VWショックでユーロ圏経済に暗雲! ECB 追加緩和期待が高まりユーロは1.05ドルへ

■ユーロ/米ドルは長期の調整局面から脱してきた みなさん、こんにちは。
 2015年初頭のユーロ/米ドルは、1月22日(木)にECB(欧州中央銀行)がQE(量的緩和策)導入を決定したことにより、想定以上のスピードで1.04ドル台ミドルまで急落。
【参考記事】
●ドラギマジック炸裂! ECBが予想以上のオープンエンドQEを決定してユーロ急落!(1月29日、西原宏一)
 その後、ユーロ/米ドルは暴落の反動で、調整局面が長期化していましたが、それも6カ月経過してようやく終了。ユーロ/米ドルは再び動意をみせてきました。
■フォルクスワーゲンショックで、ユーロ圏経済は停滞へ ユーロ/米ドル反落のきっかけは、ドイツの大手自動車会社のスキャンダル。
ユーロ/米ドル 2時間足(出所:米国FXCM)
独VW、米国内で一部車の販売を停止=排ガス規制の不正回避で
ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は20日、米環境保護局(EPA)から排ガス規制の不正回避を指摘されたことを受け、米国内の販売店に対し、同社のディーゼル車の一部の販売停止を指示した。
同社のウィンターコルン社長は「顧客の信頼を裏切ったことを深くおわびする」との声明を出し、この問題に関して外部調査を依頼したことを明らかにした。
EPAは18日、同社の一部車が排ガス規制を不正に回避するためのソフトウエアを搭載していたと指摘。同社に科される制裁金は、最大180億ドルに達する可能性もあるという。
VW社の広報担当は、該当車の一部販売停止を認めたが、具体的な台数については明らかにしなかった。
ウィンターコルン社長は「内規や法律に対する違反を容認するようなことはしない」と強調し、関係当局に全面的に協力する姿勢を示した。
出所:ロイター
 このフォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題は、米国に続き欧州やアジアで販売された車両についても調査の動きが拡大。
 混乱の中、ウィンターコルン会長(68)は辞任を表明。創業78年のフォルクスワーゲンの歴史上、最大のスキャンダルに発展したこの不正操作は、ドイツに限らず、ヨーロッパの自動車メーカーの株を軒並み急落へと誘引。
 このフォルクスワーゲンショックは、金融市場に置き換えれば、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)スキャンダルと同様の重大な事件に発展。
(※編集部注:「LIBOR」とは、国際的な金融取引の際に基準となる金利のこと。2012年6月ごろ、この金利が操作されているという疑念が持ち上がっ た。この金利は複数の銀行が関与しなければ操作できないしくみとなっていたことから、世界中の銀行を巻き込んだスキャンダルとなった)
【参考記事】
●下落が収まらないユーロクロス。LIBORの不正操作問題でポンドの下落余地拡大!(2012年7月5日、西原宏一)
 この事件により、質実剛健で誠実な工業国のドイツのイメージも大きく傷つきました。この混乱は、当然通貨にとってマイナスとなり、じわじわとユーロは軟調な展開に。
 ユーロがじわじわと下落を再開している背景には…

参照元:ザイFX! 西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

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