して、トレードに臨んでいきたいと考えています。
【参考記事】
●株が乱高下する中で為替が方向感を失ったワケは? 米ドル/円は当面、107~110円か(4月9日、今井雅人)
米ドル/円 日足(出所:Trading View)
次にユーロです…
そう考える理由は、すでに説明していますので、過去のコラムをご参照ください。
【参考記事】
●株が乱高下する中で為替が方向感を失ったワケは? 米ドル/円は当面、107~110円か(4月9日、今井雅人)
●長期目線で株は二度とない絶好の買い場! でも、為替相場は短期のトレンド狙いで!(4月2日、今井雅人)
直近、1週間の展開を見てみると、ほとんどの通貨ペアが、レンジの中での動きとなっています。私も、こうした相場に合わせて、レンジトレードを続けています。
米ドルVS世界の通貨 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
世界の通貨VS円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
今後に関しても、こうした状況は、まだまだ続くと考えていますので、当面は、これまでと同様にレンジトレードを継続していくということになってきます。
■米ドル/円は106.80~109.30円ぐらいのレンジを想定 では、主要通貨のそれぞれのレンジを、どの程度にとっておくかについて、今回は考えてみたいと思います。
まず、米ドル/円です。
米ドル/円は、112円台から101円台に急落したあと、一転して上昇に転じ、111円台にまで上昇しました。その後、上がりすぎの反動からやや軟化し、そこからレンジ相場に入っています。
米ドル/円 日足(出所:Trading View)
底値ですが、チャートを確認してみると、106円台の後半あたりで2度、底打ちしていますので、その水準を一つのメドとしておけば良いのではないかと考えています。
一方の高値ですが、これらは109円台のどこかという程度かな、と考えています。
あくまでも、大体ですが、最近の高値・安値を参考にしながら、106.80~109.30円ぐらいのレンジを想定して、トレードに臨んでいきたいと考えています。
【参考記事】
●株が乱高下する中で為替が方向感を失ったワケは? 米ドル/円は当面、107~110円か(4月9日、今井雅人)
米ドル/円 日足(出所:Trading View)
次にユーロです…
株が乱高下する中で為替が方向感を失った ワケは? 米ドル/円は当面、107~110円か
■為替相場は当面、フラフラした動きが続きそう ほかのところにも書いているのですが、結論から言うと、今後、当面の間、為替相場は方向感を失った、フラフラした動きが続く可能性が高いと考えています。
ですから、トレードも、レンジトレードを想定して行うことが、現在の環境では、もっとも適切ではないかと考えています。
【参考記事】
●長期目線で株は二度とない絶好の買い場! でも、為替相場は短期のトレンド狙いで!(4月2日、今井雅人)
では、そう考える理由を、これからご説明していきます。
■「株安・円高」の第1ステージ すでに、何度か説明をしていますが、今回の新型コロナウイルスショックによって、金融市場では何段階かの局面がありました。
まず、第1ステージは、リスクオフの動きです。
イタリアで新型コロナウイルスの感染が広がり始めたころから、金融市場は大混乱を始めました。最初は、各国の株式市場が暴落しました。
NYダウ 日足(出所:Trading View)
それに合わせて、為替市場では、リスクオフからの円買い(米ドル安)が進行することとなります。米ドル/円が、112円台から一気に101円台にまで急落したのは、皆さん、ご存じのとおりです。
米ドル/円 日足(出所:Trading View)
また、資金の逃避先として、米国を中心とした各国の国債や、金への資金流入が起きました。
【参考記事】
●新型肺炎は中国の問題から世界的な問題へ。米ドル/円は105円程度まで下落の可能性も(2月28日、今井雅人)
●新型コロナのダメージに金融緩和や財政出動は効かない!? 米ドル/円は105円前後へ(3月5日、今井雅人)
■「株安・米ドル高」の第2ステージ しかし、その後、局面が変わっていきます。大きな損を計上した機関投資家、あるいは業績が悪化した企業などが、資金繰りのために、とにかく現金が必要になり、ありとあらゆる金融資産を売り始めます。
その結果、株式はさらなる下落をする一方、金、債券などは、それまでの上昇から一転して、暴落に転じるという現象が起きました。
NYダウ 日足(出所:Trading View)
さらに、資金繰りという点で、基軸通貨である米ドルの確保が投資家、企業ともに不可欠となり、マネーマーケットで米ドルをかき集めるだけでは間に合わず、為替市場でも米ドルを買って、資金繰りに充てるという行動に出てきました。
その結果、米ドル相場は急上昇する展開となりました。米ドル/円も、101円台から反転し、一気に111円台にまで上昇するという動きとなりました。これが、第2ステージです。
【参考記事】
●これは、リーマンショック以上の危機!! 世界的な米ドル不足で米ドル全面高に(3月19日、今井雅人)
●ある程度の反発終われば株は弱気相場へ。米ドルは現状の高値水準でレンジ形成か(3月26日、今井雅人)
米ドル/円 日足(出所:Trading View)
そして、その後ですが、株式市場は…
ですから、トレードも、レンジトレードを想定して行うことが、現在の環境では、もっとも適切ではないかと考えています。
【参考記事】
●長期目線で株は二度とない絶好の買い場! でも、為替相場は短期のトレンド狙いで!(4月2日、今井雅人)
では、そう考える理由を、これからご説明していきます。
■「株安・円高」の第1ステージ すでに、何度か説明をしていますが、今回の新型コロナウイルスショックによって、金融市場では何段階かの局面がありました。
まず、第1ステージは、リスクオフの動きです。
イタリアで新型コロナウイルスの感染が広がり始めたころから、金融市場は大混乱を始めました。最初は、各国の株式市場が暴落しました。
NYダウ 日足(出所:Trading View)
それに合わせて、為替市場では、リスクオフからの円買い(米ドル安)が進行することとなります。米ドル/円が、112円台から一気に101円台にまで急落したのは、皆さん、ご存じのとおりです。
米ドル/円 日足(出所:Trading View)
また、資金の逃避先として、米国を中心とした各国の国債や、金への資金流入が起きました。
【参考記事】
●新型肺炎は中国の問題から世界的な問題へ。米ドル/円は105円程度まで下落の可能性も(2月28日、今井雅人)
●新型コロナのダメージに金融緩和や財政出動は効かない!? 米ドル/円は105円前後へ(3月5日、今井雅人)
■「株安・米ドル高」の第2ステージ しかし、その後、局面が変わっていきます。大きな損を計上した機関投資家、あるいは業績が悪化した企業などが、資金繰りのために、とにかく現金が必要になり、ありとあらゆる金融資産を売り始めます。
その結果、株式はさらなる下落をする一方、金、債券などは、それまでの上昇から一転して、暴落に転じるという現象が起きました。
NYダウ 日足(出所:Trading View)
さらに、資金繰りという点で、基軸通貨である米ドルの確保が投資家、企業ともに不可欠となり、マネーマーケットで米ドルをかき集めるだけでは間に合わず、為替市場でも米ドルを買って、資金繰りに充てるという行動に出てきました。
その結果、米ドル相場は急上昇する展開となりました。米ドル/円も、101円台から反転し、一気に111円台にまで上昇するという動きとなりました。これが、第2ステージです。
【参考記事】
●これは、リーマンショック以上の危機!! 世界的な米ドル不足で米ドル全面高に(3月19日、今井雅人)
●ある程度の反発終われば株は弱気相場へ。米ドルは現状の高値水準でレンジ形成か(3月26日、今井雅人)
米ドル/円 日足(出所:Trading View)
そして、その後ですが、株式市場は…