
この記事の要点
- ブロックチェーン協会、カストディア支持の意見書を米最高裁に提出
- FRBの口座拒否権は「仮想通貨業界の銀行排除を助長」と批判
協会が最高裁に参戦、FRBの口座拒否権を問う
米ブロックチェーン協会は2026年8月12日、カストディア銀行を支持する法廷助言書(アミカスブリーフ)を米連邦最高裁判所に提出しました。
この訴訟(事件番号26-62)では、州の認可を受けた適格な銀行からマスターアカウント(中央銀行口座)の申請があった場合に、FRB(米連邦準備制度理事会)が自らの裁量で拒否できるのかどうかが争われています。
これに対して同協会は、FRBに拒否する裁量を認めた第10巡回控訴裁判所の判決が、仮想通貨(暗号資産)業界を狙ったデバンキング(銀行排除)を後押しすることになると批判しました。
実際にマスターアカウントを持たない銀行はコルレス銀行(仲介銀行)を経由して決済する必要があり、追加コストに加えて取引相手(カウンターパーティ)リスクも負うことになると意見書は指摘しています。
英議会、主要銀行の対応を追及
口座申請から6年、カストディアが最高裁へ
三審すべてで敗訴し上告へ
カストディア銀行は2020年10月、ワイオミング州の特別目的預金機関(SPDI)として全額準備の事業モデルを掲げ、FRBのマスターアカウントを申請しました。
当初、カンザスシティ連銀は申請に重大な障害はないと伝えていたものの、審査は長期間にわたって停滞し、カストディア銀行は2022年6月に口座提供を求めて同連銀を提訴しました。
提訴後にはFRB理事会がカンザスシティ連銀に方針転換を指示し、2023年1月に拒否通知が送られ、カストディア銀行の申請は正式に拒否されています。
その後、2024年に連邦地方裁判所がカストディア銀行の訴えを退け、2025年10月31日には第10巡回控訴裁判所も2対1で地裁の判断を支持しています。
2026年3月13日には控訴裁の大法廷による再審理請求も7対3で退けられたことから、カストディア銀行は同年7月10日に最高裁へ上告しました。
協会「限定口座はマスター口座の代替不可」
こうした争いが続くなか、トランプ大統領は2026年5月19日、フィンテック企業の参入障壁を下げるため、FRBに決済口座へのアクセス拡大を検討するよう求める大統領令に署名しました。
大統領令を受けたFRBは5月26日、法的に適格な金融機関を対象に、利用できる機能を限定した特別目的口座「ペイメント口座」の新設案を連邦官報に掲載しています。
ブロックチェーン協会はこの案について「従来のマスターアカウントを十分に代替するものではない」として、決済機能や口座条件に残る複数の制約を挙げています。
| 主な制約 | 内容 |
|---|---|
| FedACH(自動決済機能) | 給与・消費者請求・企業間決済に使う自動決済へのアクセスが対象外 |
| 口座残高の利息 | 残高に利息が付かない |
| 残高の上限 | 決算残高に10億ドル(約1,500億円)の上限を設定 |
とりわけFedACHを利用対象から外した点について、同協会はFRBの有料決済サービスを非加盟の預金取扱機関にも提供するよう定めた通貨管理法(MCA)を挙げ、同法上の義務に反すると主張しました。
二重銀行制度の危機、FRBの裁量権を問う
同協会は、FRBがマスターアカウントを裁量で拒否できれば、州が認可した銀行を決済網から事実上排除することが可能になり、連邦と州がそれぞれ銀行を認可する二重銀行制度(デュアルバンキングシステム)が損なわれると訴えています。
地区連銀の総裁にマスターアカウントの承認を巡る無制限の裁量を認めることについても、憲法の任命条項(Appointments Clause)に抵触するおそれがあると警告しています。
「仮想通貨企業に国法銀行の道」
ルミス議員らも意見書、FRB応答は9月期限
ブロックチェーン協会に続き、ワイオミング州選出のシンシア・ルミス上院議員とパトリック・トゥーミー元上院議員も8月13日、カストディア銀行を支持する意見書を最高裁に提出しました。
カストディア銀行への口座提供が争われる一方、カンザスシティ連銀は2026年3月、同じワイオミング州のSPDIであるKraken Financial(クラーケン・フィナンシャル)には限定的なマスターアカウントを認めています。
カストディア銀行の上告を受け、最高裁はFRB理事会とカンザスシティ連銀に対し、2026年9月11日までに応答を提出するよう求めています。
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Source:ブロックチェーン協会意見書
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用






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