Visa、清算データとオンチェーンレンディング接続。ステーブルコイン連動カードの資金調達支援へ

ビザネットの清算データをオンチェーンレンディングに活用

米決済大手ビザ(Visa)が、同社の決済ネットワーク「ビザネット(VisaNet)」の精算データとオンチェーンレンディング基盤を組み合わせ、ステーブルコイン連動型カードプログラムやフィンテック企業による運転資金へのアクセスを支援する新たな取り組みを9月8日に発表した。

ビザネットは、ビザのネットワーク上でカード取引を処理する決済ネットワークだ。またステーブルコイン連動型カードは、暗号資産ウォレットなどに保有するステーブルコイン残高を原資として、ビザ加盟店で支払いができるカードを指す。オンチェーンレンディングは、ブロックチェーン上の仕組みを利用して資金の貸し借りを行うことだ。

ビザによると、新興の決済企業にとって、急速な成長局面で運転資金を確保することが難しい場合があるという。従来型の資金調達では、融資を受けるまでに一定の事業規模や運営実績、人手による審査プロセスなどが求められることが多い。一方、2020年以降、オンチェーンレンディングプロトコルを通じて6,940億ドル(約106.8兆円)を超えるステーブルコイン建て融資が実行されたものの、その多くは暗号資産(仮想通貨)市場内に集中しているとのことだ。

今回ビザネットの精算データを活用することで、貸し手はカードプログラムの運営状況を把握し、それぞれのニーズに適した資金調達機会を評価できるようになる。ビザは、こうした情報をオンチェーンのクレジット基盤と組み合わせることで、貸し手によるカードプログラムなどへの資金供給につなげる考えだ。

このモデルの初期事例として、ビザはオンチェーンクレジットを手がけるクレジット・コープ(Credit Coop)との取り組みを挙げている。同取り組みでは、顧客の承認を得たうえでビザネットの精算データとオンチェーンの取引記録を組み合わせ、信用状況の評価や清算資金の自動化に活用する。またスマートコントラクトによって資金供給、担保管理、返済を自動化し、ステーブルコイン連動型カードプログラム向けに運転資金や精算資金を提供するという。

クレジット・コープのクリス・ウォーカー(Chris Walker)CEOによると、従来は決済企業が保有する将来受け取る精算代金に対する債権(精算債権)の実績をリアルタイムで貸し手に示す手段がなかったという。ビザネットの精算データとオンチェーン基盤を組み合わせることで、貸し手はカードプログラムの実績を評価し、決済フローから返済を実行できるとしている。ビザによると、このモデルは2023年以降、累計25億ドル(約3,846億円)を超える精算額の資金調達を支援しており、参加する融資枠ではこれまでデフォルトが発生していない。また3,000件を超える借り入れと9,000件を超える返済がオンチェーンで処理されているとのことだ。

なおビザのネットワーク上では現在、160を超えるステーブルコイン連動型カードプログラムが稼働しており、これらのプログラムにおける決済額は前年同期比で約200%増加している。また同社は今年7月、金融機関やフィンテック企業などがステーブルコインの発行や償還、送金、管理を行える企業向け基盤「ビザ・ステーブルコイン・プラットフォーム(Visa Stablecoin Platform:VSP)」を発表するなど、ステーブルコイン関連事業を拡大している。



参考:ビザクレジットコープ
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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