足元の相場動向を総点検! 為替は逆張りが 有効。米ドル/円は107~109円レンジを想定

■為替相場は動かなくなってきた 為替相場は、あまり動かなくなってきました。こうした相場になっている原因については、これまで何回にも渡って説明してきましたので、ここでは省略します。
【参考記事】
●為替相場は当面、レンジが続きそう…。米ドル/円は106.80~109.30円程度を想定(4月16日、今井雅人)
●株が乱高下する中で為替が方向感を失ったワケは? 米ドル/円は当面、107~110円か(4月9日、今井雅人)
●長期目線で株は二度とない絶好の買い場! でも、為替相場は短期のトレンド狙いで!(4月2日、今井雅人)
 為替相場の今後の展開を考える前に、足元の他の相場動向について、見ていきましょう。
■原油価格が史上初のマイナスに! まず、とんでもないことが起きた原油市場からです。週明け4月20日(月)に、史上初の出来事が起きました。
 代表的な指標であるWTI原油(=NY原油)先物価格が、なんと、マイナス37.63ドルで引けました。
【参考記事】
●原油価格が史上初のマイナスに! 一体なぜ? 各社の原油CFDはマイナス価格になったのか?
●原油暴落! 今日がクライマックスかも!? 為替市場のルールは、変わりつつある!(4月20日、西原宏一&大橋ひろこ)
WTI原油(NY原油) 日足(出所:Trading View)
 原油の先物価格がマイナスになるということは、どういうことでしょう? 原油を売ると、お金を払わなければいけないということです。
 これを理論的に説明するのは難しく、先物市場が過剰反応して、一時的に歪んでしまったというのが、おそらく正解です。あえて、理屈をつけるとすれば、主要な原油貯蔵施設が満杯になりそうだということで、お金を払ってでも原油を手放さないと、新しい施設を確保する必要に迫られるからということになるのかもしれません。
 いずれにしても、コロナショックの影響で、原油の需要は激減しており、OPEC(石油輸出国機構)などが減産したことも、まったく効果がなかったということです。
 コロナショックの影響が長引くと、産油国の財政がひっ迫し、オイルマネーが世界の金融市場から引き揚げられるリスクもありますので、注意が必要です。
■堅調な金には息切れも。ここからは慎重に 次に、ゴールド(=金)です。こちらは、安全資産ということで、堅調な動きを見せています。
 代表的な指標である、COMEX(ニューヨーク商品取引所)の先物レート(=NY金)を見ると、一時、リスク資産から全面的に資金を引き揚げるという波に巻き込まれ、急落する局面もありましたが、その後は一転して上昇し、コロナショックが始まる前の水準を、大きく上回るレベルで推移しています。
NY金 日足(出所:Trading View)
 しかし、これもやや息切れが見えてきていますので、ここからは慎重に考えたほうが良いと思います。
■株式市場はコロナ終息を見極める時期に 次に、世界の株式市場ですが、こちらは為替市場と同様、方向感がなくなってきました。
NYダウ 日足(出所:Trading View)
日経平均 日足(出所:Trading View)
 コロナウイルスの影響を、ある程度織り込んだので、ここからは、どのくらいでコロナショックが終息するのかを見極める時期に入ってきているということだと思います。
 そして、最後は為替相場…

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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