クラリティ法案の開発者保護に異議、人身売買対策団体ら80人超が反対書簡

この記事の要点

  • 人身売買対策団体ら80人超、CLARITY法案604条に反対書簡提出
  • 警察団体も反対、開発者保護規定が上院審議の焦点に

人身売買対策団体、クラリティ法案604条に反対書簡

人身売買対策に取り組む米国の団体やカトリックの聖職者・関係者ら80人超は2026年6月23日、仮想通貨市場の規制を定める「CLARITY(クラリティ)法案」をめぐる懸念を、上院指導部宛ての書簡で表明しました。

問題視されているのは、顧客資金を管理しないソフトウェア開発者を刑事訴追の対象から外す「604条」で、仮想通貨業界が重要視してきた開発者保護規定をめぐり、人身売買対策団体や宗教関係者から異論が提起されています。

書簡では、この適用除外によって規制上の抜け穴が生じれば、人身売買や組織犯罪、児童搾取に関連する不正資金の追跡や監視が困難になるほか、金融犯罪対策や説明責任の確保にも支障を及ぼしかねないと訴えています。

そのうえで署名者らは、こうした懸念が解消されないまま法案審議を進めるべきではないとして、上院指導部に対して再検討を求めました。

開発者保護の604条、業界支持と反対が激突

捜査支障と人間の尊厳、反対派が604条を批判

書簡では、犯罪組織が取引の隠蔽や摘発回避のために分散型金融システムを利用しているとしたうえで、規制上の例外規定が広がれば法執行機関による監視や捜査に支障が生じかねないとの懸念が示されました。

その背景として署名者らは、人身売買を現代社会における深刻な道徳的危機の一つと位置付けており、議会が超党派で進めてきた「フレデリック・ダグラス人身売買被害者予防・保護再授権法」などの取り組みを損なうべきではないと主張しています。

また、書簡はカトリック教会が重視する連帯や弱者保護の考え方にも言及し、金融制度や技術革新も人間の尊厳や説明責任から切り離して議論すべきではないとの立場を示しました。

開発者保護なしでは法案不成立と業界主張

一方で604条は、仮想通貨業界がクラリティ法案を支持するうえで重要な条項の一つとされており、業界側は開発者保護なしに法案成立は難しいとの立場を示しています。

同条項にはブロックチェーン規制確実性法(BRCA)の考え方が組み込まれており、顧客資金を管理しない開発者やインフラ提供者を連邦法上の資金移動業者として扱わないと定めています。

業界がこの規定を重視するのは、ソフトウェア開発やコード公開そのものが訴追対象と解釈されれば、米国内での技術開発やオープンソース活動が萎縮する可能性があるためで、法的な明確化が必要だと訴えてきました。

仮想通貨の管轄整理を目指すクラリティ法案

こうした議論の前提となるCLARITY法案は、デジタル資産をどの当局が監督するかを整理し、米国の仮想通貨規制の枠組みを明確化することを目的としています。

法案では、ビットコイン(BTC)を含む大半のデジタル資産を「デジタル商品」と位置付けてCFTC(米商品先物取引委員会)の管轄とする一方で、投資契約に該当するトークンや証券性を持つ資産についてはSEC(米証券取引委員会)が引き続き監督する仕組みが盛り込まれています。

管轄区分の明確化は業界が長年求めてきた課題でもあり、同法案は2025年7月に下院本会議で賛成294・反対134の超党派多数により通過したのち、2026年6月には上院の立法カレンダーに掲載されました。

全米最大の警察団体も604条に反対表明

604条への懸念を示しているのは宗教団体だけではなく、全米最大の警察官団体である友愛警察団(FOP)も、同条項の再考を求める書簡を米議会委員会へ提出しています。

FOPは、非中核的な開発者やインフラ提供者を資金移動業者の対象から除外することで、犯罪収益や不正送金の追跡に必要な法的手段が弱まる可能性があると主張しました。

宗教団体に加えて法執行機関も修正を求める立場を示しており、604条をめぐる議論は上院審議でも継続しています。

公聴会7月17日、クラリティ法案の行方

604条をめぐる議論が続くなか、米下院金融サービス委員会は7月17日にニューヨークでクラリティ法案の公聴会を開く予定で、同法案は上院の立法カレンダーに掲載されたまま本会議採決を待つ段階にあります。

法案成立には上院本会議で60票を確保する必要があるほか、上院農業委員会で並行審議されてきた関連法案との一本化や、下院案との調整も必要とされています。

審議では604条に加え、ステーブルコインの利回り規定をめぐる銀行業界の要望や、政府高官の利益相反を制限する倫理条項など複数の論点が残されており、最終条文をめぐる協議が続いています。

法案は引き続き上院で審議されており、公聴会後の修正協議を経て本会議採決に進む見通しです。

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Source:連名書簡 / FOP書簡
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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