米上院、クラリティ法のステーブルコイン利回り規制で妥協案に合意。銀行業界では一部反発も

クラリティ法案のステーブルコイン利回り規制で妥協案合意

米国の暗号資産(仮想通貨)市場構造法案「クラリティ法案(CLARITY Act)」を巡り、米上院議員らがステーブルコインの利回りおよび報酬の扱いで妥協案に合意した。政治メディア「パンチボウル・ニュース(Punchbowl News)」が5月1日に報じた。

同報道によると、この合意形成は米上院のトム・ティリス(Thom Tillis)議員とアンジェラ・アルソブルックス(Angela Alsobrooks)議員が主導したものだ。なお、パンチボウル・ニュースは合意文言を入手しているという。

新たな文言では、暗号資産企業がステーブルコイン関連で提供する報酬について、禁止内容が盛り込まれているとのこと。具体的には、「銀行預金の利息または利回りと経済的または機能的に同等」とみなされる支払いを広く禁止するとの内容だ。

一方で、銀行預金の利息と同等とみなされない形での報酬については、提供が認められる余地があるとされる。

また同文言では、規制当局に対し、ステーブルコインに関する新たな規制枠組みの策定を求める内容も盛り込まれている。これには、開示制度の整備や認められる報酬活動の一覧の作成が含まれるとのこと。

その後、暗号資産政策を取材するジャーナリストのエレノア・テレット(Eleanor Terrett)氏は5月6日、一部銀行業界団体が今回の妥協案に反発していると報じた。

テレット氏によると、消費者向け事業を持つ大手銀行を中心に、「今回の文言では暗号資産企業による実質的な利回り提供を十分に防げない」との懸念が出ているという。

米銀行業界団体のバンク・ポリシー・インスティテュート(Bank Policy Institute)、アメリカ銀行協会(American Bankers Association)、消費者銀行協会(Consumer Bankers Association)、金融サービス・フォーラム(Financial Services Forum)、独立系コミュニティ銀行協会(Independent Community Bankers of America:ICBA)などは、今回の文言について「利回り支払いを禁止する目的としては不十分」との見方を示している。

一方で、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)やBNY、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)などは、今回の妥協案を比較的受け入れる姿勢を示しているとのこと。テレット氏によると、これら金融機関は、クラリティ法によって暗号資産取引やレンディングなどへのアクセス拡大が期待できる点を重視しているという。

なお、今回の背景には、2025年7月に成立したステーブルコイン規制法「ジーニアス法(GENIUS Act)」がある。同法は発行体による利回り提供を禁止した一方で、取引所など第三者による報酬提供の扱いについては明確な規定がなく、制度設計の余地が残されていた。

このため、利回り付きステーブルコインを巡っては業界間の対立が続いていた。銀行業界は預金の代替となることで資金流出を招く可能性を懸念していた一方、暗号資産企業はユーザー獲得やサービス競争力の観点から報酬提供の重要性を主張していた。

今回の妥協案は、銀行預金の利息と同等の報酬を禁止する一方、それ以外の報酬には一定の余地を残す形で整理されたものとみられる。ただし、銀行業界内でも、その評価は分かれているようだ。

参考:パンチボウル・ニュースクリプト・イン・アメリカ
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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