黒田総裁発言はピーターパンが「疲れた、 飛び過ぎた」と言っているようなものだ!

 米ドル全体が軟調な推移に留まっている。
 先週末(6月5日)の米雇用統計は、米国の2015年内利上げを示唆する内容となったが、ドルインデックスの上昇は短命に終わり、先週末(6月5日)の上昇幅は今週(6月8日~)の週初の下落ですべて帳消しとなった。
 結果として、5月高値を起点とした反落が継続された形となり、米ドルのロング筋をがっかりさせた。 
ドルインデックス 4時間足(出所:米国FXCM)
■ユーロの意外な堅調を支えたのは苦い「スイスショック」 米ドルの軟調は、その対極にあるユーロの「意外」な堅調によって「浮き彫り」となっているが、ユーロの堅調はギリシャ問題に関する思惑やドイツ国債利回りの上昇に支えられた以外に、マーケットの苦い記憶に起因していたところが大きいと思う。それは他ならぬ、あのスイスショックだ。
 スイス当局の政策変更で、ユーロ/スイスフランが1日どころか、わずか20分で41%もの前代未聞の大暴落を演じたことは記憶に新しい。
【参考記事】
●9.11に匹敵する衝撃の「スイスショック」!円相場がその二の舞となる可能性も!?(2015年1月16日、陳満咲杜)
●ユーロ/スイスフランが約3800pips大暴落! スイス中銀が防衛ラインの撤廃を発表!

ユーロ/スイスフラン 日足(出所:米国FXCM)
 金融マーケットに大混乱をもたらしたあのスイスショックは、偏った相場がもたらした大惨事とも言え、その特徴として、極端な流動性低下があったと指摘される。
 周知のように、「レッドライン」を引いたスイス当局を信じ、マーケットはもっぱらユーロロング・スイスフランショートのポジションを積み上げ、当局に対抗して、わざとスイスフランのロングポジションを作る者は極端に少なかった。
 このような流動性が極端に低下した偏った市場になっていたから、それがいったん崩れると、皆が一方向に積み上げられたポジションの処理に迫られ、買い手が見つからず、いまだに信じられないほどの大暴落相場につながったというわけだ。
■オバマ大統領の米ドル高牽制発言が市場の不安を喚起 こういった記憶や教訓が、市場関係者の頭にあまりにも鮮明に残っているから、あるウワサにビビり、米ドルロングポジションの処理に走ったわけだ。そのウワサとは、今回、ドイツで開催されたG7(先進7カ国首脳会議)にて、オバマ大統領が米ドル高を牽制する発言をした、というものだ。
 このウワサは、ホワイトハウスにたちまち否定されたが、マーケットは疑心暗鬼に陥り、あのスイスショックへの連想から、米ドルロングポジションの削除に走ったわけだ。
 ユーロの売りポジションに偏った相場の構造は、何となくスイスショック前の状況を思い出させ、また、米ドルロングポジションの決済で一層流動性が低下するのでは…といった恐怖心に支配された側面も大きいと思う。
 ギリシャ問題になお最終結果が出ない中、ユーロはこういった市場心理に支えられ、「意外に」堅調になったわけだ。
 ユーロ以外の主要通貨では、円の急上昇がもっとも目立ち…

参照元:ザイFX! 陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

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