仮想通貨企業と米銀行が再び衝突、FRBの「新決済口座構想」が火種に

この記事の要点

  • FRBが簡易版マスター口座構想を検討中と報道
  • 銀行以外の金融事業者にFRB決済網への限定アクセスを計画
  • CLARITY法が上院で停滞する中、立法外で制度設計が先行
  • 仮想通貨企業は構想支持、銀行業界は金融安定性への懸念示す
  • 2026年第4四半期にFRB規則案公表予定、今後の決済構造に影響

決済インフラ改革を巡る摩擦、FRB構想が対立軸に

2026年2月10日、FRB(米連邦準備制度理事会)が検討を進める「簡易版マスター口座」構想をめぐり、仮想通貨企業と米銀行業界の対立が再び表面化していると報じられました。

この構想では、従来は銀行のみに認められていたFRB決済ネットワークへのアクセスを、ステーブルコイン発行体など銀行以外の金融事業者にも限定的に認める案が検討されています。

Crypto In Americaの報道によると、仮想通貨企業側は決済システムの多様化につながるとして構想を支持しているのに対し、銀行業界は金融システムの安定性への影響を理由に懸念を示しています。

こうした対立の背景には、仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」が2025年7月に下院を可決したものの上院で停滞し、包括的な法整備が進まない現状があります。立法プロセスの遅れにより、FRB主導の決済インフラ改革が先行する形となっています。

FRBは2026年第4四半期に規則案を公表する方針を示しており、この決定が米国における仮想通貨と銀行の関係性、そして決済インフラの将来像を左右する重要な分岐点になるとみられています。

FRB簡易版マスター口座構想を巡る賛否

CLARITY法停滞下で検討が進むFRB口座構想

仮想通貨市場構造法案「CLARITY法」が停滞し、包括的な制度整備が進まない中、仮想通貨企業の決済機能が既存銀行に集中する状況が続いています。

こうした状況を受け、FRBは既存の枠組みとは異なる「簡易版マスター口座」の検討を進めています。

Crypto In Americaによると、「簡易版マスター口座」は従来のFRBマスター口座とは異なる制度設計として位置づけられています。

この構想では、準備金残高の保有や利息付与といった機能を制限しつつ、決済機能へのアクセスを段階的に提供する設計とされています。

この制度設計により、銀行以外の金融事業者によるFRB決済ネットワークへの限定的な接続が想定されています。

仮想通貨業界による簡易版マスター口座構想への支持

仮想通貨業界の関係者は、こうした構想が特定の銀行に決済機能が集中する構造を見直す点を支持していると伝えられています。

ステーブルコイン発行大手のCircle(サークル)は、米国の決済システム全体の回復力が高まるとの見解を示しています。現状では一部の銀行に決済が集中しており、その銀行に問題が生じた場合のリスクを指摘しました。

Fireblocks、Polygon、Solana、TONなどで構成されるブロックチェーン決済関連団体も、Circleと同様に、銀行依存による非競争的な構造を是正できるとの立場を示しています。

銀行業界が示す懸念

一方、銀行業界は簡易版マスター口座の導入に慎重な立場を示していると報じられています。

American Bankers Association(全米銀行協会)は、仮想通貨企業の多くが長期的な監督実績を持たず、連邦レベルでの一貫した健全性規制の枠組みに組み込まれていない点を問題視しています。

また、Colorado Bankers Association(米コロラド州の銀行業界団体)は別の角度から、不正取引や資金洗浄を助長するリスクが高まる可能性を指摘しました。

金融改革団体Better MarketsのCEOデニス・ケレハー氏も「FRBの権限を不必要に拡大する構想だ」と批判しています。

FRBによる規則案公表に向けた動き

FRBはこれまでに44件の意見書を受け取っており、これらを踏まえた制度設計を進める方針です。

FRBのウォラー理事は、2026年第4四半期に規則案を公表したい意向を表明しており、この規則案が、仮想通貨企業と銀行業界の対立に一定の方向性を示すことになるとみられています。

立法不在の中で先行するFRB制度設計と仮想通貨規制

簡易版マスター口座を巡る対立は、CLARITY法が上院で停滞する中で顕在化した、仮想通貨企業と銀行業界の間にある構造的な緊張関係を示しています。

包括的な市場構造法制が整わない状況下で、決済インフラを巡る個別制度の議論が先行する状況が続いています。

ホワイトハウスは銀行業界と仮想通貨業界の調整を目的とした協議を続けており、10日(米国時間)に予定されている会議に向けた調整が進んでいます。

CLARITY法の行方とあわせて、FRBが示す簡易版マスター口座の具体的な制度内容を巡り、関係者間での議論が続く見通しです。

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Source:Crypto In America報道
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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