機関投資家向け新団体「Ethereum Institutional」始動、ビットマイン・シャープリンクら支援で

イーサリアムの機関投資家導入を支援へ

イーサリアム(Ethereum)最大級のDAT企業であるビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ(Bitmine Immersion Technologies)とシャープリンク(SharpLink)、そしてイーサリアム共同創設者でコンセンシス(Consensys)CEOのジョセフ・ルービン(Joseph Lubin氏が支援する新たな非営利団体「イーサリアム・インスティテューショナル(Ethereum Institutional)」が、正式に始動したことを7月1日に発表した。同団体は、イーサリアムエコシステムにおける機関投資家向けの「窓口」として機能することを目指す独立組織と位置付けられている。

イーサリアム・インスティテューショナルは、これまでイーサリアム財団(Ethereum Foundation)のゴートゥーマーケット(Go-to-Market:GTM)チームが約1年にわたり進めてきた機関投資家向けエンゲージメントの取り組みを引き継ぎ、より広い地理的カバレッジと長期的な資金基盤を備えた独立組織として設立されたという。

資金面では、ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ(NYSE: BMNR)、シャープリンク(NASDAQ: SBET)、ルービン氏が主要な資金提供者となるほか、数十におよぶ個人・機関投資家からの支援も受けているとのことだ。

同団体によると、機関投資家がトークン化やステーブルコイン、オンチェーン市場インフラなど長期的なプラットフォーム選定を進める際、中立的かつ信頼できるカウンターパートとしてイーサリアムを検討できる環境を提供することを目的としている。

なお今回の設立は、元イーサリアム財団メンバーらが立ち上げた研究開発団体「イースラボ(Ethlabs)」の発表から約1週間後となる。イースラボがプロトコル層の研究開発を担う一方、イーサリアム・インスティテューショナルは機関投資家による導入支援を担う組織として、相互補完的な役割を果たす構想だという。

発表によると、現在イーサリアムのメインネット上には約1,800億ドル相当のステーブルコインが存在しており、世界全体のステーブルコイン供給量のおよそ60%、トークン化実物資産(RWA)のおよそ3分の2を占めているという。

また、資産運用会社や銀行、決済事業者、カストディアン、市場インフラ事業者など大手金融機関によるイーサリアム活用が進む一方、競合するブロックチェーンエコシステムも機関投資家市場を重要戦略と位置付け、専任のビジネス開発組織を設けていると説明している。

さらに同団体は、これまでにTier1銀行、大手資産運用会社、政府系機関、カストディアンなど世界の主要金融機関との間で500件を超える関係を構築してきた実績があると説明。「Institutional Ethereum Forum」には、運用資産総額約250兆ドル規模の機関から150人以上のデジタル資産責任者クラスの経営幹部が参加したという。

活動の重点分野としては、機関投資家向け教育・エンゲージメント、機関投資家向けインテリジェンス、ETHおよびエコシステムのマーケティング、業界要件の把握・標準化支援、機関投資家向けイベントの5項目を掲げる。

拠点はニューヨーク、ロンドン、香港、シンガポールに設置されており、今後はチューリッヒ、フランクフルト、東京、アブダビなど主要金融センターへの展開も計画しているという。

ビットマインのトム・リー(Tom Lee)会長は、金融機関が今後数十年にわたる資本市場インフラの選択を進める中、イーサリアムはその中心的な選択肢になりつつあると述べ、イーサリアム・インスティテューショナルの発足を歓迎した。

シャープリンクのCEOであるジョセフ・チャロム(Joseph Chalom)氏は、機関投資家によるトークン化やステーブルコインへの取り組みが「関心」から「実行」の段階へ移行していると指摘し、そのタイミングに合わせて同団体が設立されたとの見方を示した。

ジョー・ルービン氏は、イーサリアムはこの10年以上にわたり、スケーラビリティやコスト、ユーザー体験の改善を進めると同時に、信頼中立性と検閲耐性を維持してきた結果、ステーブルコインやトークン化資産、DeFiなどオンチェーン金融インフラの中心的な基盤になってきたと説明。伝統的金融はすでにイーサリアム上への移行を進めており、イーサリアム・インスティテューショナルがその流れをさらに後押しするとの考えを示した。

イーサリアム・インスティテューショナルのエグゼクティブディレクターを務めるデビッド・ウォルシュ(David Walsh)氏は、イーサリアムの信頼中立性は最大の強みである一方、それだけでは金融機関との対話に十分ではないと指摘。経営幹部が直接相談でき、経営層への説明にも利用できる独立したカウンターパートの必要性を訴えた。

なお理事会には、トム・リー氏、ジョセフ・チャロム氏、デビッド・ウォルシュ氏が名を連ねている。

今回の発表は、イーサリアム財団を取り巻く組織再編の流れの中で行われた。

財団は先月、全体の約20%にあたる54人の人員削減を実施するとともに、プロトコル層、アクセス層、ユーザー層、コミュニティ層、機関投資家層の5領域を軸とする新体制を公表した。プロトコル層では、CROPS(検閲・捕捉耐性、オープンソース、プライバシー、セキュリティ)の性質を重視し、イーサリアムの自己主権性を損なわずに基盤を強化する方針が示されている。なおプロトコル部門の共同リードを含む複数の主要メンバーも退任している。

こうした中、元イーサリアム財団メンバーらによって設立されたイースラボは、今後イーサリアムのプロトコル研究開発を担う新たな独立組織として活動を開始している。ビットマイン、シャープリンク、ジョー・ルービン氏はイースラボについても支援者として参加している。

また、イーサリアム・インスティテューショナルの創設メンバーであるデビッド・ウォルシュ氏、マリウス・スミス(Marius Smith)氏、マシュー・ドーソン(Matthew Dawson)氏はいずれもイーサリアム財団のEnterprise/GTM機能に関わってきたメンバーであり、ウォルシュ氏はこれまで機関投資家向けエンゲージメントの構築を主導してきた人物だという。

参考:発表
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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