
この記事の要点
- Visa、決済データ活用のオンチェーン融資を発表
- ステーブルコイン連携カード事業者の資金調達を支援
決済データ活用のステーブルコイン融資モデルを発表
決済大手Visa(ビザ)は2026年9月8日、VisaNetの決済データをブロックチェーン上の融資インフラと組み合わせ、ステーブルコイン連携カードプログラムなどの資金調達を支援する新たなオンチェーン与信の仕組みを発表しました。
VisaNetに蓄積された決済実績を融資判断に活用することで、融資機関がカードプログラムの事業状況を把握し、運転資金を提供する際の判断材料にできるとしています。
Visaは、十分な事業実績を持たず従来の融資を受けにくかった新興フィンテックやカード運営企業でも、日々の決済実績を信用評価に生かすことで資金調達につなげやすくなると説明しています。
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オンチェーン融資107兆円超、決済実需へ拡張
融資拡大も企業の運転資金には未活用
Visaのオンチェーン分析ダッシュボードによると、オンチェーン融資プロトコルを通じて2020年以降に実行されたステーブルコイン建て融資は、累計6,940億ドル(約106兆8,760億円)を超えています。
一方、その多くは依然として仮想通貨市場の内部にとどまり、企業の運転資金や日常の決済を支えるまでには十分に広がっていないとVisaは指摘しました。
Visaはこの課題に対し、VisaNetの決済実績をオンチェーン融資と結び付け、実際の事業活動に基づいて資金提供を判断できる仕組みの構築を進めています。
Credit Coop、カード融資3,850億円を自動化
その先行事例としてVisaは、ステーブルコイン連携カードプログラムの資金調達を支えるCredit Coop(クレジット・クープ)との取り組みを挙げました。
Credit Coopではスマートコントラクト(契約を自動で実行する仕組み)を使って資金供給から担保管理、返済までを自動化し、顧客の同意のもとでVisaの決済データとオンチェーン上の取引記録を融資判断に反映するとしています。
このモデルは2023年以降、累計25億ドル(約3,850億円)を超える決済資金の調達を支援しており、参加する融資枠ではこれまでデフォルト(債務不履行)が発生していないことが確認されています。
基盤上ではこれまでに3,000件を超える借り入れと9,000件の返済が自動処理され、その履歴もオンチェーン上に記録されました。
ステーブルコイン決済3兆円超
Visaのネットワークでは現在160を超えるステーブルコイン連携カードプログラムが稼働し、これらの決済量は前年比で200%近く増加したと発表しました。
ステーブルコインを使った決済ボリュームも年換算で200億ドル(約3兆円)を超え、前年同期と比べて15倍以上の水準に達しています。
Visaのグローバル成長製品・パートナーシップ責任者を務めるルベイル・ビルワドカー氏は、ステーブルコインについて「資金の動き方を変えるだけでなく、決済を支える金融インフラを見直す機会を生み出している」と述べました。
同社はこの分野で、ステーブルコイン決済を支援する「Visa Stablecoin Platform」も立ち上げています。
AIエージェント向け決済ツールを公開
ステーブルコイン普及で金融インフラの再構築が進展
ステーブルコインが決済や資金調達に使われる場面が増えるなか、米連邦準備制度理事会(FRB)のスタッフは通貨供給量へ算入すべきか分析するなど、金融統計上の扱いを整理する動きも進んでいます。
一方、民間ではステーブルコインがカード決済や資金調達に組み込まれ始めており、制度面の議論と並行して既存の金融インフラとの接続も広がっています。
VisaはVisaNetの決済データとオンチェーン融資を組み合わせ、ステーブルコイン連携カード事業者の資金調達まで既存の決済基盤とつなぐ取り組みを進めています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.34 円)
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Source:Visa発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用






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