「米政府閉鎖リスク80%」仮想通貨市場から1,000億ドルが蒸発|ETF審査にも遅延懸念

米政府閉鎖リスク再燃でBTC・ETHに下落圧力

上院民主党院内総務のチャック・シューマー氏は2026年1月24日、国土安全保障省(DHS)予算を含む歳出法案に関し「民主党は採決に必要な票を提供しない」と正式に表明しました。

これを受けて、連邦政府の一部閉鎖に対する懸念が強まり、市場関係者の間では政策リスクへの警戒感が一段と高まっています。

議会内の与野党対立が深刻化する中、分散型予測市場などでは政府閉鎖の発生確率が1月末時点で約80%に上昇しました。

こうした政治的不透明感を背景に、週末以降の仮想通貨市場では売り圧力が強まり、時価総額は短時間で1,000億ドル(約15兆4,700億円)超に及ぶ規模で急減したと報じられています。

主要銘柄であるビットコイン(BTC)は24時間で約3.4%下落、イーサリアム(ETH)も約5.3%の値下がりを記録するなど、主要通貨における下落傾向が鮮明となっています。

DHS予算対立が招いた仮想通貨市場の急落

市民射殺事件が引き金、民主党内に波紋

DHS関連予算をめぐる今回の対立は、先週末にミネソタ州ミネアポリスで発生した市民射殺事件を契機に、その正当性への疑念が民主党内で一気に広がったことが背景とされています。

同事件では、連邦捜査官がICU看護師の男性を射殺する事態となり、DHSが所管するICE(移民・関税執行局)の強権的な捜査体制に対する反発が党内で表面化しました。

シューマー氏は声明の中で「ミネソタで起きていることは、他のどの米国都市においても容認されるべきではない」と述べ、共和党がドナルド・トランプ大統領に追随する形でDHS改革から後退していると厳しく批判しました。

また同氏は「DHSの予算が含まれる限り、民主党として採決に必要な票を提供することはない」と明確に拒否の姿勢を示しています。

DHS切り離し案に共和党が難色を示す

現在、上院では教育・労働・国防などを含む包括的な歳出法案の採決が迫っており、その中にはDHS向けに644億ドル(約10兆円)、うちICE向けに100億ドル(約1兆5,470億円)の予算が盛り込まれていると報じられています。

本法案の可決には60票の賛成が必要とされますが、共和党は53議席にとどまっており、民主党からの一定の支持が不可欠な情勢です。

2025年10月から11月にかけて発生した43日間に及ぶ政府閉鎖を受け、民主党内ではDHS関連予算の継続に対する根強い反発が今なお続いています。

ワシントン州選出のパティ・マレー上院議員は「白昼堂々と人命が奪われたにもかかわらず、責任を問われない現行制度は到底容認できない」と述べ、DHS予算の切り離し審議を強く求めました。

政府閉鎖確率80%に上昇、市場が反応

こうした政治的緊張の高まりに呼応して、分散型予測市場Polymarketでは1月31日までに政府閉鎖が発生する確率が80%近くまで上昇し、米予測市場「Kalshi」でも予測確率がわずか数日で10%未満から78.6%へと急騰しました。

投資家心理の悪化は市場にも即座に反映され、仮想通貨の時価総額はおよそ6時間で2兆9,700億ドルから2兆8,700億ドルへと急落し、約1,000億ドル規模の資金が市場から流出しました。

ビットコインは一時的に88,000ドル(約1,360万円)を下回る場面も見られ、イーサリアムも大幅な下落を記録しました。

さらに、24時間で3億6,000万ドル(約560億円)超のレバレッジポジションが清算され、そのうち約90%がロングポジションの強制ロスカットだったことから、先物市場でも投機的資金の退避が進んだ形となっています。

米政府機能停止が引き起こすETF承認の遅れ

1月末に迫るETF審査スケジュールへの懸念

予算協議が膠着状態にあるなか、政府閉鎖の可能性は依然として高く、政治的妥協の兆候はほとんど見られていません。

上院共和党はDHS予算を他の歳出法案から切り離す提案を拒否しており、超党派合意に向けた調整は難航を極めています。

このまま進展がなければ、SEC(米証券取引委員会)をはじめとする複数の政府機関が一部業務停止に追い込まれる見通しです。

SECは、政府閉鎖発生時には仮想通貨ETFなどに関する審査業務といった非必須部門を一時停止する方針を公表しており、仮想通貨市場では制度整備の遅延が強く懸念されています。

Bitwiseのマット・ホーガン氏は「ETF承認のプロセスは政府機能の一時停止とともに中断される」と指摘しており、1月末に予定されている審査スケジュールへの影響が現実味を帯びつつあります。

政府閉鎖時のBTC価格推移が示す教訓

一方、Fireblocks社のジェイソン・アレグランテ氏は「一時的な遅延に過ぎず、政府機能が再開され次第、審査作業は迅速に再開されるだろう」との見解を示し、ETF承認プロセスの停滞が長期的展望を損なうものではないとの立場を示しています。

また一部の市場関係者の間では、政府機能が混乱した局面でビットコインが「安全資産」として再評価される可能性があるとの見方も浮上しています。

ただし、実際には2025年秋の政府閉鎖時にビットコインは一時、最高値である約12万6,000ドル(約1,950万円)から10万ドル(約1,550万円)を下回る水準まで下落しており、セーフヘブンとしての性質には一定の限界があることも浮き彫りとなりました。

市場は依然として米政府の動向に対して敏感な反応を示しており、政治リスクが仮想通貨市場に与える影響の大きさがあらためて意識されています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=154.70 円)

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Source:チャック・シューマー氏声明
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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