
この記事の要点
- クラリティ法案、7月4日の署名実現せず期限は8月6日へ移行
- 倫理規定とBRCA条項で与野党・法執行機関の合意が難航中
7月4日の署名実現せず、期限は8月6日へ
2026年7月7日、米国の仮想通貨規制法案「CLARITY(クラリティ)法案」をめぐり、ホワイトハウスが目標としていた7月4日までの署名は実現せず、交渉の節目は次の期限となる8月6日へ移ったことが明らかになりました。
米メディアCrypto in Americaの報道によると、上院本会議への提出に向けた調整は続いているものの、法案成立に必要な主要論点の合意には至っておらず、当初想定されていた日程どおりの提出は難しい情勢となっています。
最大の争点となっているのは、政府高官による利益相反を巡る倫理規定で、与野党協議がまとまらない状況が続くなか、法案全体の審議日程にも影響を及ぼしています。
加えて、法執行機関の間でも法案への姿勢に違いが表面化しており、BRCA条項を巡る協議と並行して、与野党による倫理規定の交渉も続いています。
ウォーレン氏を痛烈批判
機関間の温度差と倫理規定が合意を阻む
法執行2団体でBRCA条項への見解が分裂
クラリティ法案の上院提出に向けた調整では、法執行機関の間でも見解の違いが表面化し、法案に関わる2団体から相反する内容の書簡が相次いで提出されました。
NOBLE(全米黒人法執行幹部機構)はクラリティ法案への正式な支持を表明するとともに、主要な法執行機関として初めてBRCA(ブロックチェーン規制確実性法)条項への支持も打ち出し、同条項は法執行上の権限を損なうものではないとの考えを示しました。
これに対し、MCSA(主要郡保安官協会)は支持姿勢を中立へ改め、地方の法執行現場の実務を踏まえた法案の見直しが必要だとして、BRCA条項を含む法案について政府当局との協議を続けています。
両団体で対応が分かれたことで、業界ではDeFi(分散型金融)開発者を過剰な規制から守るBRCA条項が修正される可能性への警戒感も広がりました。
倫理規定を巡り与野党の溝が埋まらず
法執行機関との調整が続く一方で、トランプ大統領の資産開示を受け、倫理規定を巡る議論も交渉の大きな争点として浮上しています。
公開された財務開示によると、トランプ大統領は2025年に10億ドル(約1,620億円)を超える仮想通貨(暗号資産)関連収入を得たとされ、このうち6億ドル(約970億円)超は自身のミームコイン「TRUMP」による収益だったとされています。
これを受け、民主党のクリステン・ギリブランド上院議員(ニューヨーク州)は、大統領や議員、その配偶者によるデジタル資産の発行や後援を禁じる倫理規定の導入を改めて求めました。
これに対し、仮想通貨カストディ(資産保管)大手BitGoのマイク・ベルシェCEOは、規制すべきは資産ではなく政治家の行為だと反論しています。
同氏は「内部情報を使った違法な株取引を続けてきたのは政治家であり、問題は資産がデジタルかどうかではない」と述べ、すべての資産に同じ倫理基準を適用すべきだと主張しました。
一方、5月に委員会で法案の前進に賛成した民主党のルーベン・ガレゴ、アンジェラ・アルソブルックス両上院議員は、本会議での賛成には十分な倫理規定での合意が必要との立場を示しています。
8月6日の提出目標も予断を許さず
法執行機関によるBRCA条項への見解の違いに加え、倫理規定を巡る与野党協議も続いているため、上院本会議への提出に向けた調整は現在も続けられています。
Crypto in Americaは、当初目標だった7月4日の日程自体が現実的ではなかったとの見方を示したうえで、次の節目となる8月6日についても予定どおり進むかは依然として不透明だと伝えました。
それでも、NOBLEが主要な法執行機関として初めてクラリティ法案とBRCA条項への正式な支持を打ち出したことは、停滞が続く交渉のなかでは数少ない前向きな材料と受け止められています。
MCSA、クラリティ法案で中立表明
8月6日へ、法案の行方に集まる関心
米国の仮想通貨規制をめぐっては、クラリティ法案の審議が長引くほど、成立が中間選挙後へ先送りされるリスクを懸念する声も業界内で強まっています。
一方で、規制の明確化を見据えた事業戦略も進められており、米Ripple(リップル)のCEOは16兆ドル(約2,590兆円)規模の決済フローの取り込みを視野に入れた構想を明らかにしました。
クラリティ法案は今後も倫理規定とBRCA条項を巡る協議が続く見通しで、上院本会議への提出に向けた調整は8月6日を次の節目として進められています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=162.16 円)
関連の注目記事はこちら
Source:Crypto in America報道
サムネイル:AIによる生成画像





コメント