ドバイ規制当局、Rippleステーブルコイン「RLUSD」を公式トークンとして承認

中東金融ハブでRLUSDの利用が可能に

ドバイ金融サービス局(DFSA)は2025年6月3日、Ripple(リップル)社の米ドル連動型ステーブルコイン「Ripple USD(RLUSD)」を公式トークンとして承認したことが明らかになりました。

リップル社の公式発表によると、これにより、ドバイ国際金融センター(DIFC)内の規制下で事業を行う企業は、RLUSDを決済や資金管理など各種仮想通貨(暗号資産)サービスで利用できるようになります

DIFCは中東・アフリカ・南アジア地域の金融ハブであり、2024年末時点で約7,000社が拠点を置いています。

DFSAは以前にも仮想通貨「XRP」を認定トークンに指定しており、RLUSDの承認はリップル社の規制対応型トークンをさらに推進する取り組みの一環と見られています。

ドバイ承認で広がるRLUSDの可能性

ステーブルコイン「RLUSD」の裏付け資産と安全性

RLUSDは2024年12月にローンチされたRipple社の米ドル建てステーブルコインで、XRP Ledger(XRPL)とイーサリアム(ETH)ブロックチェーン上で発行されています。

1 RLUSD=1米ドルの価値を維持するよう設計されており、その裏付け資産には米ドル預金、米国債、現金同等物で100%裏付けされています。

またRLUSDは、ニューヨーク州金融当局(NYDFS)から認可を受けた信託会社によって発行された、世界でも数少ないステーブルコインの1つです。

RLUSDは高品質な資産による1対1の担保に加え、準備金の厳格な管理、資産の分別保管、第三者による監査、明確な償還権などの安全策を取っています。これらは規制当局や機関投資家から求められる信頼性に応えるための措置です。

Ripple社ステーブルコイン部門のシニアバイスプレジデントを務めるジャック・マクドナルド氏は、公式発表の中で次のように述べています。

DFSAによるRLUSD承認は、当社が最高水準の信頼性・透明性・有用性を備えたステーブルコイン構築に注力してきたことの証です。

規制を重視した設計と企業向け機能を持つRLUSDは、グローバル市場における企業のブロックチェーン技術導入を強力に後押しします。

ドバイ市場のステーブルコイン需要

今回の承認により、リップル社は自社のDFSA認可決済ソリューションにRLUSDを統合できるようになりました。

このソリューションはブロックチェーン基盤の送金ネットワークと高い透明性を持つデジタル米ドル(RLUSD)を組み合わせたもので、国境を越えた送金のスピードやコスト効率を大幅に向上させることが期待されています。

またDFSAの認可を受けた他企業もRLUSDを各社のサービスに組み込むことが可能となり、DIFCにおける高品質なステーブルコイン活用がさらに促進される見通しです。

中東地域では2024年にステーブルコイン取引が前年比55%増加するなど需要が高まっており、今回のRLUSD承認は急成長するUAEのデジタル資産エコシステムに透明性の高いステーブルコインを供給する一助となると期待されています。

不動産と国際送金でRLUSDの導入進む

不動産トークン化で実用化へ

リップル社は2025年3月13日、ドバイ金融サービス局(DFSA)から営業ライセンスを取得し、ドバイ国際金融センター(DIFC)初のブロックチェーン決済事業者として認可されました。

このライセンスにより、Ripple社はUAE国内で規制に完全準拠した仮想通貨送金サービスを提供できるようになりました。これにより約400億ドル(約5.8兆円)規模の市場に迅速で低コスト、かつ透明性の高い決済手段を提供する重要な一歩となりました。

ライセンス取得後、Ripple社はドバイのデジタル銀行Zandやフィンテック企業Mamoと提携し、規制対応した決済サービスの提供を開始しています。

またRLUSDは、ドバイ土地局(DLD)が進める不動産権利書のブロックチェーン・トークン化プロジェクトを支える基盤通貨としても活用される予定です。

米国認可のRLUSD、世界で急成長中

国際的に見ても、RLUSDは厳格な規制環境下で開発・提供されてきました。

2024年12月10日付でNYDFSから正式承認を受けた後、翌17日にはUphold(アップホールド)やBitstamp(ビットスタンプ)など複数の主要取引所で取引が開始されています。

RLUSDの時価総額はローンチから約3ヶ月でおよそ2億5,000万ドル(約360億円)に達し、市場の好意的な反応により、当初のRipple社内予測を大きく上回りました。

Ripple社のブラッド・ガーリングハウスCEOは今年3月のインタビューで「2025年末までにRLUSDを世界で利用されるステーブルコインのトップ5に入れることが目標だ」と述べており、同社はRLUSDのさらなる普及拡大への強い意欲を示しています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=144.00円)

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Source:Ripple公式発表
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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