買いが買いを呼び、ドル/円は125円目前! 相場上昇の裏に外国人投資家の存在あり
2015-05-28 2015-10-04
私は、米ドル/円の先行きに関して、「当面はレンジ相場が続いて、その後、米ドル高に向かっていく」というイメージを持っていました。
【参考記事】
●ECB理事が一部ヘッジファンドを優遇!?今回のユーロ急落の裏にあった真相とは?(5月21日、今井雅人)
しかし、予想以上のスピードで米ドル/円は、レンジを上に抜けてしまいました。何が起きたのでしょうか?
これまでの動きを見ていると、日本の公的年金だけではなく、機関投資家なども120円台に買い注文を入れていました。その一部は成立したのですが、結果的には、そういう買い注文が支えとなって、反転していったようです。
米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
思ったより、買いたい人が多くいたということになります。
■米ドル/円上昇の裏に外国人投資家の存在も… それに加えて、外国人の動きも見受けられました。
日経平均が上昇していく中で、外国人投資家も積極的に日本株に投資をしてきているのは周知の事実ですが、外国人の中には、円を借りて日本株を買っている人もいます。
日経平均 日足(出所:株マップ.com)
そういう形であれば、為替レートの影響を受けないので、株が上昇したことによるキャピタルゲインを丸々受け取れることになります。
一方で、自国の通貨を円に換えて日本株を買っている外国人投資家もいました。こういう人は、円安になると為替で損をしてしまい、せっかく株で儲けても為替の損でかなり利益を失ってしまうということが起きていました。
こういう人たちも、これ以上の為替での損を防ぐためにヘッジ取引をしてきています。つまり、米ドル/円を買っているということです。
こうした動きが、相場をジリジリ上げていきました。
■米ドル/円は、「買いが買いを呼ぶ」状況に! そんな中、先週末5月22日(金)の講演で米国のイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、「年内に利上げを始めるのが適切」との発言をしたことによって、「2015年は利上げがないのではないか」という一部の意見が否定され、これも米ドルを買う材料となりました。
このような状況の中で、米ドル/円はさらに上値を試す動きとなったのですが、5月26日(火)に、年初来高値として重要な目先のメドとなっていた3月10日(火)の122.04円を上抜けてしまうと、一気に「買いが買いを呼ぶ」状況になってしまいました。
米ドル/円 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
また、同時に1990年4月17日の高値160.27円と1998年8月11日の高値147.64円を結んだかなり長期のレジスタンスラインが位置していた122円台半ばの水準も一気に上抜ける動きになると、本日5月28日(木)には、これもまた長期チャートでの戻りメドとなっていた2007年6月22日の高値124.14円までも突破。
一時、124.30円まで米ドル高・円安が進むという展開になっています。
米ドル/円 月足(出所:米国FXCM)
さて、ここからの展開が問題となって…