米ドル/円の104~106円を想定したレンジ 取引が一番いいか。相場が崩れた理由は?

■やはり、ポジション動向は重要な判断材料だった 7月にユーロ/米ドルが急上昇したあと、急に、ユーロがさらに暴騰するという見方が広がったあたりから、私はユーロに関して、これ以上は上がらないのではないか、という話を再三してきました。
【参考記事】
●強気予測増えたユーロ/米ドル、なぜ下落? ポジション動向からは、さらなる下落に注意(9月10日、今井雅人)
●クロス円中心の押し目買い継続。ただし、上がったところを追いかけて買うのはNG!(9月3日、今井雅人)
●なぜ、米ドル安の長期化を予想する人が増えたのか? 米ドル安第2弾は本格化しない(8月20日、今井雅人)
●予想を超えた米ドル安の背景を整理。ここからの米ドル安は、あまり想像できない(7月30日、今井雅人)
 理由は、これまで何度も説明してきたので、詳しいことは省略しますが、端的に言えば、
1.人の予想は直近の流れに大きく影響を受けてしまうので、それを考慮しなければいけないこと
2.IMM(国際通貨先物市場)における投機筋の米ドルに対するユーロのロング(=買い越し)ポジションが、ここ数年、例のないほど積み上がっていること
 この2点です。
 実際のところ、ユーロ/米ドルは下落し、ついに、サポートラインも下に抜けてしまっています。
ユーロ/米ドル 日足(出所:TradingView)
 トレードに携わるようになって、もう35年になりますが、やはり、ポジション動向がいかに重要な判断材料かということを、改めて感じています。
■英ポンドの下落がきっかけに さて、その上で、相場全体を考えてみましょう。
 話のスタートは、英国とEU(欧州連合)との、年末に迫った貿易協定が暗礁に乗り上げたことでした。
 これにより、まず、英ポンドが崩れました。そして、それが他の市場にも波及し、リスクオフの動きとなりました。
【参考記事】
●ブレグジット関連に振り回され英ポンド急落! 目先はいったん落ち着き、修正の動きか(9月18日、今井雅人)
●英ポンドは、どう動く!? ブレグジット移行期間終了に向けた予想シナリオとは?(9月23日、志摩力男)
 外国為替市場では、特に英ポンド/円、そしてユーロ/円が崩れることになりました。
英ポンド/円 日足(出所:TradingView)
ユーロ/円 日足(出所:TradingView)
 英ポンドやユーロは対円だけではなく、対米ドルでも売りが出てきたために、英ポンド/米ドル、ユーロ/米ドルなども下落していきました。
英ポンド/米ドル 日足(出所:TradingView)
■米国株の下落で、全体的なリスクオフへ そして、その次に起きたことは、米国の株式市場が1週間で、かなりの下落を見せたことです。
 米国では、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、トランプ米大統領が11月に迫った米大統領選を睨んで、再び、中国への強硬な姿勢を見せていることへの懸念もあって、株式市場が崩れました。
NYダウ 日足(出所:TradingView)
ナスダック総合指数 日足(出所:TradingView)
 それを受けて、全体的にリスクオフの様相を呈してきました。
 外国為替市場では、引き続き英ポンド/円、ユーロ/円などを中心に、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)での円高、そして、それにつられて、米ドル/円は104.00円を割り込む手前のところまで円高が進みました。
世界の通貨VS円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
 さらに、リスクオフの動きから、それまでの…

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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