
この記事の要点
- モルガン傘下E*TRADE、860万世帯に仮想通貨現物取引を展開完了
- 米大手証券で証券口座起点の仮想通貨サービス競争が加速
E*TRADE、BTC・ETH・SOLの現物取引を開始
米大手金融機関Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)傘下のE*TRADEは2026年7月16日、仮想通貨(暗号資産)の現物取引を開始しました。
対象となるのは約860万世帯が利用する自主運用型(セルフディレクテッド)チャネルの顧客で、ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)・ソラナ(SOL)の現物取引を証券口座から利用できるようになりました。
証券会社の口座を起点に仮想通貨を売買できる環境が米大手証券で本格化し、従来の投資資産とデジタル資産を一体的に管理できる選択肢が個人投資家にも広がっています。
トークン化事業を本格始動
ゼロハッシュ連携の構造と手数料・新機能
手数料0.5%でスプレッド上乗せなし
発表によれば、E*TRADEでは、ビットコイン・イーサリアム・ソラナの3銘柄を、証券口座と連携した「Zero Hash(ゼロハッシュ)」の口座を通じて売買・保有できます。
取引には約定金額の0.5%(50bps)の手数料が適用される一方、スプレッド(売値と買値の価格差)の上乗せはないとしています。
残高は従来の投資資産と並べて確認できるほか、2026年内には外部ウォレットへの送金機能も追加される予定です。
保管体制と信託銀行への移管計画
売買したデジタル資産は、証券口座とは別にZero Hash側で開設される口座で保管され、取引も同口座を通じて行われます。
この口座はFDIC(米連邦預金保険公社)やSIPC(米証券投資者保護公社)の保護対象外となっています。
デジタル資産サービスは今後、設立手続き中の国家信託銀行「Morgan Stanley Digital Trust(モルガン・スタンレー・デジタル・トラスト)」へ移管される予定です。
移管に向けては、米通貨監督庁(OCC)が2026年6月18日、設立に向けた条件付きの予備認可を付与しており、認可文書ではデジタル資産の保管や売買・移転の支援を主要業務として示しています。
コスト比較と利用者調査の結果
E*TRADEは、50bpsの手数料を競争力のある水準と位置付けており、公式サイトでは、1,000ドル分の取引にかかる総コストは5ドルとなり、同社を含む6社の比較で最も低い水準と紹介しています。
同社が2026年4月に自主運用型を含む米国の投資家940人を対象に実施した調査では、「信頼できる老舗企業であること」が32%で最も高く、「従来の投資資産と並べて確認できること」が26%、「手数料の低さ」が25%で続きました。
端株取引・IPOセンター刷新など新機能
仮想通貨サービスとあわせて、ガイド付きの退職設計ツールや、全プラットフォームで利用できる端株取引(フラクショナル・シェア)、IPO(新規株式公開)センターの刷新も発表されました。
デスクトップ向けの「Power E*TRADE Pro」では、主要指数を常時表示するティッカーテープや、注文履歴から直接発注できる注文ツール、高コントラスト表示テーマなどの新機能も追加されています。
モルガン・スタンレー「MSBT」始動
米証券大手で広がる仮想通貨サービス競争
E*TRADEによる今回の展開は、米大手証券会社でリテール向け仮想通貨サービスの拡充が進む流れを象徴する動きとなっており、証券口座を通じてデジタル資産を売買できる環境は業界全体へ広がっています。
直近では、大手証券のInteractive Brokers(インタラクティブ・ブローカーズ)が2026年7月14日、取扱対象に仮想通貨9銘柄を追加し、ステーブルコインでの出金にも対応しました。
取引インフラの分野でも、米証券決済大手のDTCCがゴールドマン・サックスなど30社超の参加を得て証券トークン化の本番実証に成功したと報じられています。
手数料や対応銘柄に加え、保管・送金まで含めたサービス範囲を軸に、証券大手と仮想通貨専業プラットフォームの間で顧客の獲得競争が続いています。
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Source:モルガン・スタンレー発表
サムネイル:AIによる生成画像







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