ボックス相場上抜けで高値更新のドル/円、 上値のメドは124円台前半なのだが…

■米ドル/円はすでに3年以上、上昇トレンドが続いている 今回は、米ドル/円の分析を行なう。まずは、月足チャートをご覧いただきたい。
 月足チャートを見ると、2007年6月の高値124円台から始まった米ドル/円の下落トレンドを示すレジスタンス・ライン「一番右の緑の破線」を、2012年2月に上に抜けたことが読み取れる。 
米ドル/円 月足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
 換言すれば、この「一番右の緑の破線」を中長期のレジスタンス・ラインととらえるならば、2012年2月に下落トレンドから上昇トレンドに転換した、と言える。
 2012年2月にトレンド転換したと考えるならば、もうすでに3年以上も「米ドル高・円安トレンド」が続いていることに留意する必要がある。
 ところが2012年の時点では、米ドル/円は2012年3月以降、下落に転じ、絶対水準で80.00円を割り込み、70円台で推移したことから、2012年は円高傾向の印象が強い状態となった。
 そして、2012年の時点では、確かに米ドル/円が安値75.32円を下に抜けると、つまり新値を更新すると(=歴史的最安値を更新すると)、「円高トレンド」が継続していると判断すべき状態だった、と考える。
 しかし、2012年11月の衆院解散の決定をきっかけに、米ドル/円は急上昇を始めた。政権交代が起これば(民主党政権から自民党政権に交代すれば)、金融緩和策が採られる、といった思惑が働いた、と考える。そして、この急上昇で、「米ドル/円のトレンドは、下落から上昇に転換した」ことが確認できた。
 再掲載した、下の月足チャートには、新たな中長期のレジスタンス・ライン「ピンクの破線」を表示している。  
米ドル/円 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
 個人的には、「このライン『ピンクの破線』は、時間が経過するとなくなる(=引く必要がなくなる)のではないか?」と考えていた。
 上述のとおりに、「2012年2月に『上昇トレンド』に転換した」と考えるので、このライン「ピンクの破線」は引かなくてもよい、と考える。
 つまり、「緑の破線」が中長期のレジスタンス・ラインであり、この「緑の破線」を上に抜けた時(2012年2月)に、トレンド転換が起こった、と考えるので、この「ピンクの破線」は必要ない、とも言える。
 ただし、相場を読む際に、便宜上、このライン「ピンクの破線」を表示しておいた方が都合が良い、と考える。
 この「ピンクの破線」を上に抜ける場合が、「買いシグナル」だった、と考えるからだ。
■急勾配すぎるサポートラインを緩やかにした結果… 月足チャートに、「紫の破線」でサポート・ラインを表示した。
 一昨年(2013年)の5月以降の値動きに注目すれば、サポート・ラインの引き方次第だが、このサポート・ライン「紫の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考えることができる。  
米ドル/円 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
 もともと、このサポート・ライン「紫の破線」は、過去のサポートラインと比べて、その傾きが急勾配すぎると考えていた。
 だから、このサポート・ライン「紫の破線」の傾きが緩やかになるような値動きを、今後するのだろうと予測していた。
 2014年8月下旬の値動きで、米ドル/円は急上昇を始めた。105円台ミドルを上に抜けて高値を更新したことで、サポート・ライン「紫の破線」の傾きを緩やかにする必要がある、と考える。
 それで、新たなサポート・ライン「赤の破線」を表示した。
 この新たなサポート・ライン「赤の破線」を引く場合は、従来のサポート・ライン「紫の破線」は、引かなくてもよい、と考える。
 従来のサポート・ライン「紫の破線」を引かない場合は、大局では、「売りシグナル」が発せられていないことになる(比較的小さな調整はあるとしても、大局では上昇が続いている)。
 また、月足チャートには超長期のレジスタンス・ライン「青の破線」を表示した。  
米ドル/円 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
 105円台ミドルを上に抜けたことで、このレジスタンス・ライン「青の破線」を上に抜け、「買いシグナル」を発した、と考える。
 続いて、週足チャートを…

参照元:ザイFX! 松田哲の「FX一刀両断!」

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