ブロックチェーンのレイヤー1とレイヤー2の違いとは?仕組みや関係性を解説

ブロックチェーン技術は、デジタルサービスにおけるトランザクションやデータ管理の分野で活用が進んでいます。

イーサリアムなどのレイヤー1は、普及に伴ってスケーラビリティと効率性の課題が浮上してきました。その課題を解決するために開発されたのが、ブロックチェーンの「レイヤー2」ソリューションです。

現在、様々な種類のレイヤー2が登場しており、それぞれ異なる特徴を持っています。

本記事では、ブロックチェーンのレイヤー2の特徴や開発背景、主なレイヤー2の種類についてわかりやすく解説しています。

ブロックチェーンのレイヤー2とは何か

ブロックチェーンのレイヤー2は、レイヤー1のスケーラビリティ問題を解決し、より効率的に取引を処理するための技術です。
レイヤー2の主な目的は、レイヤー1の分散性やセキュリティを維持したまま、1秒あたりに実行できるトランザクション数を高めることです。

イーサリアムメインネット(レイヤー1)の場合、1秒間に15〜30件のトランザクションしか処理できません。しかし、レイヤー2を利用することで、最大65,000件の処理が可能です。(特定条件下での比較)

レイヤー2は、トランザクションをオフチェーンで計算し、圧縮したデータをレイヤー1に送信することで、トランザクション手数料(ガス代)の大幅な削減とトランザクションの高速処理を実現しています。

これにより、ガス代を気にすることなく、すべてのユーザーがレイヤー1にアクセスできるようになります。また、従来よりも向上したユーザー体験を与えることができるアプリケーションの開発や利用が促進されます。

なぜレイヤー2が開発されたのか

レイヤー2が開発された理由として、スケーラビリティ問題の解決とトリレンマの克服があります。

ブロックチェーンのレイヤー1の課題は、1秒間に処理できるトランザクション数が限られているため、需要が高まりユーザー数が増加すると取引処理に時間がかかり、取引手数料が高騰し、ユーザー体験が低下することです。これをスケーラビリティ問題と呼びます。

ブロックチェーンのスケーラビリティ問題を解決するために開発されたのがレイヤー2です。

また、ブロックチェーンの理想は、「分散性」、「安全性」、「スケーラビリティ」の3つが揃っていることです。しかし、ブロックチェーンの仕組み上、3つのうち2つしか実現できないというトリレンマが生じてしまいます。トリレンマとは何かを解決すれば、何かが犠牲になる状況のことで、例えば、安全で分散型のブロックチェーンを開発する場合、スケーラビリティを犠牲にする必要があります。

レイヤー2は、レイヤー1のセキュリティや分散性を引き継ぎつつ、スケーラビリティを向上させ、トリレンマを克服しています。

レイヤー2の種類

主なレイヤー2の種類を解説します。

  • ライトニングネットワーク
  • ライデンネットワーク
  • Plasma(プラズマ)
  • ポリゴン

ライトニングネットワーク

開発者(団体):タデウス・ドリジャ氏、ジョセフ・プーン氏
目的と用途:ビットコインの電子決済システムとしての利用
トランザクション速度:高速
手数料:非常に低い

ライトニングネットワークは、ビットコインブロックチェーンのスケーラビリティ問題を解決するために開発された技術です。

ビットコインは電子決済システムとして考案されたものの、1秒間に処理できるトランザクション数が少なく、処理スピードが遅いため、利用者が増加すると取引手数料が高騰してしまう問題がありました。

ライトニングネットワークは、他のブロックチェーンに比べて圧倒的に処理速度が早く、1秒間の処理数も最大2,500万件に対応しています。

ライデンネットワーク

開発者(団体):Brainbot Labs Est.
目的と用途:イーサリアムのスケーラビリティ問題の改善
トランザクション速度:高速
手数料:非常に低い

ライデンネットワークは、イーサリアムのスケーラビリティ問題を改善するために開発されています。トランザクションをレイヤー1の外(オフチェーン)で行うことで、イーサリアムに比べて高速かつ低手数料での取引が特徴です。

ライデンネットワーク上で行われた取引の計算結果をレイヤー1に送信して記録することで、レイヤー1の負荷を軽減しています。

ライデンネットワークは、決済や個人間での支払いとしての利用を目標としています。

Plasma(プラズマ)

開発者(団体):ヴィタリック・ブテリン氏、ジョセフ・プーン
目的と用途:イーサリアムのスケーラビリティ問題の改善
トランザクション速度:高速
手数料:非常に低い

Plasmaは、イーサリアムの創設者であるヴィタリック・ブテリン氏とライトニングネットワークの創設者ジョセフ・プーン氏によって提案されました。

イーサリアムをはじめとするパブリックブロックチェーンにおけるスケーラビリティ問題を解決するために開発されたブロックチェーンです。

ブラズマチェーンは「子チェーン」と呼ばれる場合があり、イーサリアムメインネットの小規模なコピーと表現できるかもしれません。

イーサリアムの1秒間に処理できるトランザクション数は15〜30件と言われています。Plasmaを利用すると、トランザクションをオフチェーンで計算しているため、イーサリアムよりも高速な処理かつ安価な取引手数料を実現できます。

ポリゴン

開発者(団体):ジャインティ・カナニ氏、サンディープ・ナルワール
目的と用途:イーサリアムのスケーラビリティ問題の改善
トランザクション速度:高速
手数料:非常に低い

イーサリアムベースのDeFiやNFTゲームの人気が高まるにつれて、取引手数料が高騰する問題(スケーラビリティ問題)を解決するためにポリゴンブロックチェーンが開発されました。

ポリゴンは、イーサリアムとの互換性を保ちつつ、イーサリアムよりも高速かつ安価な取引を実現しています。

ポリゴンを活用したサービスは増えており、最近では米スターバックスやNikeなど高い知名度を持つグローバル企業が採用しており、その信頼性の高さから、今後も利用が増える可能性があります。

参照元:NFT Media

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