
この記事の要点
- バミューダ首相、USDCエアドロップ追加実施と加盟店導入方針を表明
- 同日閣議が政府のデジタル資産保有・投資を承認
バミューダ首相、USDCエアドロップ追加実施を表明
2026年5月7日、バミューダのデビッド・バート首相は、米マイアミで開催された「Consensus 2026」で、米ドル連動ステーブルコイン「USDコイン(USDC)」のエアドロップを年内に追加実施し、地元加盟店のオンボーディング施策とあわせて進める方針を表明したことが明らかになりました。
今回のエアドロップは、5月12日に開幕する「Bermuda Digital Finance Forum 2026」と連動して実施される予定で、参加者はデジタルウォレットを通じてステーブルコインを受け取り、地元加盟店で実際に使用できる仕組みになると伝えられています。
バミューダ住民にとっては、観光地での決済から日常的な小規模取引までステーブルコインを利用できる場面が広がり、地元事業者にとってもクレジットカード網に依存しない新たな決済手段が選択肢に加わることになります。
さらに同日、バート首相は、政府によるデジタル資産の受領および投資を可能にする規制枠組みがバミューダ閣議で承認されたことも公表したと報じられています。
英領バミューダが掲げてきた「経済全体のオンチェーン化」構想は、住民や加盟店による実利用フェーズへ進み始めています。
国家経済を「完全オンチェーン化」
600件登録と戸別訪問、加盟店リクルートが本格化
DABA制定が下地、住民の実取引段階へ
バミューダは2018年に「Digital Asset Business Act(DABA・デジタル資産事業法)」を制定し、ブロックチェーン関連企業や仮想通貨スタートアップ向けの専用規制枠組みを整えてきました。この規制基盤が、現在の加盟店・住民向け導入施策の土台となっています。
これまで同法の中心はオフショア金融サービスの誘致でしたが、今回の取り組みは制度活用の対象を地元事業者や小規模加盟店まで広げる動きとされています。
路線転換の起点として、バート首相は2026年1月にダボス会議で国家経済を「完全オンチェーン」へ移行する構想を公表しており、この構想は現在も政策の方向性として維持されています。
同構想ではCoinbase(コインベース)およびCircle(サークル)と連携し、USDCを中核に据える方針を示してきました。こうした連携は、実際の決済導入を前提とした設計とみられています。
今回の発表によって、政府によるデジタル資産保有を可能にする規制整備とあわせ、同構想は住民による実際の決済利用を前提とした段階へ移行しています。
クレカ手数料4〜5%、小規模事業者を勧誘
報道によれば、バート首相は、Bermuda Digital Finance Forumに約600件の登録があることを明かしたうえで、政府が地元加盟店を戸別訪問しながらリクルートを進めていると説明しています。
首相が小規模事業者の参加に重点を置く背景には、従来のクレジットカード決済で4〜5%の取引手数料が発生している現状があります。
ステーブルコイン決済への移行によって事業者側の決済負担を抑えられるとしており、現金利用が減少するなかでも、小規模・少額取引に対応できる環境整備を進める方針とされています。
実際の利用イメージとしては、QRコードを首から下げた食料品袋詰めの子どもがチップを受け取り、デジタルウォレットに保管する仕組みが想定されているといいます。
普及推進は政府主導の体制で進められており、オンボーディング事業はバミューダ経済開発公社(BEDC)が財務省・経済労働省と連携して実施しています。
フィンテック開発基金近代化、産業界拠出も
また政策面では、バート首相はConsensus 2026で、政府の既存基金である「Fintech Development Fund(フィンテック開発基金)」を近代化する方針も明かしました。
報道によると、新体制では、産業界からのデジタル資産拠出と政府支援の双方を受け入れられる仕組みへ移行し、オンチェーン経済の拡大を支える資金基盤として活用する方針です。
バート首相はX上で、バミューダ住民を「デジタル金融の未来における傍観者ではなく、所有者・構築者・能動的な参加者にする」と発信しており、住民参加を制度設計の中核に据える姿勢を示しています。
仮想通貨で「支払い」ができる仕組み
住民参加のオンチェーン経済へ
英領バミューダはこれまでもデジタル資産規制の先進地域として知られてきましたが、一連の制度整備によって、政府主導でステーブルコイン活用を進める局面へ入っています。
5月12日開幕のBermuda Digital Finance Forum 2026では、エアドロップと加盟店オンボーディングがどの規模で進められ、ステーブルコイン決済が地元加盟店にどこまで広がるかに関心が集まっています。
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Source:現地メディア「The Royal Gazette」
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用







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