クラリティ法案、大統領から議員まで仮想通貨に倫理規制|最終案を公表

この記事の要点

  • 米上院議員らがCLARITY法案の最終案を公表
  • 公職者の仮想通貨発行・宣伝・関連持分を規制

CLARITY法案の最終案公表、公職者に倫理規定

米上院のシンシア・ルミス議員ら3名は2026年9月14日、仮想通貨の市場構造を定める「CLARITY(クラリティ)法案」の最終案を公表しました。

最終案には、大統領や副大統領、連邦議会議員などの公職者が、対価を受け取ってデジタル資産を発行・宣伝することを禁じる新たな倫理規定が盛り込まれています。

法案は9月15日に上院で審議入りに向けたクローチャー(討論終結)投票を控えており、今回の倫理規定は、民主党側との協議を経て追加された最終案の主要な修正点の一つとなっています。

ルミス議員は、最終案が1年以上にわたる超党派協議を経て民主党側が求めた126件の変更を反映した内容だと説明し、トランプ大統領も副大統領や判事とともに厳しい倫理制限を受け入れたと強調しました。

公職者の禁止行為と罰則、法案全体の修正点

公職者と配偶者、発行・宣伝を禁止

最終案の倫理規定は、公職者によるデジタル資産の発行・スポンサーに加え、一定額以上の関連企業への持分保有も禁止対象に加えています。

対象は大統領・副大統領・連邦議会議員などの公職者とその配偶者で、対価と引き換えに仮想通貨(暗号資産)を含むデジタル資産を発行したり、スポンサーとして宣伝に関与したりする行為を禁止対象に定めました。

さらに、大統領・副大統領・連邦議会議員への当選が正式に認定された後、まだ宣誓就任していない当選者とその配偶者にも、就任前から同じ禁止規定が適用される内容となっています。

禁止される「発行」は、デジタル資産を新たに作成・発行・立ち上げる行為だけでなく、最初の販売や配布を主導または支配する行為まで対象に含むと定めています。

「スポンサー」については、特定のデジタル資産の作成や立ち上げを公に推奨・擁護する契約や、自らの氏名・肖像・公職上の地位を宣伝に使用させる行為まで禁止対象に挙げています。

関連企業への間接的な利益も規制対象に

直接的な関与に加え、最終案は公職者がデジタル資産関連企業から間接的に利益を得ることにも制限を広げました。

規制対象には、直近3年間のいずれかでデジタル資産の発行・スポンサーから収益の過半を得た企業について、1万5,000ドル(約230万円)以上の株式などを所有・支配・保有するケースも含まれています。

こうした持分については、倫理規定の施行日までに売却するか、適格ブラインドトラスト(白紙委任信託)へ移す義務を設けました。

売却または信託への移管後は3日以内に所管の倫理機関へ届け出る必要があり、通知を受けた倫理機関にも3日以内の情報公開が義務づけられています。

禁止違反に利益返還と高額制裁金

公職者への禁止規定に加え、最終案は違反して発行されたデジタル資産の上場を制限する措置も盛り込みました。

対象者が禁止規定に違反して発行したデジタル資産は、取引所などのデジタル資産仲介業者での上場を禁じるとしています。

発行やスポンサーの禁止に故意かつ意図的に違反した対象者には、禁止行為で得た利益を米財務省へ返還したうえで、受け取った対価の20%または50万ドル(約7,680万円)のいずれか高い方を制裁金として科すと定めました。

関連企業への一定額以上の持分に関する禁止に故意かつ意図的に違反した場合も制裁対象となり、上場禁止を破ったデジタル資産仲介業者には違反1件につき1日あたり最大25万ドル(約3,840万円)の制裁金が科されます。

これらの規定は米司法長官が執行するほか、一定の条件を満たす場合には州司法長官も差し止めなどを求めて提訴できるとしています。

ステーブルコインと開発者保護にも修正

最終案では倫理規定のほか、決済用ステーブルコインブロックチェーン開発者をめぐる条項にも複数の修正が加えられました。

ルミス議員らの発表によると、スコット・ベッセント財務長官には決済用ステーブルコインに伴う預金流出を防ぐ新たな権限が与えられ、地域金融機関を保護するための「サーキットブレーカー」も盛り込まれています。

ブロックチェーン開発者については、送金業者としての登録義務から保護するとともに、民事責任に関するセーフハーバーを設ける修正が加えられています。

農業委員会が所管する条項では、関連会社間の取引や利益相反に新たな制限を設け、州の消費者保護法が適用される範囲を明確にする修正も盛り込まれました。

9月15日に審議入り採決、大手金融も支持

最終案は、9月15日午後に予定される審議入り動議に対するクローチャー(討論終結)が成立した場合、代替修正案として提示される予定となっています。

クラリティ法案は2026年5月に上院銀行委員会を賛成15・反対9の超党派で通過し、その後も本会議での審議に向けた与野党間の調整が続いてきました。

同法案にはブラックロック、フィデリティ、フランクリン・テンプルトン、ゴールドマン・サックス、チャールズ・シュワブ、SoFiなどの大手金融機関が支持を表明しているほか、全米保安官協会など一部の法執行団体も反対姿勢を取り下げています。

外部からの支持が広がるなか、上院では、公職者の倫理規定を含む最終案で必要な賛成票を確保できるかが焦点となっており、クローチャー採決に向けた調整が続いています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.49 円)

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Source:法案テキスト
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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