ドル/円は126~127円への上昇も。しかし、 一気の130円超えは難しいとみる理由とは?

■米ドル高ではなく円安、米ドル/円は125円にトライ 米ドル高ではなく円安、といった感が強まったのは先週(5月25日~)からの市況だ。米ドル/円は、一時125円の大台にトライしてから保ち合いが続いているものの、ユーロ/円は2015年年初来高値を更新し、英ポンド/円の高値更新に追随した。
米ドル/円 4時間足(出所:米国FXCM)
ユーロ/円 4時間足(出所:米国FXCM)
 以前のコラムでも述べたように、米ドル全体がブル(上昇)基調をキープしながら、スピード調整を行っている間は、総じてクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が上値追いしやすい時期でもある。
【参考記事】
●ドル全体の調整はしばし続く可能性大だがドル/円は118円台死守ならやがて上放れ(2015年5月15日、陳満咲杜)
 先週(5月25日~)のドルインデックスの反落は、ユーロ、英ポンドなどの外貨が対ドルで切り返したことを意味するから、ユーロ/円、英ポンド/円の上値追いは当然の成り行きでもある。
 ドルインデックスでみると、5月安値を起点とした切返しは、いったん3月高値を起点とした全下落幅の61.8%反騰位置に抑えられて、再反落してきたので、昨日(6月4日)まで外貨の反騰につながった。  
ドルインデックス 日足(クリックで拡大)(出所:米国FXCM)
 対極としてユーロ/米ドルの反騰が一番大きく、昨日(6月4日)一時1.14ドルの節目に迫ったことが、ユーロ/円の141円の節目打診をもたらした。 
ユーロ/米ドル 4時間足(出所:米国FXCM)
■125.7円まで押し目なしで、126~127円台の上値余地も 当然のように、ユーロ/円の高値打診は、米ドル/円の堅調ともリンクしているから、米ドル/円の底固さが目立つ。
 6月2日(火)に125円の大台を打診した後、米ドル/円は上昇スピードを緩めたものの、現執筆時点まで同日安値(123.73円)を下回っていない一方、昨日(6月4日)は米ドル全体が一時大幅反落したことから考えて、円売りのモメンタムが維持されていることが明らかだ。 
米ドル/円 日足(出所:米国FXCM)
 前回のコラムでも指摘したように、基本的には米ドル/円は3月高値を更新したあと、上昇モメンタムを維持できる公算が大きく、125.70円前後の高値をトライするまで、大した押し目がない可能性が大きい。
【参考記事】
●上放れ後の逆張りは無謀。ドル/円で踏み上げられて、血祭りとなったミセスワタナベ(2015年5月29日、陳満咲杜)
 「押し目待ちに押し目なし」といったリスクを覚悟しておいたほうが良いのは、5月中旬まで続いた長い保ち合いがあったからだ。
 換言すれば、保ち合いの長さに比例して、ブレイク後のモメンタムは強いわけだから、目先の米ドル/円が堅調なのは自然の成り行きだ。
 本日(6月5日)の米雇用統計次第でまた一波乱が想定されるが、指標次第で変動幅が大きくなる可能性はあるものの、米ドル/円の高値トライは、なお途中といった見方は不変。再度高値更新を果たした上に、場合によっては126~127円台の上値余地も視野に入れておくべきだろう。
 反面、早くも浮上してきた130円、あるいは132…

参照元:ザイFX! 陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

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