
この記事の要点
- CLARITY法案に民主党修正114件反映、ルミス議員が可決要求
- 上院9月15日にクローチャー投票、60票確保が焦点
ルミス議員「修正案を書いたなら通せ」
米共和党のシンシア・ルミス上院議員(ワイオミング州)は2026年9月13日、仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」について、民主党側の意向を反映した100以上の修正が盛り込まれているとして、民主党自身が法案成立に協力すべきだとの考えを自身のX(旧Twitter)で示しました。
同議員は、法案が不成立となれば、民主党側が求めてきた修正だけでなく、消費者保護や情報開示規則、悪質事業者の上場廃止要件も実現せず、「すでに米国民に数十億ドルの損害をもたらした未規制のシステム」が続くと訴えています。
そのうえで「彼らが修正案を書いた。ならば可決しなければならない」と述べ、採決を前に民主党へ法案への支持を強く迫りました。
上院は9月15日午後2時15分(日本時間16日午前3時15分)に同法案の審議入りに向けたクローチャー(討論終結)投票を予定しており、この投票がCLARITY法案の成立に向けた次の分岐点となっています。
If the Clarity Act fails, Democrats own what comes next: more 100 Democratic-directed changes wasted, consumers with zero federal protection, no disclosure rules, no delisting requirements for bad actors, stuck in the same unregulated system that has already cost Americans…
— Senator Cynthia Lummis (@SenLummis) September 12, 2026
クラリティ法案が成立しなければ、その後の責任は民主党が負うことになります。
民主党が主導してまとめた100件以上の修正案も無駄になり、消費者を連邦レベルで保護する仕組みや情報開示ルール、不正行為を行った事業者の上場廃止に関する要件も整備されないままです。結果として、すでに米国民に数十億ドル規模の損失をもたらしている、規制のない状態が続くことになります。
問題を解決するための修正案をまとめたのは民主党自身です。だからこそ、法案を成立させる責任も民主党にあります。
民主党修正100超反映
クラリティ法案改訂版と与野党協議の行方
DeFi規制含む114修正を反映
9月15日の投票を前に法案そのものも大幅に修正されており、ルミス議員は9月10日、H.R.3633の全文を差し替える全630ページの改訂版CLARITY法案テキスト(文書番号EHF26718)を公式サイトで公開しました。
ルミス議員によると、改訂版には8月の休会中に続けられた超党派交渉を通じて民主党側が求めた114以上の条項が反映されており、その一例として、分散型を掲げながら実際には中央管理下にあるプロトコルにCFTC(米商品先物取引委員会)への登録を義務づける規定が盛り込まれました。
こうしたDeFi(分散型金融)系のプロトコルには、CFTCへの登録に加えて、銀行秘密法(BSA)に基づくマネーロンダリング対策の順守も求められています。
同法案は2025年7月17日に米下院を294対134で通過し、2026年5月14日には上院銀行委員会でも賛成15・反対9で可決され、今回の改訂を経て上院本会議での審議を待つ段階となっています。
財務長官「審議しなければ米国の意志欠如」
こうした局面で、行政府側からも上院に法案を前進させるよう求める声が相次いでいます。
スコット・ベッセント米財務長官は9月9日のX投稿で、上院が休会から戻り次第、議員らが交渉のテーブルにとどまり、審議開始動議に合意して立法プロセスを続けるよう強く要請すると述べました。
同長官は、審議を前進させなければ、米国がデジタル資産の未来を主導する意志を欠き、悪用への対抗手段も放棄するとのシグナルを同盟国と敵対国の双方に送ることになると警告しています。
ホワイトハウスのデジタル資産顧問会議でエグゼクティブ・ディレクターを務めるパトリック・ウィット氏も、Semaforの取材に対し「共和党・民主党を問わず審議に入り、協議を続けるべきだ」との考えを示しました。
ウィット氏は、審議開始動議が否決された場合は次に法案を前進させる機会がいつ訪れるか見通せないとして、まず審議入りし、その後も残る争点について協議を続けるよう求めています。
トランプ大統領、倫理条項を非公開で協議
行政府側が審議入りを後押しする一方、大統領らの利益相反をめぐる倫理条項は、民主党の支持を得るうえで大きな争点として残っています。
民主党はこれまで、大統領や政権高官が仮想通貨ビジネスから利益を得ることを制限するため、倫理条項の強化を法案支持の条件としてきました。
こうした要求をめぐり、ドナルド・トランプ大統領は9月11日、法案に盛り込む倫理条項について顧問らと非公開で協議したことが、POLITICOの報道で明らかになりました。
翌12日にはウィット氏がXで、CLARITY法案に悲観的な立場の関係者にとって「最悪の日」だと述べ、政権側が何らかの倫理条項を受け入れたことを示唆した一方、具体的にどの条項を指すのかについては明言を避けています。
公開された改訂版では、大統領や政権高官とその配偶者が在職中に自らのデジタル資産を発行・宣伝することを禁じる一方、子どもは対象外となっており、民主党側はさらに大統領の家族まで制限対象を広げるよう求めています。
共和党が保持する53議席だけでは60票のクローチャー要件に届かないため、9月15日の投票を通過するには民主党から少なくとも7人の賛成を得る必要があります。
全米保安官協会が反対撤回で中立へ
予測市場27%に改善、クローチャー投票迫る
9月15日の採決が迫るなか、法案成立をめぐる市場の見方にも変化がみられ、分散型予測市場Polymarket(ポリマーケット)では、CLARITY法案が2026年中に署名・成立する確率が記事執筆時点で約27%と表示されており、9月8日時点の約16%から持ち直しています。
法執行機関側でも動きがあり、全米保安官協会(NSA)は上院指導部への書簡で、CLARITY法案への立場を反対から中立へ変更しました。
同協会はこれまで違法金融の摘発が難しくなる可能性などを理由に法案へ懸念を示していましたが、現在は反対姿勢を取り下げ、立法プロセスを見守る立場に転じています。
一方、倫理条項をはじめ、マネーロンダリング対策やステーブルコインの利回り規定などでは、与野党間の調整がなお続いています。
9月15日のクローチャー投票は法案そのものを最終可決するものではないものの、60票を確保できなければ上院での審議入りが阻まれるため、民主党から必要な賛成票を得られるかが最大の関門となっています。
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Source:ルミス上院議員X投稿
サムネイル:AIによる生成画像
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