
この記事の要点
- ビアンコ氏「BTC需要の主役は新興国の数十億人」
- FRB約3年ぶり利上げ、利下げ中の金利上昇は50年で初
ビアンコ氏「新興国こそBTCの主役」
米調査会社ビアンコ・リサーチのジム・ビアンコ代表は2026年9月22日、Bitcoin Magazineのインタビューで、ビットコイン(BTC)を本当に必要としているのは米国の富裕層ではなく、新興国に暮らす数十億人だとの見解を示しました。
同氏は、中南米やアフリカ、中東では不安定な銀行システムや継続的な通貨切り下げに直面する人々が多く、こうした地域でBTCやステーブルコインへの実需が生まれていると説明しています。
その具体例として、ベネズエラやアフガニスタンでは「テザー(USDT)」が事実上の通貨として使われていると紹介し、こうした人々こそが仮想通貨(暗号資産)を「切実に必要としている」層だと述べました。
これに対して、現在の金融システムの恩恵を受ける米国の富裕層については、JPモルガンの口座をBTCに切り替えるような動きには最も遅れて加わる層になるとの見方を示しています。
そのうえでビアンコ氏は、BTC現物ETFなどを通じて「コネチカット州グリニッチのカントリークラブに通う富裕層」を取り込もうとする動きについて「本来の目的を見失っている」と指摘しました。
紛争と通貨安が需要を押し上げ
世界経済の構造変化とBTC・ドルの未来
脱グローバル化で高まる避難先需要
ビアンコ氏は今後5年のマクロ経済について、2020年を境に世界経済が構造的に変化し、コロナ危機以前とは異なる局面に入ったとの認識を示しました。
その変化として脱グローバル化や関税の恒常化、リモートワークの定着、戦争の増加を挙げ、「2019年以前の状態には戻らない」と述べています。
さらにニール・ハウ氏が提唱する「第四の転換期」に言及し、現在の混乱は10年以上続く可能性があり、すでに5〜6年が経過していると語りました。
こうした不確実性が続くなか、人々は「嵐の中の避難港」を求めるようになり、その需要は特に米国外で強まるとの見方を示しています。
「20億人の準備通貨」BTC普及の将来像
こうした世界経済の変化に加えて、ビアンコ氏は新興国におけるBTCやステーブルコインの需要がさらに拡大した場合の将来像にも言及しました。
同氏は、BTCを軸とする分散型金融が発展し、20億人が「これが我々の準備通貨だ」と宣言する段階に至れば、仮想通貨を取り巻く状況は大きく変わるとの見方を示しています。
その段階では、現在の金融システムから恩恵を受ける富裕層も無視できなくなり、最終的には参加せざるを得なくなると述べました。
ステーブルコイン3〜4兆ドル時代の影響
こうした米国外の需要は、ステーブルコインを通じてドルや米国債の市場にも影響を及ぼす可能性があるとビアンコ氏はみています。
同氏は、ステーブルコイン市場が将来的に「3〜4兆ドル(約470〜630兆円)」規模に達する可能性があるとしたうえで、米国債への新たな需要が生まれるのは、現在ドルを保有していない海外の利用者がステーブルコインを通じてドルへアクセスする場合だと指摘しました。
一方、米国内でマネー・マーケット・ファンドや銀行預金からステーブルコインへ資金を移しても、既存の米国債関連資産から別の米国債関連資産へ移るだけで、「米国債購入への影響はゼロだ」と説明しています。
そのうえで同氏は、ステーブルコイン規制法「GENIUS(ジーニアス)法」をめぐる議論ではこうした海外需要と国内の資金移動という違いが見落とされがちだと問題視しています。
利下げ中に金利上昇「過去50年で初」
足元の米国金融政策について、ビアンコ氏はFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げにもかかわらず長期金利が上昇してきた点を問題視しています。
同氏によると、2024年9月に始まった約2年間の利下げサイクルで米10年債利回りは3.7%から5%へ1.3ポイント上昇しており、利下げ局面でこうした動きが起きるのは「過去50年以上で初めて」だといいます。
ビアンコ氏はこの動きを、FRBの金融政策が緩和的すぎたことを債券市場が示すシグナルだったとの見方を示しました。
こうしたなかFRBは2026年9月16日、政策金利を3.75〜4.00%へ0.25ポイント引き上げる約3年ぶりの利上げに12対0の全会一致で踏み切りました。
同氏はこの決定について、FRBがインフレに「ようやく真剣に対処し始めた」と評価し、債券市場が落ち着くことへの期待を示しています。
「教科書通りの強気フラッグ」
10月27〜28日のFOMCが次の焦点に
FRBによる約3年ぶりの利上げを経て、次回のFOMC(連邦公開市場委員会)は10月27〜28日に開催される予定となっています。
9月会合で公表された政策金利見通し(ドットプロット)では、2026年末の中央値が4.10%と現行レンジの中間値を上回っており、参加者の予測中央値では年内にさらに政策金利を引き上げる経路が示されています。
ビアンコ氏も、次回会合で再び利上げに踏み切れば「債券市場に非常に好意的に受け止められるだろう」と述べており、10月会合で追加利上げに踏み切るかどうかに注目しています。
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Source:Bitcoin Magazineインタビュー
サムネイル:AIによる生成画像
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