米コインベース、USDC決済対応プロトコル「x402」をオープンソースで公開

CoinbaseがUSDC決済対応プロトコル公開

HTTPステータスコード「402ペイメントリクワイアード(402 Payment Required)」を再活用する新たな決済プロトコル「x402」が、オープンソースで公開された。米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)の開発者向け公式Xアカウントより5月7日に発表されている。

なおステータスコードの例として、アクセス先のURLに対して「サーバーにリソースが存在しない」ことをブラウザに知らせる合図「404 Not Found」で使用されている「404」がある。「402」は「将来デジタルキャッシュが普及したら使うかもしれない」という意図で「支払いが必要」を意味する番号として利用予約されていたが、約30年放置されていた。

発表によると今回公開された「x402」は、この長年実用化されなかったステータスコード「HTTP 402コード」を、オンチェーン決済のためのリアルな決済レイヤーとして再定義したものと説明されている。同プロトコルの目的は、API提供者やコンテンツクリエイター向けに、エージェント型商取引(agentic commerce)の新たなユースケースを開くことだという。

具体的には「x402」により、あらゆるWebサーバーはリクエストに対して支払いを要求できるとのこと。またクライアント側である人間・AIエージェントは、コインベース開発のイーサリアム(Ethereum)レイヤー2ブロックチェーン「ベース(Base)」上の米ドル建てステーブルコイン「USDC」などで即時決済できるという。

これによりAPI提供者は、人間の関与を必要とせず、サービスのマネタイズが可能になるとのこと。またAIエージェントは、各API呼び出しごとにオンチェーンで決済を行い、完全に自律的な運用ができるという。AIエージェント同士が相互サービスをリアルタイム清算することも可能になる。

さらにAPI提供者や開発者にとっても、従来のUX負荷が大きいサブスクリプション型モデルに代わり、より柔軟な従量課金モデルの導入が可能となるとのことだ。

なお「x402」は、チャージバックや仲介業者の排除に加え、コンプライアンスやセキュリティ機能も標準で備えられており、数行のコードで同プロトコルの統合が可能とされている。加えて、リアルタイムでの収益管理や残高、取引履歴の可視化機能も提供されるという。

またコンテンツクリエイターにとっては、クレジットカード情報の事前登録や一律のサブスクリプションを必要とせず、記事単位・動画の秒単位などでオンデマンドに、コンテンツを収益化する新たなビジネスモデルの構築が可能になるとのこと。

なお「x402」の立ち上げには、前述した「ベース」の他、AIの研究・開発企業アンソロピック(Anthropic)、アマゾンウェブサービス(AWS)、分散型オラクルネットワーク提供のチェーンリンク(Chainlink)、サークル、AI向けコンピューティングおよび検証済み推論サービスを提供するハイパーボリックラボズ(Hyperbolic Labs)、レイヤー1ブロックチェーンのニアプロトコル(Near Protocol)などが協力しているとのことだ。

画像:iStock/gorodenkoff

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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