米ドル/円は、いずれ115円を突破して120円へ! 90円を目指す豪ドル/円などの、資源国通貨に 対する円安が米ドル/円を押し上げる展開に

COP26で、脱炭素化は加速する? ジョンソン英首相からは弱気なコメントも みなさん、こんにちは
 マーケットの注目は、11月にグラスゴーで開催されるCOP26(国連気候変動枠組条約締約国会議)。
 COPとは、UNFCCC(国連気候変動枠組条約)を批准するすべての国(締約国)が参加する会議であり、最高意思決定機関です。
 今回は26回目の締約国会議なので、COP26と呼びます。
 COP26に向け、各国が相次いで温室効果ガスの新たな排出削減目標を表明するなど、パリ協定の目標達成に向けて世界の動きが加速し、その動向はメディアでも頻繁に取り上げられています。
【参考記事】●豪ドル/円への強気の見方は変わらず!83円程度までの調整はありそうだが、下げた場面では少しずつ買っていきたい(西原宏一&大橋ひろこ)
 その会議に向けて、英国のボリス・ジョンソン首相が興味深いコメントしています。
「石炭火力全廃を」日本に圧力 31日にCOP26開幕
議長国・英国、日本に決断促す
「日本が国内の石炭火力を廃止する方針を打ち出すことを望む」。英国のジョンソン首相は13日、岸田文雄首相との電話協議でこう求めた。この要請は英国側の発表には明記されたが日本側の公表資料に記載はない。
出所:日経新聞
 英国はすでに、石炭火力発電を2024年までに全廃すると表明。
 そのため、現在は発電の24%を風力に頼っています。
 そして今年(2021年)は「風なき夏」となって、電力不足に陥っているというのが英国の状況。
 その英国が日本に対して「石炭火力の全廃」を求めているわけですが、日本の対応が注目されるところです。
 ただ、ジョンソン首相自身が「うまくいかないかも」と弱気なコメントをしていることも報道されています。
英首相「うまくいかないかも」 COP26で弱気発言
出所:時事通信
英国のジョンソン首相は、日本に対し「石炭火力の全廃」を求めている。一方、ジョンソン首相自身からは「うまくいかないかも」と弱気なコメントも出ていると報じられている (C)Justin Sullivan/Getty Images

高まるLNGの需要は、豪ドル/円の追い風に。短期的なターゲット85円台に到達 ジョンソン首相が弱気になるように、想定より時間がかかるかもしれませんが、ベースロード電源確保のために石炭を減らすのであれば、当然LNG(液化天然ガス)の需要は増えます。
 前回のコラムでご紹介させていただきましたが、日本は中国と並び世界最大規模のLNG輸入国です。
【参考記事】●豪ドル/円は目標の85円に接近。天然ガス上昇を追い風に、中期100円も想定。米ドル/円は、年末年始に向けて120円へ(10月14日、西原宏一)
 日本はその天然ガスを、主に豪州、カタール、マレーシアから輸入しています。結果、このLNGの需要増大が、豪ドル/円の追い風となることは変わらず。
 その豪ドル/円は、先週(10月18日~)、筆者の短期的なターゲットであった85円台に到達。10月21日(木)には、一時86.25円まで急騰しました。
豪ドル/円 日足(出所:TradingView)
 大きな押し目もなく、ほぼ一方的な展開で、期間もわずか2カ月で、豪ドル/円は8円強(=8.35円)急騰したことになります。
日本株の上昇スピードが加速してこない要因は、日本企業のESG対策の遅れにあるか こうしたカーボンニュートラルに関する取り組みは投資の世界でも大きな変化をみせています。
 たとえば、国内外のアセットマネジメントでは、ポートフォリオアナリスト兼ESG(※)スペシャリストというスタッフが必要とされています。
(※編集部注:「ESG」とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉。ESGに配慮した取り組みを行うことは、長期的な成長を支える経営基盤の強化につながると考えられている)
(C)Elnur/AdobeStocks 
 長期投資家が企業価値をつけるうえでESGを重視する中、ESGスペシャリストの存在が重要となっているからです。
 そうした環境下、トレーダーの間で話題になっているのはスコープ3。
 スコープ3とは、脱炭素の範囲を原材料の仕入れや下請けにまで拡大したもの。
 日経新聞によると、この点で進んでいるのが、アップルとマクドナルド。
 投資家の間では、日本の企業ではこのスコープ3の対策の遅れが懸念されています。
 この日本企業のESG対策の遅れが、日本株上昇スピードが加速してこない要因ともいわれており、今後も注目されるのではないでしょうか?
COP26に向けて、資源国通貨(対円)の動きに注目。さらに上昇する可能性もありそう 視点を直近の為替相場に戻すと、注目はCOP26に向けての資源国通貨(対円)の動き。
 豪ドル/円やニュージーランドドル/円が堅調なことは変わりませんが、原油が高騰する中、カナダドル/円も続伸。
 10月27日(水)のニューヨーク市場では、BOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])が債券購入プログラムを終了し、利上げ時期の見通しを前倒ししたことが要因で、カナダドル/円は、一時92.47円まで急伸しています。
 ただ、10月21日(木)に到達した、93.02円は越えられず。今週(10月25日~)のカナダドル円は、92円台ミドルも重たくなっていることが気になるところ。
カナダドル/円 日足(出所:TradingView)
 一方、ニュージーランドドル/円の82円台も上値が重い展開。前述のように、8円急騰し、資源国通貨を牽引していた豪ドル/円が、今週(10月25日~)もみ合いに入っているため、他の資源国通貨も上値を伸ばしきれずにいます。
ニュージーランドドル/円 日足(出所:TradingView)
豪ドル/円 日足(出所:TradingView)
 ただ、時間軸を変えて相場をみると、明日、10月29日(金)は月末になります。
 仮に、豪ドル/円、ニュージーランドドル/円、カナダドル/円が現時点のレベルで今月(10月)を終了するとすれば、これらの資源国通貨(対円)は、月足で久しぶりに大きな陽線で終了することになります。
 つまり、来月(11月)も値を伸ばす可能性が高まることから、あまり大きな押し目は期待できないかもしれません。
豪ドル/円の次の目標は90円。米ドル/円は115円を突破し、120円を目指す展開になるか注目 大きな押し目もなく、ほぼ一方的な展開で、期間もわずか2カ月で豪ドル円は8円強(=8.35円)急騰した豪ドル/円。
 さすがに調整の押し目待ちで、豪ドル/円を筆頭に、カナダドル/円、ニュージーランドドル/円は押し目買いで臨みたいところ。
 豪ドル/円の次のターゲットは90円、米ドル/円は早晩115円を突破して120円を目指す展開になるか注目です。
豪ドル/円 週足(出所:TradingView)
米ドル/円 週足(出所:TradingView)

参照元:ザイFX! 西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

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